公開日:2024年1月22日
更新日:2024年10月11日
手足を素早く暖められるこたつですが、いくら電気代がかかるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。寒さが本格的になると暖房器具が手放せなくなりますが、昨今は電気代が高騰していることもあり、節約に意識が向きがちです。
こたつはエアコンやオイルヒーターなど他の暖房器具と比較すると電気代が安い傾向にあります。さらに、電気代の節約につながる使い方を実践すれば、より節約効果を得られるでしょう。
そこで今回は、こたつの電気代やメリット、製品の選び方などを紹介します。
こたつはスイッチを入れるとすぐに暖を取れるため、冬場に重宝するご家庭も多いのではないでしょうか。しかし、昨今は電気代が高騰しているため、こたつを使用したときの電気代は気になるものです。
各メーカーから販売されている商品を参考にすると、主なこたつの消費電力は300W~600W程度です。
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価の31円/kWhで算出すると、こたつの電気代は1時間あたり9.3円~18.6円程度となります。また、こたつの電気代を他の暖房器具と比較すると、以下のとおりです。
暖房器具 | 消費電力の目安 | 電気代の目安(1時間) |
---|---|---|
こたつ | 300W~600W | 約9円~19円 |
エアコン(暖房) | 100W~1,100W (立ち上がり時2,000W) |
約3円~34円 (室温などで変動) |
オイルヒーター | 500W~1,200W | 約16円~37円 |
電気ストーブ(ハロゲンヒーター) | 180W~1,000W | 約6円~31円 |
セラミックファンヒーター | 600W~1,250W | 約20円~39円 |
ホットカーペット | 200W~330W | 約6円~10円 |
消費電力や電気代はメーカーおよび機種によって異なるため、あくまでも目安としてお考えください。
上記の表から、こたつは他の暖房器具よりも電気代が比較的安いことがわかります。電気代が高騰している状況において、電気代を抑えながら暖を取れる便利な家電といえるでしょう。
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記事を読む家計に優しいこたつですが、使い方を工夫すればさらに電気代を節約できます。ひと手間加えて、節約しながら暖かく冬を過ごしましょう。
フローリングの上にラグやカーペットを敷いてからこたつを置けば、熱が逃げにくくなり保温効果を高められます。和室でこたつを使用するときも、畳の上にラグやカーペットを敷いてこたつを置きましょう。
ラグやカーペットを敷けば、早く暖まるうえに設定温度を弱めても十分に暖を取れます。快適に暖を取りつつも、こたつの設定温度を弱めて消費電力を抑える意識を持てば、電気代を節約できるでしょう。
さらに、カーペットとフローリングの間に断熱シートや保温用のアルミシートを敷くと、より保温効果が高まります。
こたつのサイズに対して、大きめのこたつ布団をかけましょう。サイズと厚さが十分にあるこたつ布団をかけて隙間をできるだけ小さくすれば、暖かい空気がこたつの中から逃げにくくなります。
なお、こたつ布団だけの場合とこたつ布団に上掛けと敷布団を併用した場合を比較すると、後者のほうが年間で約1,010円の節約となります(1日5時間使用)。
こたつのサイズに合わせて、最適なこたつ布団も探してみてください。
こたつは下半身や手足を素早く暖めることができる一方で、上半身が寒く感じる可能性があります。上半身が寒いと感じたら、上着やカーディガンなどを1枚多めに羽織って暖まりましょう。
上半身を暖めるためだけにエアコンやヒーターなどを使用すると、トータルで電気代が高くなってしまいます。特に、エアコンの暖房は電気代が高くなりやすいため注意が必要です。
こたつは暖房器具の中でも電気代が安いため、有効活用しましょう。他の暖房器具を運転する時間を短くすれば、家庭全体の電気代を節約できます。
設定温度を弱めに設定すると消費電力を抑えられ、電気代の節約につながります。すぐに暖まりたい場合は設定温度を高く(製品によっては「強」と表示されています)しても問題ありませんが、ある程度暖まったら徐々に低くしましょう。
こたつの中は狭いため、設定温度を下げても十分に暖を取れます。また、ラグやカーペット、こたつ布団があれば暖が逃げにくいため、より効果的に保温できます。
こたつは、部屋全体を暖めることはできません。しかし、他の暖房器具にはないメリットがあります。
こたつのメリットとデメリットについて解説します。
暖房器具の中でも、こたつ特有のメリットは以下のとおりです。
・電気代が比較的安い
・冷えやすい足元を直接暖められる
・部屋の空気が乾燥しない
・換気の影響を受けない
・テーブルとして利用できる
