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公開日:2024年1月22日

こたつの色褪せない魅力と賢い使い方!

こたつの色褪せない魅力と賢い使い方!
こたつの色褪せない魅力と賢い使い方!

冬本番、暖房器具が手放せない一方で「節約」の二文字が頭をよぎります。エアコン、オイルヒーター、パネルヒーターに電気ストーブ…生活様式によって最適な暖房器具を選びたいところですが、今回は冬といえばコレでしょ!と誰もが思い浮かべる「こたつ」について、そのメリットやデメリットから購入する際の選び方までをご紹介します。

進化したこたつ

進化したこたつ
進化したこたつ

こたつと聞くと思い浮かぶのは、掛布団の上に天板を乗せた電気こたつですが、その起源は室町時代にまでさかのぼると言われています。当時は囲炉裏をすのこで囲い衣類をかぶせ利用していましたが、江戸時代になると組んだやぐらに布団を掛け、中に火鉢を入れて利用していたそうです。

一般家庭に掘りごたつが普及したのは明治時代ですが、熱源が木炭や炭団などで火傷や一酸化炭素中毒の危険もあり、より安全に使えるようにと電気こたつが市場に現れたのは戦後からだそうです。

その電気こたつも時代とともに変化をとげ、さまざまな種類の中から選べるようになっています。

こたつといえば正方形の座卓タイプを想像する方も多いと思われますが、最近はさまざまなニーズに応えられるよう形もバリエーション豊かになっています。

正方形はもちろん長方形、円形、楕円形のもの、天板のデザインがお洒落なもの、収納しやすいよう脚が折りたたみ式のもの、ダイニングテーブルのように椅子とセットで利用できるハイタイプのものなど、デザイン性だけではなく機能性も充実しています。

こたつのメリットとデメリット

こたつのメリットとデメリット
こたつのメリットとデメリット

こたつには部屋全体をあたためる機能はありませんが、ほかの暖房器具にはないメリットがあります。ここではそのこたつのメリットと併せてデメリットについても押さえておきましょう。

こたつのメリット

・冷えやすい足元を直接あたためられる
・部屋の空気が乾燥しない
・換気の影響を受けない
・エアコンやヒーターに比べ電気代が安い

こたつの一番のメリットはなんと言っても「電気代の安さ」です。以下の表は、一般的な暖房器具の消費電力(W)と電気代(1時間)の目安ですが、ほかの暖房器具と比較するとこたつの電気代がいかにお財布に優しいか分かります。

家電製品 消費電力 電気代(1時間)
こたつ 300~600W 9.3~18.6円
エアコン(10畳用) 100W~2,000W 3.1円~62円
オイルヒーター 300W~1,500W 9.3~46.5円
電気ストーブ(ハロゲンヒーター) 400W~800W 12.4円~24.8円
  • 消費電力や電気代はメーカーおよび機種によって異なるため、基準値としてお考えください。
  • 電気代の算出方法は、電気代=消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)とし、1kW = 1,000Wで計算しています。電気代の目安は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価(令和4年7月)をもとに、31円/kWh(税込)で計算しました。

暖房器具はスイッチを入れてからあたたまるまでの間もっとも電力を消費しますが、運転中も温度調節のために電力を消費することを考えると、こたつの電気代の安さがお分かりいただけると思います。

こたつのデメリット

・布団を含め部屋の場所を取る
・収納スペースを確保しなくてはいけない場合がある
・床の掃除がしづらくなる
・季節ごとに掛け敷き布団のクリーニングが必要

こたつのデメリットは、やはり場所を取るため部屋を圧迫する、ということではないでしょうか。しかし、最近は薄型ヒーターのこたつや自宅で洗えるこたつ布団なども多く、収納場所の確保やクリーニングに掛かる費用を気にすることは少なくなっているため、デメリットを上回るメリットを感じられるようになっています。

こたつの賢い使い方と注意点

こたつの賢い使い方と注意点
こたつの賢い使い方と注意点

お財布に優しいこたつですが、使い方を工夫すればさらに電気代を節約することができます。ひと手間加えて節約しながらあたたかく冬を過ごしませんか?

