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公開日:2022年6月8日
更新日:2025年5月9日

冷蔵庫の電気代を抑える使い方や最新機能を解説!

冷蔵庫の電気代を抑える使い方や最新機能を解説!
冷蔵庫の電気代を抑える使い方や最新機能を解説!

冷蔵庫の使い方を見直したり買い替えたりすることは、冷蔵庫の電気代を節約するのに効果的です。

冷蔵庫は24時間365日ずっと稼働させなければならない都合もあり、家庭内での電気使用量が全体の14.3%と高い割合を占めています。日常生活の中でちょっとした工夫をすれば、冷蔵庫の消費電力を抑え、電気代を節約できます。 そこで今回は、冷蔵庫の電気使用量や電気代を抑える方法について紹介します。

普段の生活で冷蔵庫の電気代を節約する方法

普段の生活で冷蔵庫の電気代を節約する方法
普段の生活で冷蔵庫の電気代を節約する方法

使い方次第で、冷蔵庫の電気代を節約できます。すぐに実践できるものばかりなので、ぜひ意識的に実践してみてください。

食品をしまうときのポイント

冷蔵庫に食品をしまう際、少し工夫するだけで電気代を節約できます。

熱いものは冷ましてから保存

庫内の温度を上げないためにも、基本的に熱いものは冷ましてから冷蔵庫に入れましょう。

熱い状態で冷蔵庫に入れると、庫内だけでなく周囲にある食品にも熱が伝わります。その結果、熱いものを冷やすためにエネルギーが消費され、電気代が余計にかかってしまうのです。
そのため、加熱した食品を冷蔵庫にしまうときは、常温まで冷ましてから冷蔵庫に入れると節約になります。

冷蔵室に食品を詰め込み過ぎない

冷蔵室に食品を詰め込み過ぎると、冷気の流れが妨げられて庫内が均一に冷えなくなります。冷気が庫内に行きわたらないと電力の無駄遣いにもなるため、冷蔵室の奥の壁が見える程度の隙間を空けて食品を入れるのが省エネのコツです。

経済産業省によると、庫内に食品を詰め込んだ場合と半分にした場合を比較すると、半分にしたほうが年間約1,360円の節約になるというデータもあります。週に1回程度は、詰め込み過ぎていないかチェックするのも効果的です。余裕を持ったレイアウトで、効率的に省エネと節約を実現しましょう。

冷凍庫は隙間なく詰め込む

冷凍庫の場合は、食品を隙間なく詰め込んだほうが効率よく冷却できます。隙間なく食品を入れることで、食品同士がお互いに保冷し合うため、ドアの開閉による温度上昇の影響を抑えることができるのです。

整理整頓してドアの開閉を素早く行う

冷蔵庫のドアを何度も開閉すると、その都度冷気を逃がすことになり、電力を消費します。食品はなるべく必要なものをまとめて取り出し、素早く開閉しましょう。

冷蔵庫を見やすく収納することも大切です。冷蔵庫内が見やすくなることで、扉が開いている時間を短縮できます。例えば、よく出し入れする食品や調味料は、取り出しやすい手前に置くとよいでしょう。

経済産業省によると、無駄な開閉を控えると年間で約320円の節約効果を得られるため、定期的に食品の整理や見直しを行いましょう。
また、冷蔵庫を整理整頓すると庫内の様子を把握しやすくなり、食品ロスを抑えられます。食べ残した食品や、買ってから長期間保存してしまった食材を捨てる事態を防げれば、食費の節約にもつながります。

冷蔵庫の設定に関するポイント

冷蔵庫の設定や設置場所を工夫すれば、電気代を節約できます。かんたんに実践できるため、設定を確認し、改善できるポイントがあれば試してみてください。

庫内の設定温度は控えめに

冷蔵庫内の温度設定は「中」や「弱」など、控えめにしたほうが消費電力は小さくなります。周囲の温度が22℃の場合、設定温度を「強」から「中」にしただけで、年間61.72kWh(キロワットアワー)の省エネ効果があり、約1,910円の節約になったというデータもあります。