こたつのメリットはなんといっても「電気代の安さ」です。
すでに示したとおり、こたつの1時間あたりの電気代は9.3円~18.6円と、他の暖房器具と比べて電気代の安さがおわかりいただけると思います。
部屋全体を暖める暖房器具を使用すると空気が乾燥しますが、こたつは部屋の湿度に影響しません。部屋が乾燥しにくいのも、こたつのメリットです。
こたつにはメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
・部屋の場所を取る
・収納スペースを確保しなくてはいけない場合がある
・床の掃除がしづらくなる
・こたつ布団のクリーニングが必要となる
・部屋全体は暖まらない
こたつのデメリットとして、場所を取り部屋を圧迫する点が挙げられます。暖房やヒーターと比較すると、設置にあたって多くの面積を必要とするため、ご家庭によっては置く余裕がないケースもあるでしょう。
こたつを置いている場所は掃除がしづらく、掃除を怠るとほこりがたまってしまいます。こたつのシーズンが終わると、こたつ布団のクリーニングが必要となるため、さまざまな手間がかかってしまう点は否めません。
新しくこたつの購入や買い替えを検討している方もいるのではないでしょうか。こたつは製品ごとに性能や機能が異なるため、ご家庭に合った製品を選びましょう。
こたつを選ぶ際に注目するとよいポイントを解説します。
こたつによっては、節約につながる便利な機能が付いています。電気代を抑えたい場合、機能面に注目してこたつを選ぶとよいでしょう。
たとえば、サーモスタット機能が付いていれば一定の温度になると自動で電源が切れ、温度が下がると自動で電源が入ります。自動的にこたつを最適な温度に保ってくれるため、過剰に暖めることを防ぎ、節約効果を得られます。
電子制御機能も、暖めすぎを防げる便利な機能です。温度センサーが搭載されており、設定した温度を自動でキープしてくれるため、こたつ内の温度を一定に保てます。
他にも、以下のようにさまざまな機能が付いたこたつがあります。
機能 | 内容 |
---|---|
タイマー機能 | 電源の切り忘れを防止できる |
ファン機能 | こたつ内の暖かい空気を循環できる |
人感センサー機能 | 足を入れると自動で電源が入り、離れると電源が切れる |
布団レス機能 | こたつ布団がなくても足元が暖まるヒーターが搭載されている |
継脚機能 | 脚を継ぎ足し高さ調節が可能 |
メーカーのホームページやカタログを見れば機能を確認できるため、購入を検討している方はチェックしてみてください。
こたつにはさまざまなサイズがあるため、適切なサイズの製品を選びましょう。大きいほど消費電力が大きくなり、過剰に大きいサイズの製品を選ぶと、余計な電気代を払うことになります。
目安として、ひとり暮らしの場合は60cm~80cmの正方形タイプ、2人~4人暮らしなら幅105cm~120cmの長方形タイプや幅90cm以上の円形タイプを選ぶとよいでしょう。
部屋の広さや間取り、使用人数などを考慮したうえで、最適なこたつを探してみてください。
こたつのヒーターにはさまざまなタイプがありますが、中でも「フラットカーボンヒーター」は電気代が安い傾向にあります。
ヒーターの種類と特徴を以下でまとめました。
ヒーターの種類 | 特徴 | 消費電力の目安(1時間あたり) | 1時間あたりの電気代 |
---|---|---|---|
石英管(せきえいかん)ヒーター | ・こたつの中では最もスタンダードなタイプ ・遠赤外線効果で体の芯から暖まる ・スイッチを入れてからヒーターが暖まるまでに2~30秒ほどかかる |
約300W〜600W | 約9円~18円 |
ハロゲンヒーター | ・速暖性に優れておりすぐに暖を取れる ・寿命が比較的長い ・消費電力が比較的大きく電気代が高くなりやすい |
最大約600W | 約18円 |
フラットカーボンヒーター | ・消費電力が低く電気代を抑えられる ・広い面積を効率的に暖められる ・足元に広いスペースを確保しやすく、テーブルとして使いやすい |
約300W | 約9円 |
ただし、こたつは暖房器具の中でも電気代が安く、ヒーターごとに大きな差はありません。「電気代が高くてもよいので、素早く暖を取りたい」という方は、ハロゲンヒータータイプのこたつのほうが、快適に生活できる可能性が考えられます。
ご家庭での生活スタイルにあわせて、適したヒーターを選びましょう。
こたつの電気代は、1時間あたり9.3円~18.6円程度です。ほかの暖房器具と比較しても電気代が安く、電気代が高騰している昨今においてありがたい暖房器具といえるでしょう。
お住まいの地域によって差はあるものの、1年の内3~4ヵ月ほどこたつを使うというご家庭もあるのではないでしょうか。使用する場面が多いからこそ、ラグやカーペットを敷いたり、サイズと厚さが十分なこたつ布団をかけたりして効率よく暖を取ることをおすすめします。
こたつを有効活用して、電気代を節約しながら快適に冬を過ごしましょう。