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公開日:2022年3月22日

花粉症対策に!浴室乾燥機の賢い使い方って?電気代の節約方法もご紹介!

花粉症対策に!浴室乾燥機の賢い使い方って?電気代の節約方法もご紹介!
花粉症対策に!浴室乾燥機の賢い使い方って?電気代の節約方法もご紹介!

3月から4月は、花粉症の原因となる花粉が飛散のピークを迎えたり、中国や東アジアの砂漠地域から多量の砂じん(砂やちり)が偏西風に乗って黄砂として飛んできたりと、厄介な来訪者の増える時期でもあります。
さらにはPM2.5と呼ばれる有害な超微粒子も春にかけて濃度が上昇すると言われており、この時期は、外に洗濯物を干すのをためらう人が多いのも納得できます。

それ以外にも、集合住宅で景観を損ねないための規制があって外に干せないとか、女性の一人暮らしなので外干しはしたくないという人もいます。

そんなときに役立つ「浴室乾燥機」について、今回はその賢い使い方や気になる電気代の節約方法などをご紹介します。
自宅の浴室乾燥機をもっと有効に利用したいという人も、新しく取り付けたいと検討している人も、さらには引越し先に浴室乾燥機が必要かどうか迷っているという人も、まずはチェックしてみてください。

浴室乾燥機を賢く使うには?

浴室乾燥機を賢く使うには?
浴室乾燥機を賢く使うには?

浴室乾燥機を有効利用するには、まず機能の特徴を含めて、メリットやデメリットを知ることから始めましょう。

「何だか電気代が高そう」とか「時間がかかりそう」といった先入観だけで、せっかくの機能を上手に使えていなかったとしたら、こんなにもったいないことはありません。
何ができるのか、何が役立って何が弱点なのかを知れば、自分に合った賢い使い方もできるようになるはずです。

浴室乾燥機でできること

浴室乾燥機の基本的な機能としては、「乾燥」「暖房」「換気」「涼風」「24時間換気」の5つが挙げられます。

乾燥機能

乾燥には、湿気を取りカビなどの繁殖を防ぐために浴室を乾燥させる「浴室乾燥」と洗濯した衣類などの乾燥を行う「衣類乾燥」という2つの目的があります。浴室乾燥では換気+温風でしっかりと湿気を取ってカビ対策を行いますが、このときに衣類を干すことで衣類乾燥も同時に果たせます。

暖房機能

冬場に活躍する暖房機能は、浴室内を暖めるだけでなく、浴室のドアを開けて脱衣所まで暖気を流すこともできます。そうすることで、急激な温度差によって起こる血圧上昇などの「ヒートショック」対策にもなるのです。

換気機能

水滴や湿気を排出する換気機能で、カビの発生などを抑えます。入浴後には十分な時間をかけて、しっかり換気を行いましょう。

涼風機能

夏場にうれしい涼風機能は、扇風機のような風を送ってほてった体を心地よく冷ましてくれます。冷房とは違って、送風運転なので、冷たさのない爽やかな風です。

24時間換気機能

2003年にシックハウス対策として「24時間換気システム」の設置が義務化されました。それ以降、気密性の高い住宅で室内の空気を強制的に換気するために、ほとんどの浴室乾燥機にこの機能が搭載されています。

浴室乾燥機を使うメリット

浴室乾燥機の機能が分かったところで、そのメリットについてご紹介しましょう。

乾燥機能では、浴室のカビ対策になるだけでなく洗濯物を干せるというのが一番のメリットです。雨の日はもちろん、花粉や黄砂、外気のにおいなどが気になって外干しできないときは重宝します。忙しくて夜間しか干す時間がない場合や、急な来客で部屋干しができないときも助かります。

洗濯乾燥機などの衣類乾燥では回転させながら乾かすために、縮んだりシワになったりすることがありますが、吊るして干せるのでその心配はありません。
直射日光に当てると変色の心配があるようなデリケートな衣類を、陰干しでしっかり乾かすことができるのも便利です。