温度調節していますか?

エアコンやヒーターと同じように、こたつもスイッチを入れあたたまるまでの間にもっとも電力を消費します。しかし、一度あたたまればこたつの中はあたたかい状態が続くため、温度を下げてもあたたかさはほぼ変わりません。あたたかくなったな、と思ったら温度を下げれば消費電力量を抑えられます。

温度を自動調節するタイプのものや、人感センサーの付いているものもありますので、これから購入される方は温度調節について事前に調べておくと、ご自身に合った節約が見込めるでしょう。

あたたかさを逃がさないプラスアルファ

敷き布団を二枚重ねる、厚手のものにする、あたたかい素材のものにする、なども床からの冷気を防ぎ保温効果がアップします。敷き布団の下に保温用のアルミシートを敷いても同じような効果が得られますのでお試しください。アルミシートは100円均一ショップでも手軽に入手できます。

掛け布団も、スリット入りの中掛け毛布を使えば隙間が解消され暖気が逃げにくくなり保温効果がアップします。アルミの中掛けシートを活用する、という方法もあります。

危険な使い方、していませんか?

こたつは比較的安全な暖房器具ですが、総務省消防庁によると平成26年から平成30年までの5年間で電気こたつによる火災が192件発生しています。

火を使用しているわけではない、という安心感はありますが、電気こたつのヒーター部分に衣類や布団が触れたまま放置していると、思わぬ火災の原因になり大変危険です。
こたつの中で洗濯物を乾かしたり、座椅子などでこたつ布団を押し込んでしまうことのないよう、気を付けて安全に使用しましょう。

また、ヒーター部分に溜まったホコリや電源コードの断線なども火災の原因となる場合があるので、こちらも注意が必要です。

  • WHO「住まいと健康に関するガイドライン」
  • 電気代の安いこたつですが、暖房器具として室内の温度を上げることはできません。
    2018年11月にWHO(世界保健機関)が発表したガイドラインによると、寒さが健康に影響に与えるという研究結果から室内温度を18℃以上に保つことを強く勧告しています。地域や生活様式により体感温度は個々によって異なりますが、室内温度があまりにも低い部屋ではエアコンなどを併用し、こたつは補助暖房器具としてお考えください。

    下記WHOのガイドラインでは健康被害についての詳しい調査・研究結果がご確認いただけますので、一度目をとおしていただくことをおすすめします。

こたつを選ぶコツ

こたつを選ぶコツ
こたつを選ぶコツ

こたつは約10年使用できる電化製品です。長く使うものであるからこそ購入後に「失敗した!」と後悔することのないよう、購入の目安となるポイントを押さえておきましょう。

形やサイズで選ぶ

部屋の広さや動線を考慮すると、どれくらいのサイズのものを選べばいいのか見えてきます。こたつを置いても動けるだけのスペースがあるか、何人で使用するのか、まずはこの二点を押さえましょう。

ひとり暮らしの場合は60cm~80cmの正方形タイプを、2人~4人で使うなら幅105cm~120cmの長方形タイプや幅90cm以上の円形タイプをおすすめします。脚の長いハイタイプならひと回り小さいサイズでも足がぶつからずに使用できるので、部屋の広さが気になる方はハイタイプも選択肢のひとつとしてご検討ください。

最近はすっきりシンプルな形のもの、ナチュラルな木目調のものなど、デザイン面でも多彩なバリエーションが展開されていますので、部屋の雰囲気に合わせて選ぶこともできます。

