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公開日:2023年8月4日

冷蔵庫の容量の選び方は?容量別の電気代やサイズも解説

冷蔵庫の容量の選び方は?容量別の電気代やサイズも解説
冷蔵庫の容量の選び方は?容量別の電気代やサイズも解説

冷蔵庫を選ぶ際には容量が大きなポイントになってきます。「どのくらいの容量を選べばいい?」と迷っている人もいることでしょう。

冷蔵庫の容量は、家族の人数と料理をする頻度で決まってきます。そこで、この記事では、家族の人数や料理をする頻度による、冷蔵庫の容量の選び方を解説します。あわせて、容量別の電気代やサイズも紹介します。

家族の人数別にみる冷蔵庫のおすすめ容量

家族の人数別にみる冷蔵庫のおすすめ容量
家族の人数別にみる冷蔵庫のおすすめ容量

冷蔵庫は、家族構成や料理の頻度によって必要な容量が変わります。ここでは、家族の人数に適した冷蔵庫おすすめ容量を計算式も交えてご紹介していきます。

冷蔵庫の目安容量の計算方法

家族の人数による冷蔵庫の目安容量は、以下の計算式で求められます。

目安容量 = 70L ×(家族の人数)+(120L~170L:常備品容量)+ (100L:予備容量)

こちらの計算式によれば、家族1人あたりの基本目安容量は70Lです。ここに、人数によらず必要となる常備品の容量(120L~170L)と予備の容量(100L)を加え、実際の目安容量としています。ただし、日本電機工業会によれば、設置スペースに余裕があれば、さらに50L程度大きめの容量を考えてもよいとのことです。

計算式に家族の人数を当てはめ、家族の人数ごとに冷蔵庫の目安容量を求めると、以下の表のようになります。

家族の人数 目安容量 スペースに
余裕がある
場合の容量
1人 290~340L ~390L
2人 360~410L ~460L
3人 430~480L ~530L
4人 500~550L ~600L
5人 570~620L ~670L

一人暮らしにおすすめの容量

一人暮らしの場合、290L~390Lが適切とされています。

しかし、自炊をせず、食事は外食やテイクアウトで済ませ、冷蔵庫は飲み物やお菓子などを入れるのに使うだけという人も多いでしょう。そのような人は290L以下の容量でも問題はありません。

ただし、冷蔵庫は100L以下だと、冷凍室が付いていない冷蔵室のみの製品が多くなります。氷やアイスなども入れておきたいと思う場合は、100L以上の冷蔵室・冷凍室2ドアの製品がおすすめです。100L以下の冷蔵室のみの製品は、寝室や書斎などに置いて飲み物だけを保存する、セカンド冷蔵庫に適しています。

自炊をする一人暮らしは、上の式のとおり290L~390Lの容量を選ぶのがよいでしょう。冷蔵庫は、おおむね300L以下は冷蔵室と冷凍室の2ドアで、300L以上になると冷蔵室・野菜室・冷凍室の3ドアの製品が出てきます。自炊を頻繁にする人は300L以上の大きなタイプにすれば、食品の保存もやりやすくなるでしょう。

2人家族におすすめの容量

2人家族に適しているとされる目安容量は、360L~460Lです。

一般に冷蔵庫は容量が大きいほど高機能になり、200Lを超えると冷蔵室にチルドルームなどが、300Lを超えると3ドアになる野菜室が、400Lを超えると製氷室や新鮮凍結ルームなどが付きます。また、300Lを超える機種には開閉センサーや温度センサーなどが装備されることも多いでしょう。

高機能の製品は、食品の保存を効率よく行えるとともに、後述のとおり省エネ性能が高くなって電気代も安くなります。また、夫婦の2人家族なら、将来子供ができて家族の人数が増える可能性もあるでしょう。冷蔵庫の容量は大きめを選ぶのがおすすめです。