暖房機能はヒートショック対策にも役立ちますが、何より浴室と浴槽の温度差をなくして快適に過ごせるメリットが大きいもの。冬場、お湯に浸かっている間は暖かいのに洗い場が寒いという問題も解消できます。
さらに、夏には涼風機能で爽やかな風を送ることができるため、熱いお湯でのぼせてしまうこともなくなります。

また、機種によっては微粒子のミストが出るミストサウナ機能付きのものもあり、マイクロミストだと湿度が高くなるのに超微粒子のミストなので水滴感がなく濡れにくいため、読書などもできます。

浴室乾燥機を使うデメリット

同様に、浴室乾燥機のデメリットについてもお伝えしておきます。
まず、浴室乾燥機のフィルターにはホコリがたまりやすく、定期的な掃除が必要なので、そのことを面倒に感じるかもしれません。

洗濯物を干すスペースは浴槽の上となり、スペースが限られているために多くは干せないということもあります。洗濯乾燥であれば洗った衣類はすべて乾燥できるので、干す手間を考えてもデメリットと言えそうです。

また、一人暮らしであれば入浴したい時間を避けて浴室乾燥をすることができても、同居する家族が多いと浴室乾燥の時間をうまく調整できない可能性もあります。

そして何より、洗濯物の外干しや換気扇だけの浴室乾燥に比べて、光熱費がかかるというデメリットがあります。この後は、光熱費に関して詳しくみてみましょう。

浴室乾燥機は電気式がおトク?それともガス温水式?

浴室乾燥機は電気式がおトク?それともガス温水式?
浴室乾燥機は電気式がおトク?それともガス温水式?

浴室乾燥機のタイプは、「電気式」と「ガス温水式」の2つに分かれます。それぞれに機能としては同じですが、その仕組みや初期費用、ランニングコストなどに違いがあります。

それぞれの特徴とメリットやデメリットについて紹介し、光熱費の面から電気式がおトクなのか、それともガス温水式がいいのか、チェックします。

消費電力は大きいが初期費用が安く済む「電気式浴室乾燥機」

電気式は浴室乾燥機の中で熱を作り出して温風を出します。
最初から設備として設置されている物件が多いことと、室内に設置する機器を購入するだけで使えるため、初期費用はガス式よりも抑えられる場合が多いと言えます。

ただ、消費電力が大きいことと、ガス温水式にくらべて稼働時間が長くなることで、ランニングコストは高くなります。

初期費用はかかるが短時間で乾燥できる「ガス温水式浴室乾燥機」

ガス温水式の場合は、浴室の外に設置した熱源機で水を温め、その温水を循環させることで温風を作ります。屋内の浴室乾燥機や給湯機とは別に屋外に熱源機の設置が必要になるため、電気式に比べて初期費用は高くなりがちです。

メリットとしては、ガス温水式はパワーが強く電気式の半分程度の時間で乾かせることと、運転時間が少ないために光熱費も抑えられるということが挙げられます。ガス代もかかりますが、それを含めても電気式より低く抑えられるのです。

どちらのタイプの浴室乾燥機のほうが、光熱費が高い?

電気式・ガス温水式は、システムの違いから光熱費に差が出ますが、ランニングコストとしてはどちらが高くなるのでしょうか。
一般的なサイズの機種で、約2kg程度の洗濯物を乾燥させる場合の試算を行ってみましょう。

電気式浴室乾燥機

一般的な電気式浴室乾燥機は、消費電力1,290W(ワット)前後のものが多く、この値は家電製品の消費電力としては高いほうです。
おおよその電気代は以下のように計算できます。1時間あたりの消費電力(kW:キロワット)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh:キロワットアワー)となるため、1,290Wを1.29KWとして計算します。使用時間は平均的な1回の乾燥時間として3時間利用したものとして、料金単価は27円(新電力料金目安単価)とします。
1.29kW×3時間×27円=104.49円
1回の使用で電気代104.49円が必要ということになります。

