
2018年9月、ソフトバンクの大容量データを中心としたスマートフォン向けの新プラン「ウルトラギガモンスター+(プラス)」がスタートした。「ウルトラギガモンスター+」は、月間50GBのデータ容量を定額で利用できるうえ、対象の動画サービスやSNSが使い放題となるプランだ。その前身として、ソフトバンクは2016年に20GBのデータ容量を定額で利用できる「ギガモンスター」、2017年には50GBのデータ容量を定額で利用できる「ウルトラギガモンスター」というプランを打ち出し、業界を驚かせた。「ウルトラギガモンスター」を実現するにあたり、収益のシミュレーションなどに携わった松本が、企画が立ち上がるまでの背景について語った。
「スマートフォンの楽しみ方が広がるにつれ、データ容量の上限や速度制限を常に気にされるお客さまが増えるようになり、データ容量の制限がお客さまにストレスを感じさせているのではないかという懸念を抱くようになりました。最初に『ギガモンスター』がスタートしたとき、お客さまの約半数に加入いただけるほどご好評をいただきました。それでも、外出時には動画を見ないようにしているとか、Wi-Fiスポットがないとアプリケーションを使わないとか、そんな声も耳に入るようになってきて。それは、お客さまソフトバンクのサービスを存分に使えていない、満足できていない状態であり、双方が不幸せなことだと考えていました。そんな中、現場の担当者からのボトムアップで『ウルトラギガモンスター』というプランの案が出てきました」
「ウルトラギガモンスター」の企画が立案されたとき、渡邊は販売企画部に在籍していた。モバイル事業の販売企画を一手に担い、企画の草案から運用までの全ての工程をまとめ、マネジメントしていた。渡邊らが経営会議で付議した案件を、さらに詳細な仕様に落とし込んでいくのが荒川の役割だ。経営会議では議論にあまり上がらないシステム、カスタマーサービス、店頭業務や法務観点で留意すべき事項などの内容を詰め、担当部門と密接にやり取りをしていった。