機能で選ぶ

こたつの温度制御には「サーモスタット方式」と「電子制御方式」の2種類があります。

サーモスタット方式は一定の温度になると自動で電源が切れ、温度が下がると再び自動で電源が入るようになっています。昔からあるこたつはこのタイプで、電源の切り替え時に「カチッ」と音が聞こえます。
電子制御方式は温度センサーが搭載されており、設定した温度を自動でキープしてくれる優れもの。手元のコントローラーで温度の設定が可能な商品もあり、とても便利です。

そのほかの機能としては
・継脚(脚を継ぎ足し高さ調節が可能)
・タイマー機能(電源の切り忘れ防止)
・ファン機能(こたつ内の空気を循環させムラなくあたためる)
・人感センサー機能(足を入れると自動で電源が入り、離れると電源が切れる)
・折りたたみ式
・消臭機能
・USBポート付き
・布団レス(布団がなくても足元があたたまるパワフルなヒーター搭載)
など、さまざまな機能がありますので、欲しい機能で絞り込むことも可能です。

ヒーターの種類で選ぶ

こたつのヒーターは大きく分けて3種類あります。それぞれ発熱体やあたたまる速さに違いがありますので、ご自身に合ったものをお選びいただけます。

石英管(せきえいかん)ヒーター

石英ガラスでできた管の中にニクロム線を入れ発熱させるもので、こたつの中では最もスタンダードなヒーターです。遠赤外線により体の芯まであたたまりますが、スイッチを入れてからヒーターがあたたまるまでに2~30秒ほど時間が掛かるため、すぐあたたまりたい方には不向きかもしれません。
(消費電力の目安:約300〜600W)

ハロゲンヒーター

石英管の中にタングステン線と不活性ガスが封入されています。石英管ヒーターより即暖性(速暖性)に優れ発熱温度が高いため、スイッチを入れすぐにあたたまりたい方におすすめのヒーターですが、消費電力が若干大きいという点にはあらかじめ注意が必要です。
(消費電力の目安:最大約600W)

フラットカーボンヒーター

炭素繊維を発熱体とし、電気を通すと赤外線を発します。フラットなためほぼでっぱりがなく、こたつとして使用しない時期は普通のテーブルとして使えます。広い範囲をムラなくあたためることができる反面、消費電力が小さいため暖房パワーは控えめです。
(消費電力の目安:約300W)

不用になったこたつはどうすればいい?

不用になったこたつの扱いに悩む方もいらっしゃるでしょうが、いくつか方法があります。

1. こたつがまだ使える場合

「新しいこたつを買ったのでいままで使っていたものを手放したい」という場合は、売却するという方法があります。フリマサイトやオークションサイトに出品する、リサイクルショップに持ち込む、あるいは新しいこたつを購入する際に下取りサービスをしている店舗を探す、など利用しやすいものを選ぶとよいでしょう。

2. こたつが故障してもう使えない場合

自治体により異なりますが、こたつは小型家電として粗大ごみ(埋立ごみ)の回収日にごみステーションに無料で出せる場合があります。お住まいの地域でどのように処分するか、自治体のウェブサイトなどをご参照ください。また、有料戸別収集を利用する、処理場に直接持ち込む(有料)、不用品回収業者に依頼するなど、ライフスタイルに合った方法をお選びいただけます。

なお、こたつはヒーター部分をかんたんに取り換えられる商品もあるので、愛着のあるものはヒーターユニットを購入し修理して使用し続ける、という手もあります。

こたつについてのまとめ

今回はこたつのメリットとデメリット、購入の際の選び方などについてご紹介させていただきました。1年の内3~4ヵ月は暖房器具のお世話になるため、やはり省エネや節約という点も見逃せません。エアコンを使う場合もこたつと併用することで設定温度を低めに設定できるため、季節単位で考えれば全体的な節約につながると思います。

市場にはさまざまな「あったかグッズ」が出回っているので、こたつだけではやはり上半身が寒いという方は「着る毛布」や「ネックウォーマー」などのアイテムをプラスして、寒い冬を乗り切って行きましょう。