ガス温水式浴室乾燥機

ガス温水式浴室乾燥機では、ガス代と電気代が同時にかかります。
まず、ガス代の計算式は以下です。
時間当たりのガス代=出力(kW)×3.6MJ/h(メガジュールアワー:メガジュールは熱量の単位)×使用時間(h)÷ガスの発熱量(MJ/㎥:メガジュール・パー・平米)×ガス料金(円/㎥:円・パー・平米)
暖房能力4.1kWのガス温水式浴室乾燥機の場合、1kWh = 3.6MJ(メガジュール:熱量の単位)に置き換え、使用時間を平均的な乾燥時間である1時間とします。
都市ガスの場合の料金は、ガス単位料金×ガス使用量(㎥)なので、一般家庭で使う20㎥超~80㎥までの単位料金を適用して1㎥あたり130.46円で計算。
4.1kW×3.6MJ/h×1h÷45MJ/㎥(都市ガス)×130.46円/㎥=42.79円
これが1回の使用にかかるガス代です。

次に電気代となりますが、必要な消費電力は運転モードによって20~70wくらいの幅はあるものの、一般的な機種の乾燥機能の場合62.5W程度なので、電気代の計算式にあてると、0.0625kW×1時間×27円=1.6875円。

必要な電気代は1.6875円なので、ガス代と電気代の合計は約44.47円に。
1回の使用に関して言えば、光熱費は電気式よりガス温水式の方が安くあがります。

衣類乾燥機を使った場合の電気代は?

外干し以外での衣類乾燥と言えば、洗濯と同時に行うことができる衣類乾燥機もあります。
浴室乾燥機と違って洗濯物を干す手間がなく、ボタン一つで洗濯から乾燥までワンストップで行えるのが大きなメリットですが、回転している間にシワが寄ってくしゃくしゃになることも。生地によっては縮んだり傷んだりするリスクもあるので、洗濯表示に注意することが必要です。

衣類乾燥機には「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」の2種類がありますが、一般的な機種で乾燥時の消費電力量が1,100Whほどかかるため、1時間の電気代は1.1kWh×27円/kWh=29.7円という計算に。 平均的な乾燥時間を2時間とすると、電気代は59.4円となります。

こうしてみると乾燥機は、電気代の面で高いイメージがあります。それでも浴室乾燥の、暖房や換気など暮らしに役立つ多彩な機能は使いこなしたい。 そこで、次からは電気代の節約や、省エネルギーの方法についてご紹介していきましょう。

浴室乾燥機の電気代を節約するには?

浴室乾燥機の電気代を節約するには?
浴室乾燥機の電気代を節約するには?

さまざまなメリットがあり、便利さは十分に理解していても、電気代が高めになりがちな浴室乾燥機。その電気代を少しでも節約して、省エネしながら快適に使いたいと思う人は多いはずです。

そこで、ちょっとひと手間をかけたり、少し意識して気を付けたりするだけで、電気代の節約につながる方法をご紹介します。
家事の合間や浴室乾燥機を使用するときに、できることから始めてみてください。1ヵ月後あるいは1年後に、はっきりした違いとなって目に見えてくるかもしれません。

今日からできる!電気代を節約する方法

水滴をふき取るなどして、浴室内の湿気を減らす

浴室乾燥機を使うとき、湿気の多い状態では余分な水分を乾かすために余計な電気代がかかってしまいます。特に入浴後は浴室に水滴が残っているものですが、少しでも運転時間を短く済ませるために浴室内の水滴はできるだけふき取っておきましょう。タオルや水切りワイパーで、浴室の壁や天井についた水分をふき取るだけでも違います。
また、浴槽にお湯を残した状態で浴室乾燥機をかけるときには、しっかりフタを閉めて湿気を閉じ込めておくことも忘れずに。

