公開日:2025年2月14日
花粉症の方にとって、花粉が飛散するシーズンは目や鼻がムズムズして、ストレスを感じる場面が多いでしょう。家の中に侵入した花粉を除去し、快適な生活に役立つのが空気清浄機です。
家の中に置く場所を工夫したり、こまめにお手入れをすれば、効果的に花粉を除去してくれます。加湿機能がある製品を選べば、乾燥を防げるメリットも期待できるでしょう。
今回は、空気清浄機で効果的に花粉対策をする方法や、電気代の目安などを解説します。電気代を節約する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
空気清浄機は花粉対策に効果的です。家庭用空気清浄機のほとんどは「ファン集塵式」で、エアフィルターとして「HEPAフィルター」が使用されています。
「HEPAフィルター」は、JIS規格によって0.3μmの微粒子を99.9%集塵できるものと定められています。
花粉の平均的な大きさは10~30μm程度です。つまり「HEPAフィルター」の空気清浄機はほとんどの花粉を集塵でき、室内に飛散する花粉を抑えられるのです。
さらに、空気清浄機の中には加湿機能が搭載されている製品もあります。空気清浄機能と加湿機能を併用すれば、部屋を加湿しつつ、花粉を空気中に浮遊させにくくする効果も期待できるでしょう。
花粉を効果的に除去するために、空気清浄機の設置場所を工夫したり、こまめにお手入れをすることをおすすめします。
空気清浄機を利用した効果的な花粉対策を見ていきましょう。
玄関や窓際のように、家の中に花粉が侵入しやすい場所に空気清浄機を置けば、効果的に花粉を除去できます。
外で衣類に花粉が付着した状態で帰宅すると、家の中まで花粉が侵入してしまいます。しかし、玄関で花粉を除去できれば、家の中へ侵入する花粉を最低限に抑えられるでしょう。
また、リビングに空気清浄機を置く場合は、空気を効率よく循環できる場所に設置します。たとえば、人がよく通る動線上に置けば、舞い上がった花粉を効果的に集塵してくれます。
近くに障害物がない場所に置くと、より空気清浄機能を高められるでしょう。
空気清浄機のフィルターをこまめに掃除すると、高い性能を発揮します。その結果、効果的に花粉を集塵し、家の中に飛散する花粉の量を抑えられます。
目安として、2週間に1回程度はフィルターを掃除するのがおすすめです。一般的に空気清浄機は「プレフィルター」「集塵フィルター」「脱臭フィルター」があり、掃除方法は以下のように異なります。
フィルター | 役割 | 掃除方法 |
---|---|---|
プレフィルター | 大きなホコリや髪の毛を捕集する | 1.掃除機でフィルターのホコリを吸い取る 2.水で洗う(汚れがひどい場合は中性洗剤を使って洗う) 3.乾燥させてから本体に戻す |
集塵フィルター | 微細な粒子やアレルゲンを捕集する | 掃除機でホコリを吸い取る |
脱臭フィルター | 空気中のニオイを除去する | 掃除機でホコリを吸い取る |
なお、詳細な掃除方法は製品によって異なるため、取扱説明書を確認してみてください。
製品によっては「花粉モード」という機能があります。「花粉モード」とは、強めの風量で運転して効率よく花粉を除去するモードです。
誰かが帰宅したときや窓を開けて換気した直後のように、室内に花粉が侵入しやすいタイミングで花粉モードを活用するとよいでしょう。
また、製品によっては「花粉運転」という機能があり、風量を「標準」「弱」に自動で切り替えます。ゆるやかな気流を起こし、花粉が床に落ちる前に集塵してくれるため、こちらも花粉対策で効果的です。
空気清浄機と併せて、レースのカーテンを使用すると、さらに花粉対策ができます。
環境省の資料によると、窓を開けるときにレースのカーテンを使用すれば、家の中へ侵入する花粉の量を抑えられることがわかっています。
レースのカーテンで家の中に侵入する花粉の量を抑えつつ、すり抜けて入ってきてしまう花粉は花粉モードの空気清浄機で除去する二段構造にしておくと、効率よく換気ができるでしょう。