外の気温が上昇してくると、冷蔵庫の設定を「強」にしたくなるかもしれません。しかし、設定が「中」でも十分に冷蔵庫として機能するため、ぜひ設定温度を確認してみてください。

メンテナンスや掃除などのケアを実施

冷蔵庫のドアパッキンは、外れたり破れたりしない限り交換は不要です。しかし、汚れやキズなどで開閉に問題が起きないよう、こまめに掃除しましょう。

また、冷蔵庫の背面や底面にある放熱部分は、半年~1年に1回くらいのペースでホコリを除くのがおすすめです。ホコリがたまっていると、冷却力が落ちたり消費電力が余計にかかったりする場合があり、電気代が増えてしまいます。
冷蔵庫にはキャスターが付いているため、前にずらしてから背面のホコリを掃除機できれいに取り除くとよいでしょう。

設置場所を整え余裕を持って省エネを

冷蔵庫を置く場所によっても、省エネ効果に差が出ます。直射日光の当たる場所や、ガスコンロなど熱源が近くにある場所は避けましょう。冷蔵庫の周辺温度が30℃から35℃に上昇したことで、約47%も消費電力量がアップしたという例もあります。

冷蔵庫の周囲に隙間がないと、食品から奪った熱をスムーズに放熱できず冷えにくくなるため、電気代が増えます。

そのため、十分なスペースを確保して設置しましょう。冷蔵庫の上部と両側面が壁に接している場合と片側だけ接している場合を比較すると、片側だけ接している場合の方が年間で45.08kWhの省エネになり、約1,400円の節約になるというデータもあります。

環境省では5cm以上壁から離して設置することを推奨しているため、目安にしてみてはいかがでしょう。

古い冷蔵庫は買い替えたほうが節約になる?

古い冷蔵庫は買い替えたほうが節約になる?
古い冷蔵庫は買い替えたほうが節約になる?

新しい冷蔵庫は省エネ機能が進化しているため、長年同じ冷蔵庫を使っている場合、思い切って買い替えると電気代の節約につながるでしょう。
古い冷蔵庫と新しい冷蔵庫の電気代を比較しつつ、新しい冷蔵庫を選ぶ際のポイントを解説します。

寿命が近い冷蔵庫は買い替えでおトクに

冷蔵庫の平均使用年数は約14年というデータがあります(二人以上の世帯)。目安として、使用してから10年程度経過した冷蔵庫は寿命を迎える可能性が高まるため、買い替えを検討するとよいでしょう。

なお、家電は10年も経過すると、技術の進歩や改良により、使いやすさや省エネ性能が向上することが多いです。

例えば、内容量が451~500L(リットル)の冷蔵庫の場合、2023年の製品は2013年の製品よりも年間消費電力量が約28%~35%抑えられます。年間の電気代として考えると、約3,193円~4,433円の節約効果です。

省エネ性能が高い冷蔵庫の特徴

省エネ技術が高い冷蔵庫の特徴として、インバーター制御機能が付いている点が挙げられます。
インバーター制御機能とは、ドアの開閉による変化や冷蔵庫内と室内の温度差に対応して、コンプレッサーやモーターの回転数を調整して、効率よく庫内を冷却させる機能です。冷え具合に合わせて冷却力を調整するため、自然と省エネにつながります。

また、高性能な断熱材を用いて、省エネ効果を向上させている冷蔵庫もあります。最近では、ノンフロンの真空断熱材を組み合わせて、高性能な断熱材を用いている冷蔵庫が見られます。
冷蔵庫を買い替える際には、インバーター制御機能の有無や断熱材の素材なども確認してみるとよいでしょう。

暮らしに合ったサイズ(容量)を選ぶ

冷蔵庫を選ぶときにまず考えなければいけないのは、サイズ(容量)です。例えば3人家族なら430~480L(リットル)、4人家族なら500~550Lというように、最適なサイズを選びましょう。

冷蔵庫にかかる電気代はサイズによって異なるものの、1年間で5,000~10,000円程度が目安です。
なお、2025年3月1日現在の省エネ性能カタログによると、冷蔵庫のサイズごとの平均電気代は以下のとおりです。