しっかり温風を送れるよう、フィルターをこまめに掃除する

浴室乾燥機にはフィルターがついていますが、衣類乾燥を行うと衣類の繊維などがホコリや糸くずとなって付着します。付着物が溜まるとフィルターが目詰まりを起こして、温風を送るためによりパワーが必要となり電気代がさらにかかるので、定期的にフィルター掃除を行うことも節約のポイントとなります。

一般的にフィルター掃除の目安は3~6ヵ月に1度とされていますが、梅雨の時期などで使用回数が多いときには1~2ヵ月に1度くらいの掃除を行うのが理想的です。
こまめに掃除をしてフィルターをきれいにしておけば、衣類を早く乾かして電気代を抑えることができるうえ、洗濯物にホコリがつくことも防げます。

量の調節や配置などで、洗濯物の干し方を工夫する

洗濯物の種類などによって干し方を工夫すると、乾燥が早く進んで電気代を抑えることにもつながります。まず、洗濯物を大量に干すのはやめましょう。間に隙間がなくなると空気の流れができないため、なかなか乾燥が進みません。十分なゆとりを作って、間に風を通せる量の洗濯物を干してください。
すぐに乾く薄手の衣類などは部屋干しにして、厚手のものだけを浴室乾燥で乾かすという方法もあります。

また、衣類の配置によっても、乾き方は違ってきます。 例えば、乾きにくい厚手の衣類などは、送風口の近くに干すと温風がしっかり当たって乾燥にかかる時間を短縮できます。送風口が天井の中央に取り付けられている場合は、ランドリーパイプの中央に厚手の衣類、両端に乾きやすい薄手のものという形がおすすめです。

室内干しや扇風機を併用して時間を短縮する

浴室乾燥機を運転させる前に1~2時間の室内干しである程度洗濯物を乾かしておくなど、ほかの干し方をうまく併用することでも、乾燥にかける時間を短くして電気代は抑えられます。
浴室に扇風機を置いて洗濯物に風を当てるようにすれば、洗濯物も効率よく乾きます。扇風機は消費電力も少なく一般的な製品で10~35W程度なので、1時間稼働させても1円以下ですから電気代の負担になることはありません。

かかる電気代の違う換気モードと乾燥モードを使い分ける

浴室乾燥機の機能の中で、一番電気代がかかる乾燥モードと、一番電気代の安い換気モードを使い分けるのも一つの方法です。
乾燥モードを使う前に、しばらく換気モードで運転して浴室内の湿気を逃がしておくのです。入浴後や雨などで湿度の高いときには、換気モードで浴室の湿度を下げてから洗濯物を干して、その後で乾燥モードに切り替えると、時短と電気代の節約が一度にできます。

電気代の節約にもなる!電力会社の見直し

浴室乾燥機の電気代そのものを節約するために、自宅で電気契約を行っている電力会社を見直すという方法もあります。
現在では、2016年の電力自由化にともなって、さまざまな電力会社が提供するオリジナルのサービスやプランを選べるようになりました。
例えば支払い方法については、連携するクレジットカードなどで支払うと割引がある、特定のポイントが貯まる、といった特典も。
電気代を節約しながら楽しみも増やせるなら、検討する価値ありと言えそうです。

まとめ

浴室乾燥機は、ただ浴室の湿気を取るだけではありません。
カビ対策はもちろん、花粉や黄砂の季節など外干しできないときの衣類乾燥や、冬場のヒートショック対策にもなる暖房機能、ハウスシック対策のための24時間換気など、健康に役立つ機能も備えた電化製品です。

しかし、消費電力の高い家電製品として位置づけられるために、電気代の節約について考える必要がありました。
かんたんにできる節約方法や電気代の見直しなどで、省エネしながら上手に使いこなして、快適な生活に役立ててください。