公開日:2024年5月21日
電子レンジはキッチンになくてはならない存在で、毎日のように使っているという方も多いでしょう。毎日のように使うからこそ、節電を意識した使い方を実践すれば電気代の負担を軽減できます。
電子レンジが汚れているときは、汚れを落とすと加熱効率が高まります。電子レンジの掃除をしばらくしていないという方は、掃除を行うとよいでしょう。
この記事では、電子レンジに関わる電気代を節約する方法や掃除方法、安全な使い方などを解説します。電気代の高騰に悩んでいる方や電子レンジの掃除方法がわからずに困っている方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
普段の使い方を意識すれば、電子レンジに関する電気代を抑えられます。
なお、経済産業省 資源エネルギー庁の資料によると、電子レンジに関わる年間電気代の目安は以下のとおりです。
電子レンジの種類 | 年間電気代 |
---|---|
オーブンレンジ (ヒーターの露出があるもの・ 庫内容積30L未満) |
1,960円程度 |
オーブンレンジ (ヒーターの露出があるもの・ 庫内容積30L以上) |
1,891円程度 |
オーブンレンジ (ヒーターの露出があるもの以外・ 庫内容積30L以上) |
2,060円程度 |
オーブンレンジ (熱風循環加熱方式) |
1,882円程度 |
「電子レンジだけで年間これくらいの電気代がかかっているのか」という目安として、参考にしてみてください。
食材の下ごしらえをガスではなく電子レンジで行えば、ガス代を節約できます。ガス調理のガス代よりも、電子レンジ調理の電気代のほうがコストは低いためです。
経済産業省 資源エネルギー庁によると、野菜の下ごしらえをガスから電子レンジに変えると次のような節約効果を得られます。
野菜の種類 | 年間 ガス代 |
年間 電気代 |
年間 差額 |
---|---|---|---|
葉菜 (ほうれん草、 キャベツなど) |
約1,350円 | 約410円 | 約940円 の節約 |
根菜 (ジャガイモ、 里芋など) |
約1,540円 | 約680円 | 約860円 の節約 |
果菜 (ブロッコリー、 カボチャなど) |
約1,470円 | 約470円 | 約1,000円 の節約 |
これまで野菜の下ごしらえをガスで行っていた方は、電子レンジに切り替えてみてはいかがでしょうか。
肉や魚を解凍するときは、電子レンジで半解凍したあとに自然解凍しましょう。半解凍後に自然解凍するとドリップ量を減らせるため、食材のうまみ成分が逃げません。
つまり、半解凍すれば電気代を節約できるだけでなく、食材をおいしく食べられるメリットもあります。食材の外側が柔らかくなった状態になったら、電子レンジでの解凍はストップしましょう。
複数の食品を電子レンジで加熱するときは、間隔を保つと節電につながります。間隔を保つことで各食品に熱が行きわたり、結果的に温め直す回数を減らせるためです。
密集した状態で加熱すると、一部が過剰に加熱されることがあります。加熱ムラを防ぐためにも、間隔を保って加熱を行いましょう。
電子レンジで食品を加熱するときは、置き方や置く位置を意識することで加熱ムラを防げます。
ターンテーブルがあるタイプとないタイプで食品を効率よく加熱できる場所が異なるため、確認しておきましょう。
ターンテーブルありの場合は、中央から少しずらして外側に置くと効率よく加熱できます。ターンテーブルが回転することで、食材を温めるマイクロ波がバランスよく食品に当たるためです。
複数の食品を温める場合は、中央を空けてドーナツ状に置くとよいでしょう。また、火の通りにくいものは外側に、火の通りやすいものは内側に置くとバランスよく加熱できます。
ターンテーブルなし(フラット型)の場合は、食品を中央に置くと効率よく加熱できます。ターンテーブルなしの電子レンジは、中央に置いた食品をセンサーが感知して加熱するためです。
ターンテーブルの有無に応じて最適な配置で加熱すれば、電子レンジの稼働時間を短縮して電気代を抑えられるでしょう。
こまめに電子レンジの庫内を掃除することも、節約につながります。庫内に汚れがあると、加熱効果が失われ、なかなか食品が温まらないことがあります。
その結果、温め直しが発生して消費電力が増える可能性が考えられるでしょう。また、汚れの部分にマイクロ波が集中すると、発煙・発火の原因にもなるため危険です。
定期的な掃除は、電子レンジの故障や性能が低下するリスクを減らしてくれます。経済面でも安全面でも、電子レンジをこまめに掃除するメリットは大きいでしょう。
