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公開日:2024年2月28日

家族で引っ越しをする際に電気代を抑える方法は?具体的なポイントを解説

家族で引っ越しをする際に電気代を抑える方法は?具体的なポイントを解説
家族で引っ越しをする際に電気代を抑える方法は?具体的なポイントを解説

年度の変わり目は、転勤や転職などにともなって引っ越しを行う家庭も多いのではないでしょうか。引っ越しをする際は転居先の環境や新生活に意識が向きがちですが、電気やガス、水道といったライフライン関係の手続きは欠かせません。

家族での引っ越しは、一般的に一人で引っ越しをする場合よりも時間や労力を要するため、慌ただしくなりがちです。ですが新しい生活をスタートさせるこの機会に電力会社などを見直すことで、引っ越し後の生活費を抑えられる可能性があります。

この記事では、家族で引っ越しをする際に必要な手続きや、電気代やガス代などを節約する方法を解説します。引っ越しを計画している方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。

電気の引っ越し手続きで必要なこと

電気の引っ越し手続きで必要なこと
電気の引っ越し手続きで必要なこと

引っ越しをする際には、現住所での電気を止める日と、新しい家で電気が使えるようにする日(開通日)を決める必要があります。スムーズに新生活を始めるためにも、時間的なゆとりを持って所定の手続きを行いましょう。

現住居の電気を止める日を決める

電気を止める手続きは、1ヵ月ほど前から申し込みが可能です。多くの電力会社は、インターネットか電話で手続きを進められます。

電気を止める日が早すぎると、電気が使えずに生活で困る恐れがあります。一方で電気を止める日が遅すぎると、必要以上に電気代を支払うことになるため注意が必要です。

「退去日(実際に現住居から出ていく日)」で電気を止めれば、特段問題は起こらないでしょう。電気を停止する際は基本的に立ち会いは不要です。ただし万一の漏電事故などを考慮して、念のためブレーカーは落としてから退去してください。

なお、解約の手続きには、以下の情報が必要となります。

  • 電気使用停止のために必要な情報
  • 現在住んでいる家の住所
  • 氏名
  • お客さま番号※1
  • 退去日(電気の供給を停止する日)
  • 引っ越し先の住所
  • ※1
    「お客さま番号」は、検針票(電気ご使用量のお知らせ)や電気料金領収証などで確認することができます。

電気を止める日は、1ヵ月先までの範囲で指定できます。退去日が確定したら、余裕をもって手続きを済ませておくとよいでしょう。

新居で電気を開通させる日を決める

現住居の電気を止める手続きと並行して、新居で電気を開通させる日を決めて申し込みも行います。また、でんきの引っ越しには2種類あり、現在の契約中のでんき契約をそのままの内容で継続する場合と、今契約している電力会社から他社へ契約しなおす場合があります。どちらの場合でも、電気を開通させる手続きは、インターネットまたは電話で行うことが可能です。

開通に関しては実際に荷物を搬入する日を開通日とするのが一般的であり、以下の情報が必要となります。

  • 電気使用開始のために必要な情報
  • 契約者の氏名
  • 電気を使用開始する住所
  • 電気の使用開始希望日
  • 支払い情報
    (銀行口座・クレジットカードなど)※2
  • 希望する電気料金プラン
  • ※2
    ただし、請求書払いの場合は不要です。

開通手続きの際は電気料金プランの選択が必要なため、事前に利用する電力会社と電気料金プランの情報を集めておきましょう。

2016年4月から始まった電力の自由化にともない、消費者は電力会社を選択できるようになりました。各会社によって料金体系や用意しているプランが異なるので、早い段階でリサーチするのがおすすめです。

適切な電力会社と電気料金プランを選定するためには、家族全員の生活スタイルをあらためて確認する必要があります。引っ越し直前は慌ただしくなりがちですから、時間的な余裕をもって家族に合った電力会社とプランに関する情報を集めましょう。

手続きをスムーズに進めるコツ

引っ越しをするとなると、ライフラインだけではなく郵便物の転送や住民票の異動といった手続きも並行して行わなければいけません。小さなお子さんや学生がいるご家庭では、保育園や学校関連の手続きも必要となり、とにかく時間に追われがちになります。

電気の停止と開通の手続きは1ヵ月ほど前から申し込みが可能ですので、引っ越し日が確定したら早いうちに済ませておくと安心です。

一人での引っ越しに比べ、家族での引っ越しでは手続きや作業の役割分担ができます。それはメリットであると同時に、「誰かがやってくれるだろう」と思い込んでしまう落とし穴でもあります。事前に家族の中で「誰がいつまでにどの手続きをする」と担当を決めておくとスムーズに進められます。

電気代の仕組み・内訳を確認

電気代の仕組み・内訳を確認
電気代の仕組み・内訳を確認

電力会社や料金プランを選ぶには、電気代の仕組みを理解しておく必要があります。電気代は主に以下の4つで構成されています。

・基本料金(地域によって最低料金):電気の使用量に関係なく支払う
・電力量料金:使用した電力に応じて支払う
・燃料費調整額:輸入燃料価格の変動に応じて調整される
・再生可能エネルギー発電促進賦課金:小売電気事業者が買い取った再生可能エネルギーのコストを、消費者全員で負担する