3人家族におすすめの容量

3人家族は430L~530Lの容量が適しているとされています。

冷蔵庫は500Lを超えると、温度センサーのほかに湿度センサーが付くなど、装備されるセンサーの種類が増え、庫内の状態をより適切に管理できるタイプの製品が増えます。また、ドアが両開きの製品が増え、右開きか左開きかの選択が不要になります。

4人以上の家族におすすめの容量

4人以上の家族なら500L以上の容量が必要です。

500L~650Lは家庭用冷蔵庫としては最大のクラスとなります。さまざまな食材や作り置きした常備菜などもたっぷり保存できるでしょう。

ただし、容量が大きい機種は、その分本体サイズも大きくなります。設置場所や搬入経路のサイズ確認は怠りなく行いましょう。

電気代を容量別に比較

電気代を容量別に比較
電気代を容量別に比較

冷蔵庫の容量を選ぶ際には、電気代も重要なポイントの一つです。多くの人は、冷蔵庫の電気代は容量が大きくなるほど、比例して高くなると思うのではないでしょうか。

ところが、容量が140L以下~400Lまでは電気代が高くなっていくものの、それより大きい401L~501L以上では、逆に安くなっていくのです。最大クラス501L以上の製品は、最小クラス140L以下の製品より、電気代が安くなっています。(下部表参照)

わかりやすく容量別に表にまとめましたので、ご家庭の冷蔵庫容量を参照してみてください。

冷蔵庫
の容量
年間消費電力量
(kWh/年)※1
年間電気代
(円/年)※1
140L以下 283 7,637
141~200L 296 7,983
201~250L 317 8,563
251~300L 312 8,424
301~350L 343 9,270
351~400L 355 9,591
401~450L 289 7,796
451~500L 272 7,347
501L以上 278 7,493
  • ※1
    年間消費電力量と年間電気代は各製品の平均値

容量の大きな冷蔵庫の電気代が安い理由

容量の大きな冷蔵庫の電気代が安い理由は、高度な省エネ技術が用いられているからです。一般に冷蔵庫に搭載される機能は、容量が大きいほど多彩で高機能になります。その一環で、容量が大きな冷蔵庫には、省エネ技術も高度なものが使用されているのです。
高度な省エネ技術とは、具体的にはインバーター制御と断熱材です。

インバーター制御

インバーター制御とは、従来の技術では一定だったコンプレッサーの回転数を、自由に変化させる技術です。ドアの開閉や冷蔵庫内・周辺の温度などをセンサーで探知し、コンプレッサーの回転数をそれらに適したものにすることで、庫内を効率的に冷やすことが可能となります。

断熱材

冷蔵庫の本体には庫内の冷気を逃さぬよう、断熱材が使用されています。容量の大きな冷蔵庫には高性能な断熱材が使用されているため断熱効果が高くなり、その分電力を使用しないのです。

冷蔵庫の電気代は新しい機種ほど安くなっている

以上のとおり、省エネ性能の向上により、冷蔵庫の電気代は容量が大きくなるほど安くなります。そのため、冷蔵庫を選ぶ際には、電気代のことを考えれば、容量の大きなものを選ぶのがおすすめです。

さらに、冷蔵庫の電気代は、省エネ性能が年ごとに高度になっていくため、新しい機種ほど安くなっています。したがって、冷蔵庫は古いものを使い続けるより新しいものに買い替えたほうが、電気代としてはお得です。

以下のグラフは、冷蔵庫の年間消費電力量の、容量(定格内容積)別の推移です。
このとおり、年間消費電力量は各容量で年ごとに低くなっており、当然電気代も年ごとに安くなっています。

引用: 経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ 2022年版」 P54 定格内容積別比較
P54 定格内容積別比較
P54 定格内容積別比較
年間消費電力量は、日本工業規格JIS C 9801:2015「家庭用電気冷蔵庫及び電気冷凍庫の特性及び試験方法」に基づき測定された年間消費電力量(kWh/年)を整数で表示しています。(定格周波数が50ヘルツ・60ヘルツ共用のものは、それぞれの周波数で測定した数値のうち大きいものとします。また、切替室があるものは、それぞれの状態で測定した数値のうち大きいものとします。)
  • 2016~2017年:省エネ性能カタログ夏版•冬版の単純平均値 / 2018~2021年:省エネ性能カタログPDF版の平均値

