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公開日:2023年9月22日

電気料金の仕組みが知りたい!料金設定の内訳とは?

電気料金の仕組みが知りたい!料金設定の内訳とは?
電気料金の仕組みが知りたい!料金設定の内訳とは?

毎月送られて来る電気料金の検針票や明細書。「いろいろと記載はされているけど、この項目って一体なんだろう?」と疑問を抱かれている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、電気料金がどのように算定されているのか、その仕組みや内訳について基本的なことを調べていきましょう。

電気料金の明細書には何が書いてあるの?

電気料金の明細書には何が書いてあるの?
電気料金の明細書には何が書いてあるの?

検針票や明細書には「電気ご使用量のお知らせ」と書かれているのですから、どれくらい(何kW)電気を使ったのか、はわかります。では、それ以外にも記載されている項目が何に対する費用なのか、内訳を見ていきましょう。

基本料金・最低料金とは

電気料金の検針票や明細書には「基本料金」という項目があります。これは、電気の使用・不使用にかかわらず、契約を結んでいる小売電気事業者(電力会社)に毎月必ず支払う「契約料」です。
基本料金は「アンペア制」という契約方法で、契約電流(アンペア数)に応じた料金が設定されています。

それとは別に「最低料金制」を採用している小売電気事業者もあります。こちらはアンペア数にかかわらず、最低料金の中に一定の電気使用料金が含まれている契約です。最低料金の中に含まれている使用電力量を超えた場合、別途電気料金が加算される仕組みになっています。

北海道・東北・東京・中部・九州エリアは「アンペア制」を、関西・中国・四国・沖縄エリアは「最低料金制」を採用している小売電気事業者が多くみられます。

電力量料金とは

電気料金の検針票や明細書に記載されている「電力量料金」とは、そのままズバリ「使用した電気代」のことです。通常「電気料金単価×使用電力量」で算出されています。

電力量料金は各小売電気事業者の契約プランによって異なり、使用した電力量に応じて単価の変動する「3段階料金制」や、季節・使用時間に応じて単価が変動するプランなどがあります。

燃料費調整額とは

電気料金の内訳には「燃料費調整額」という項目もあります。これは、財務省が発表している「貿易統計(日本から外国への輸出、および外国からの輸入に関するデータ)」を元に算出されている費用です。

エネルギー自給率の低い日本では、電気を作る際に必要なエネルギー資源(原油・液化天然ガス・石炭など)を海外からの輸入に頼っていますが、それらの資源は市場や為替などにより価格が変動します。

そのため、輸入燃料価格の変動に応じて調整され、毎月の電気料金に自動的に加算、もしくは差し引かれている金額です。

再生可能エネルギー発電促進賦課金とは

再生可能エネルギー発電促進賦課金(さいせいかのうエネルギーはつでんそくしんふかきん)は「再エネ賦課金」とも呼ばれ、石油や石炭など限りのある化石エネルギーではなく、太陽光や風力、地熱など自然界に存在するエネルギーを利用し発電しよう、という取り組みを促進するために設けられました。

再生可能エネルギーを利用し発電された電気を小売電気事業者が買い取り、その価格の一部を電気を使用するすべての消費者(電気を使う方)が賦課金という形で負担しています。

詳細は後述の「再生エネルギー発電促進賦課金について」をご覧ください。

市場連動型プランとは

最近、一部の小売電気事業者で導入されている料金プランのひとつです。

電気料金が固定単価ではなく、「日本卸電力取引所(JEPX)」の取引価格に連動し、30分ごとに電気料金単価が変わる仕組みとなっており、電気の需要が高い季節と需要が落ち着いた季節で金額が変わります。

再生可能エネルギー発電促進賦課金について

再生可能エネルギー発電促進賦課金について
再生可能エネルギー発電促進賦課金について

電気料金には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が含まれています。
「再生可能エネルギー」とは「エネルギー供給構造高度化法」において、化石(石油や石炭)などを使わずエネルギー源として永続的に利用できる、と政令で定義されているものを指します。

太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱など、自然界に存在する熱やバイオマスが、その「再生可能エネルギー」として定められています。

再生可能エネルギー固定価格買取制度

「再生可能エネルギー」で発電した電気は、小売電気事業者が一定期間、一定価格で買い取る義務(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)があり、それを国が約束している制度を「固定価格買取制度(FIT制度)」といいます。

「太陽光発電」「風力発電」「水力発電」「地熱発電」「バイオマス発電」の5つのいずれかで発電したものが、このFIT制度の対象となっています。

たとえば、住宅の屋根に乗せた太陽光パネルで発電した電気などが、この「FIT制度」に該当するため小売電気事業者に買い取ってもらえる、ということです(住宅の屋根で発電した10kW未満の太陽光電気は、自宅で消費した後の残った電気が買い取り対象となります)。

電気を使うすべてのひとで負担

前述のFIT制度が導入されたのは、日本のエネルギー自給率が2019年時点で12.1%と低く(下記URL参照)、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼らざるを得ない状況を見直し、国内でのエネルギー安定供給を目指すためです。

しかし、小売電気事業者に買い取り義務が課せられるだけでは、そのうち小売電気事業者が立ち行かなくなってしまいます。そこで、電気を使うすべての消費者が「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を電気料金の一部として負担し、小売電気事業者とともに再生可能エネルギーの促進をはかっているのです。

託送料金について

託送料金について
託送料金について

電気料金の中には「託送料金(たくそうりょうきん)」という費用も含まれています。かんたんに言うと「発電施設などで作られた電気を、消費者へ送り届けるため」に必要な費用です。

電気事業者は「発電事業者」「送配電事業者」「小売電気事業者」の3つに区分され、発電事業者により作られた電気を小売電気事業者が買い取り、その買い取った電気を小売電気事業者が、送配電事業者のネットワークを利用し消費者へと送っています。

この、小売電気事業者が送配電ネットワークを利用した料金を「託送料金」といい、電気を使う消費者全員が支払う電気料金の一部に含まれているのです。

託送料金の内訳には「電源開発促進税」や「賠償負担金」、「廃炉円滑化負担金」などさまざまなものが含まれています。

託送料金については下記サイトに詳細がありますので、興味のある方はご覧ください。

電気料金の仕組みに関するまとめ

普段何気なく見ている電気料金の検針票や明細書も、内訳がわかると「なるほど、こういうことに使われているのか」「ちょっと契約プランを確認してみようかな」など、思うことはさまざまだったのではないでしょうか。

冷蔵庫やテレビ、電子レンジにIHクッキングヒーター、当然スマートフォンの充電にも電気は使います。生活するうえで欠かすことのできない電気と、どう上手に付き合って行くか、どうすれば電気料金を安く抑えられるか。

個人で見直せることはまだまだ多くありますが、この記事が「電気を安心・安定して使うためには消費者の協力も必要」ということに、少しでも目を向けられるきっかけになったなら幸いです。