基本料金には大きく分けて「アンペア制」と「最低料金制」があります。

アンペア制は契約電流(アンペア数)に応じた料金が設定されており、最低料金制はアンペア数に関係なく最低料金の中に一定の電気使用料金が含まれています。

電力量料金は、小売電気事業者ごとに単価が異なります。自分たちの生活に合っている電力会社と料金プランを選ぶことで、電気代の節約効果が見込めるでしょう。

一人暮らしの方におすすめのプランを知りたい場合は、下記の記事をご覧ください。

家族での引っ越し時に電気代・生活費を節約する方法

家族での引っ越し時に電気代・生活費を節約する方法
家族での引っ越し時に電気代・生活費を節約する方法

電力会社を変える前に、そもそも現在の電気代が妥当なのかどうか気になりますよね。総務省の家計調査では、2022年における「二人以上の世帯」の平均電気代は月12,678円でした。現在の電気代が平均を上回っている場合は、電気契約の見直しや節電対策が必要だと言えそうです。

経済産業省の資料「電力及び都市ガスの小売全面自由化について」によると、電力の全面自由化が行われた2016年4月において、電気の購入先や料金プランを変更した人の約9割が「自分がほしいレベル以上」の満足度を得ています。電気の契約に関して何らかのアクションを起こすと、高い確率で満足できる結果になるということです。

2024年1月22日現在、小売電気事業者として登録されている事業者の数はなんと計728。多くの選択肢の中から、家族構成や生活スタイルに合ったサービスやプランを検討できます。

各電力会社が提供している料金プランやサービスをチェックする

それでは電力会社が提供しているプランを詳しく見ていきましょう。料金プランは「段階別料金」「セット割」「時間帯別料金」「その他(節電割引など)」に分けられます。

段階別料金

段階別料金とは、従来とは異なる従量料金体系です。

従来の電気代は第一段階から第三段階に分かれ、段階が上がるごとに1kWあたりの電気代も高くなります。電力の自由化にともなって、各小売電気事業者が独自の段階別料金を設けています。

セット割

セット割とは、電気と一緒にガスや通信サービスなどとセットで契約した世帯に対して割引を行うことです。

小売電気事業者によっては、電気以外にもさまざまなサービスを展開しています。系列のサービスを利用すると割引を受けられる可能性があるため、セット割の有無を確認するとよいでしょう。

時間帯別料金

時間帯別料金とは、電気を使う時間帯に応じて料金に差を付ける形態です。

例えば「昼間より夜間のほうが1kWあたりの電気代は高くなる」「夏よりも冬のほうが1kWあたりの電気代は高くなる」などのプランが挙げられます。

家族の人数や生活スタイルによって、おトクなプランは異なります。家族全員の生活スタイルを鑑みて、最も合う電力プランを探してみてください。

その他(節電割引など)

小売電気事業者によっては独自のプランも存在します。

例えば指定された日時に節電を実施すると、実績に応じて電気代の割引が行われる節電割引や、契約年数が長くなるにつれて電気料金が割引されるプランなどです。

自分たちの生活にマッチする小売電気事業者や電力プランを見つければ、電気代を今よりもぐっと抑えられるかもしれません。念入りにリサーチしておきましょう。

アンペア数をチェックする

基本料金が「アンペア制」の場合、契約アンペア数を低くすると電気代を抑えられます。あくまでも目安ですが、二人暮らしは30A、一般的なファミリー世帯は40Aに設定するのが一般的です。

現在契約しているアンペア数が大きすぎる場合は、契約の見直しを検討するのがおすすめです。

とはいえ「電気代を抑えたいから」といって、極端に契約アンペア数を低くすると頻繁にブレーカーが落ちてしまう恐れがあります。生活に支障が出ないかどうか、よく吟味してから契約アンペア数を決定しましょう。

電気機器を買い替える

長年にわたって同じ電気機器を使用している場合、新しく買い替えることで電気代の節約が見込めます。例えば2019年に発売された冷蔵庫と2009年に発売された冷蔵庫を比較すると、省エネ性能に約40〜47%の差があります。

新しく冷蔵庫を買い替える初期費用が発生するものの、長い目で見れば電気代の節約効果が初期費用を上回る可能性が高いでしょう。

ほかにも、2019年製のテレビは2010年製のテレビよりも約42%、2019年製の省エネタイプのエアコンは2009年製のエアコンよりも約17%省エネ性能が優れています。また、電球形LEDランプは一般電球と比べると約86%の省エネにつながります。

昔から使い続けている電気機器があれば、引っ越しのタイミングで買い替えを検討してみてください。

ガスや通信事業者も見直す

電気に加えてガスや通信事業者の見直しも行うと、さらに生活コストを抑えられる可能性があります。ガスに関しては2017年4月に全面自由化され、家庭ごとに事業者を選択できるようになりました。

ガスに関しても、小売事業者ごとに独自の料金プランが用意されています。ファミリー世帯向けのプランもあるため、電力会社の乗り換えとあわせて検討するとよいでしょう。

自宅でWi-Fiを使用している場合、現在より安い通信事業者に変更すれば、通信費の節約につながります。また、ソフトバンクの「おうち割 でんきセット」のように、電気と通信をまとめて契約すると割引を受けられるケースもあります。

まとめ

家族での引っ越しはやるべきことが多く、手間と労力がかかります。時間にゆとりを持ってライフラインの手続きを進めれば、安心して新生活を始められるでしょう。

引っ越しは、生活費(とりわけ固定費)を見直す絶好のタイミングでもあります。電気をはじめ、ガスや通信事業者も見直すことで生活コストを抑えられるかもしれません。

これから家族での引っ越しを予定している方は、家族全員のライフスタイルに合った電気料金プランの選択や電気機器の買い替えを通じて、おトクに新生活を始めてみてはいかがでしょうか。