電子レンジを掃除することで、安全かつ長期的に利用でき、電気代の節約効果も得られます。
付着している汚れの種類によって掃除方法が異なるため、確認しておきましょう。
焦げや食品の汚れが付着している箇所には、重曹を用いると効果的です。焦げや食品の汚れは主に酸性なので、アルカリ性の重曹を使えば汚れを落とせます。また、重曹ではなくセスキ炭酸ソーダでも代用可能です。
200ml程度の水に大さじ1杯の重曹を混ぜ、電子レンジで4分~5分程度加熱します。加熱が完了したあとは、扉を閉めた状態で15分ほど放置しましょう。
重曹水をつけた雑巾で汚れを拭き取れば、焦げや食品の汚れを落とせます。汚れを拭き終わったら、軽く水拭きと乾拭きをして完了です。
油汚れを落とす際には、食器洗い用の中性洗剤を用いましょう。中性洗剤が油を浮かせてくれるため、油汚れが落ちやすくなります。
食器洗い用の中性洗剤と水を混ぜ、雑巾を浸します。その後、軽く絞った雑巾を電子レンジ内に広げて1分ほど加熱しましょう。
もう一度中性洗剤と水を混ぜた洗剤水に雑巾を浸し、軽く絞って拭けば油汚れを落とせます。最後に、軽く水拭きと乾拭きをして完了です。
水垢を落としたいときはクエン酸を用いましょう。アルカリ性の汚れである水垢に対しては、酸性のクエン酸が効果的です。また、レモン汁でも代用できます。
200ml程度の水に大さじ1杯のクエン酸を混ぜ、電子レンジで4分~5分程度加熱します。加熱後は扉を閉めたまま15分ほど放置し、水蒸気を庫内に行き渡らせましょう。
その後に水とクエン酸を混ぜた液体に雑巾を浸け、絞ったうえで拭けば水垢汚れを落とせます。最後に、軽く水拭きと乾拭きをして完了です。
電子レンジは、使い方を間違えると発火ややけどの恐れがあります。
事故を防ぎ安全に使うためにも、以下で解説する内容を守ることが大切です。
電子レンジには、次のように加熱してはいけないものがあります。
アルミホイルや金属を電子レンジで加熱すると、スパークが発生します。その結果、爆発や火災などの重大事故につながりかねません。
また、耐熱性のないガラスやプラスチック容器を加熱すると、変形や破損する恐れがあります。やけどの原因にもなるため、耐熱性のない容器を加熱するのは避けましょう。
さらに殻付きの卵を加熱すると、卵の内部圧力が急激に高まり庫内で爆発する可能性があります。また殻をむいた状態のゆで卵であっても、電子レンジで加熱すると箸などを刺した途端に破裂したり思わぬやけどに繋がる恐れがあります。
キッチングッズなどでゆで卵をつくる調理器具が市販されていますが、基本的には加熱してはいけない素材であることを認識した上で使用するか判断する必要があります。
液体を電子レンジで温めるときは、温めすぎに注意してください。液体を静かに温め続けると、沸点を超えても沸騰が起こらずに熱が溜まる「過加熱状態」になることがあります。
過加熱状態の容器に何らかの振動やショックが加わると、突然爆発するように沸騰する「突沸(とっぷつ)」が起こる可能性があります。手に熱湯がかかり、やけどの原因になるため注意しましょう。
実際に、東京都も突沸に関する注意喚起を行っています。電子レンジで豆乳を40秒ほど温めたあとに取りだした途端、豆乳が噴きあがり手に火傷を負った事例があるようです。
豆乳に限らず、電子レンジで液体を温めるときは控えめにしましょう。もし加熱しすぎてしまったら、少し時間を空けてから取り出すと安心です。
電子レンジを長年にわたって使っていると熱効率が悪くなり、安全性能も徐々に劣化するため、買い替えを検討しましょう。
一般的に、電子レンジの耐用年数は10年程度と言われています。電子レンジが経年劣化すると、発するマイクロ波が弱くなり加熱効果も弱くなります。何度も加熱すると電気代がかさむ要因にもなるため、経済的にも非合理的です。
経済産業省 資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2023」でも、省エネ基準達成率が高い電子レンジほど省エネに優れており、年間消費電力量も少なくなる点が記載されています。
長い目で見たときのランニングコストを加味すると、買い替えのコストよりも節約効果のほうが大きくなる可能性があります。
食品が温まりにくいと感じたときや、異音や異臭を感じたときなどは、寿命が近づいているサインかもしれません。
使い方を工夫すれば、電子レンジに関わる電気代を節約できます。難しい作業は不要で、加熱時間を短縮したり食品の置き場所を変えたりするだけで、節約効果を得られます。
電子レンジの掃除をしばらくしていない方は、庫内の掃除を行いましょう。汚れを落として清潔にすれば、安全かつ経済的に電子レンジを利用できます。