購入前に確認が必要なそれぞれのサイズ

購入前に確認が必要なそれぞれのサイズ
購入前に確認が必要なそれぞれのサイズ

冷蔵庫を選ぶ際には、冷蔵庫のサイズも確認すべきポイントの一つです。また冷蔵庫本体のサイズ以外にも、上部や側面・背面に放熱スペースを確保する必要がありますし、搬入に際して、エレベーターや階段、玄関ドアなどの大きさを確認する必要があります。
ここでは、購入前に確認が必要なそれぞれのサイズを見ていきましょう。

冷蔵庫の容量別サイズ

メーカーにより多少サイズが異なるところはありますが、だいたい以下のとおりです。

容量 横幅(mm) 高さ(mm) 奥行(mm)
150L 500 1,200 590
250L 550 1,600 630
350L 590 1,700
~1,800
630
400L 600 1,800 680
450L 600
~680
1,700
~1,800
700
500L 650
~680
1,800 700
550L 680 1,800 700
600L 680 1,800 750
650L 750 1,800 750
  • 上記はあくまで目安ですので、正しくはメーカーの製品カタログをご確認ください。

冷蔵庫を設置するために必要なサイズ

冷蔵庫は庫内を冷やすため、熱を庫外へ放出する必要があります。そのため、上部や側面・背面に放熱スペースの確保が必要です。3ドア以上・2ドア・1ドアの場合に必要なスペースは以下のとおりです。

3ドア以上の冷蔵庫

上部に5cm以上、左右に0.5cm以上のスペースが必要です。背面のスペースは必要ありません。ただし、湿気が多くて壁の結露が気になる場合は、壁から3cm以上離します。また、コンセントが背面側にある場合、振動音や壁の変色・汚れなどが気になる場合も、同様に壁から離して設置しましょう。

2ドアの冷蔵庫

上部に30cm以上、左右に2cm以上、背面に7cm以上のスペースが必要です。ただし、冷蔵庫の上にオーブンレンジなどを置く場合には、オーブンレンジなどの上部・背面から、それぞれ10cm以上のスペースを確保しましょう。

1ドアの冷蔵庫

上部に10cm以上、左右に2cm以上、背面に10cm以上のスペースが必要です。

  • 以上はあくまでも目安です。正しくはメーカーの製品カタログをご確認ください。

冷蔵庫の搬入に必要なサイズ

冷蔵庫の搬入に際しては、建物のエントランスから設置場所までの経路のすべてについて、以下のサイズ確認が必要です。

《本体サイズに左右それぞれ10cm程度を加えた幅》

搬入経路の確認に際しては、特に以下の点に注意が必要です。

  • エントランスや玄関の幅・高さ
  • エレベーターの幅や奥行き・高さ
  • 階段の幅や高さ、踊り場のスペース、らせん階段の有無
  • 廊下の幅、壁の出っ張りや手すり、ドアノブなど
  • そのほかの障害物

ただし、以上はあくまでも目安です。冷蔵庫の搬入・設置が可能かは、販売店と相談のうえ判断しましょう。

料理の頻度によるおすすめの容量

料理の頻度によるおすすめの容量
料理の頻度によるおすすめの容量

冷蔵庫に必要な容量は、家族の人数のほか、料理・自炊の頻度によっても変わってきます。ここでは、一人暮らしと、夫婦などの2人家族について、料理の頻度によるおすすめの容量を見てみましょう。

ときどき料理する程度の人

一人暮らし:290L程度
2人家族:360L程度

料理はときどきする程度だという人は、冷蔵庫に保存するのは料理の際に購入した1回~数回分程度の食材のほか、飲み物や調味料、少量の冷凍食品、氷などのみ。食材や常備菜などのストックはあまりしない、ということになるでしょう。その場合には、冷蔵庫の容量は、一人暮らしなら290L程度、2人家族なら360L程度が適当です。