容量 年間の平均電気代
140リットル以下 7,526円
141~200リットル 7,962円
201~250リットル 8,249円
251~300リットル 8,421円
301~350リットル 9,103円
351~400リットル 9,446円
401~450リットル 7,808円
451~500リットル 7,256円
501リットル以上 7,539円

大型の冷蔵庫は本体価格も高額となりますが、省エネ機能も充実しているため、年間の電気代は安くなる傾向にあります。

今後のランニングコストを考えれば、必要最低限のサイズにこだわるより、大きいサイズの購入を視野に入れてもよいでしょう。なお、冷蔵庫の容量やサイズに関して詳しく知りたい場合は、こちらをご覧ください。

節電に役立つ冷蔵庫の最新機能

節電に役立つ冷蔵庫の最新機能
節電に役立つ冷蔵庫の最新機能

省エネ性能が高い最新の冷蔵庫は、10年前の機種と比較すると消費電力が低く抑えられています。
最新の冷蔵庫に搭載されている、節電につながる便利機能を見ていきましょう。

自動省エネ運転機能

ドアの開閉が長時間ないとき、自動的に省エネモードで運転する「自動省エネ運転機能」が搭載されていれば、消費電力を抑えられます。また、庫内の収納量を光でチェックし、最適な省エネ運転を自動で行う冷蔵庫も登場しています。

「自動省エネ運転機能」は運転モードを手動で調整する必要がないため、手間がかかりません。誰も家にいない時間帯には、自動省エネ運転機能により消費電力を抑えながら運転するため、誰でもかんたんに電気代を節約できるでしょう。

なお、冷蔵庫によっては「エコモード」「節電モード」という名称で記載されていることもあります。

フロストリサイクル冷却機能

冷蔵庫によっては、コンプレッサーを止めて冷却器に付着する霜(フロスト)を活かして庫内を冷やす「フロストリサイクル冷却機能」が搭載されています。

コンプレッサーの運転を止めるだけでなく、霜の温度上昇による霜取り時間の短縮も行うことで、消費電力を抑える仕組みです。
フロストリサイクルは冷蔵庫が自動的に行うため、人による操作や作業は不要です。こちらも、手間をかけずに節電効果を得られる便利な機能といえるでしょう。

AIによる自動診断機能

最新の冷蔵庫には、使い方のパターンを学習するAIが搭載されているモデルがあります。AIが冷蔵室・冷凍室の状況や扉の開閉状況などを分析したうえで、効率的な運転を行う機能です。
ご家庭における冷蔵庫の使用パターンをデータとして蓄積し、深夜や留守中にヒーターによる霜取りを行い、庫内の温度上昇を抑える機能を搭載している冷蔵庫もあります。

AIによる自動診断機能が搭載されている冷蔵庫を購入(もしくは使用)すれば、ご家庭ごとの最適な運転方法を自動で実行し、電気代を抑えられるメリットが期待できます。
スマートフォンの位置情報と冷蔵庫を連携させ、最適な運転モードを提案する冷蔵庫も登場しているため、生活の利便性向上にも貢献してくれるでしょう。

庫内の監視機能

「IoT家電」「スマート家電」と呼ばれる最新の冷蔵庫は、スマートフォンアプリを使用して、冷蔵庫の運転状態や庫内の食材を確認できます。冷蔵庫本体やスマートスピーカーに話しかけることで、食材の登録や買い物リストを作成できる製品もあります。
食材のストック状況を確認することで、必要以上に食材を購入する事態を防ぎ、家計の節約につながるでしょう。食品の二重買いや、消費期限切れ・賞味期限切れで食品を廃棄してしまったことがある方は、庫内を監視できる機能があると便利です。

まとめ

日頃の使い方を工夫すれば、冷蔵庫の電気代を節約することができます。
また、古い冷蔵庫は最新の冷蔵庫に買い替えることでも電気代の節約につながるでしょう。
自分に合った対策で電気代を抑えて、冷蔵庫とさらに賢くおトクに付き合ってください。