週2~3回料理する人

一人暮らし:340L程度
2人家族:410L程度

週に2~3回料理をする人は、食材や常備菜などのある程度のストックを冷蔵庫に保存することになるでしょう。その場合には、一人暮らしなら340L程度、2人家族なら410L程度の容量がおすすめです。

このクラスの冷蔵庫は、冷蔵室にはチルドルームが、また冷蔵室とは別に野菜室が設けられている製品が多くなります。また、400Lを超えると新鮮凍結ルームなどが備えられた製品が出てきます。肉や野菜を新鮮なまま保存したり、冷凍保存を存分に活用できるでしょう。

毎日料理する人

一人暮らし:390L程度
2人家族:460L程度

毎日料理する人は、ある程度の量の食材や常備菜などのストックをする必要が出てきます。その場合には、冷蔵庫の容量は、一人暮らしなら390L程度、2人家族なら460L程度を選べば、食材も常備菜もたっぷり保存できるでしょう。

また、このクラスの冷蔵庫は、微凍結パーシャルとチルドの切り替えが可能になるなど、より食材の特性に合わせた保存が可能となります。毎日の食卓が、より充実したものになることでしょう。

冷却方式の違いで冷蔵庫をえらぶ

冷却方式の違いで冷蔵庫をえらぶ
冷却方式の違いで冷蔵庫をえらぶ

冷蔵庫を選ぶ際には、冷却方式にも留意する必要があります。冷蔵庫の冷却方式は大きく分けて「間冷式(冷気強制循環方式)」と「直冷式(冷気自然対流方式)」の2種類です。

間冷式(冷気強制循環方式)

日本の一般家庭に多く流通しているのがこちらの方式で、大容量のものになると省エネ性能に優れている機種が多くなります。

冷蔵庫の外側に冷却器が設置されており、冷却ファンによって冷蔵室や冷凍室それぞれに冷たい空気を循環させることで冷却を行います。
冷却器に付着する霜は、電気ヒーターなどで自動的に除去されるので霜取りの必要はありません。

直冷式のほうが冷却効率が高いといわれていますが、定期的な霜取りに悩まされるので、少し大きめの容量だと感じても間冷式を選択する方も少なくありません。

直冷式(冷気自然対流方式)

一人暮らしの人が使うような小さな冷蔵庫や、寝室に置かれるようなセカンド冷蔵庫などは、主に直冷式が採用されています。

冷蔵庫内に専用冷却器を設置し、冷たい空気を循環させることで冷却を行います。
冷蔵室や冷凍室それぞれに専用の冷却器が設置されているため、効率のいい冷却が可能なので電気代が比較的安くなります。
ただし、冷却器が庫内にあるので容量が手狭であったり、頻繁に開閉することにより冷却器に霜がついてしまうので、定期的に霜取りを行う必要があります。

この間冷式と直冷式は、大体140L前後の容量で見分けることが可能です。
1ドアだったり、正方形で安価といったコンパクトな冷蔵庫はほぼ直冷式です。2ドア以上だったり、150L以上ならほぼ間冷式の冷蔵庫で間違いありません。
コンパクトなものでも間冷式の冷蔵庫は販売されていますので、設置場所や目的にあった冷蔵庫を選んでください。

まとめ

今回は、家族の人数や料理をする頻度によって適切な冷蔵庫のおすすめ容量をご紹介しました。
購入する前には、設置場所や搬入経路のサイズを確認することも重要です。
せっかく選んだ冷蔵庫が想定していた場所に置けない!ということの無いように、事前にしっかり測ってから購入するようにしましょう。

また、容量の大きな冷蔵庫は高度な省エネ技術が用いられているため、容量に比例せず電気代が安くなっています。
これらの情報をよくチェックして、適切なサイズの冷蔵庫を選び、電気代の節約につなげてくださいね。