空気清浄機を買い換えるときや新しく購入するときは、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。
自分の生活スタイルに合った空気清浄機を導入し、快適に過ごせる環境を作りましょう。
空気清浄機には、製品ごとに「適用床面積」が定められています。設置する部屋の広さに適した製品を選びましょう。
適用床面積とは、空気清浄機が30分間で空気を清浄できる畳数を表す数値です。適用床面積が大きい製品ほど、空気清浄性能が優れていることを示します。
部屋の空気を素早く清浄し、花粉を除去したい場合は、設置する部屋の畳数より大きい適用床面積の製品を選ぶとよいでしょう。たとえば、設置する部屋が8畳であれば、12畳~18畳程度の製品を選ぶと、効率よく花粉を除去できると考えられます。
HEPAフィルターは0.3μmの微粒子を99.9%以上集塵でき、花粉だけでなくPM2.5やハウスダストなどの微細な粒子も捕集してくれます。空気清浄機選びの際には、フィルターが「HEPAフィルター」かどうかを確認しましょう。
多くの空気清浄機はHEPAフィルターが搭載されていますが、すべてのモデルに当てはまるとは限りません。フィルターの種類を確認し、効果的な花粉対策が期待できる製品を購入してみてください。
製品によっては、加湿機能を搭載したモデルもあります。部屋の湿度を高めれば、花粉の浮遊を防いで効果的に集塵し、人が吸い込む花粉量を抑えられるでしょう。
また、加湿ができれば花粉が多く飛散する時期だけでなく、空気が乾燥しやすい季節でも活躍します。喉や鼻の乾燥を防ぐ効果があるため、風邪やインフルエンザ予防の効果も期待できます。
ただし、加湿機能がある空気清浄器は、お手入れが必要なパーツが増えてメンテナンスの負担が重くなる点に注意が必要です。
空気清浄機の運転機能を維持するには、フィルターの掃除をはじめとしたお手入れが欠かせません。「お手入れをするのが面倒」「忙しくてお手入れを忘れてしまうかも」という方は、お手入れがしやすい製品を選ぶことをおすすめします。
特に、加湿機能を搭載したモデルは、フィルターだけでなくタンクのお手入れも必要です。こまめに水の取り替えや掃除をしないと、カビ・水垢・ヌメリが発生し、雑菌が部屋中に放出されます。
悪臭が発生するだけでなく、水垢が加湿能力の低下や故障を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
なお、空気清浄機の中には「自動掃除機能」を搭載している製品があります。自動掃除機能により、プレフィルターに付着したゴミを自動的に掃除してくれるため、お手入れの手間を軽減できます。
空気清浄機を寝室で使う場合は、快眠するためにも静音性が高い製品を選ぶとよいでしょう。「静音モード」や「弱運転機能」などの機能が搭載されていれば、運転音を抑えられます。
目安としては、稼動音が30~35dB以下の商品を選ぶと、音によるストレスを軽減できます。
電気代が気になる方は、消費電力が小さい製品を選ぶとよいでしょう。
電気代は消費電力で決まるため、節約したい場合は消費電力にも意識を向けてみてください。
ただし、消費電力を意識するあまり集塵性が低い製品を選んでしまうと、効果的な花粉対策ができません。快適に過ごせる環境を維持するためにも、コスト面と性能のバランスを探ることが大切です。
主要メーカーが市販している一般的な空気清浄機の電気代を試算すると、以下のような結果となりました。
畳数 | 消費電力 | 1時間当たりの電気代 |
---|---|---|
22~23畳 | 2.8~59W | 約0.09円~約1.83円 |
25畳 | 5~70W | 約0.16円~約2.17円 |
31畳 | 4.2~82W | 約0.13円~約2.54円 |
40~41畳 | 5.5~88W | 約0.17円~約2.73円 |
一般的な家庭のリビングをカバーできると考えられる40~41畳の製品を運転モード強で使用した場合でも、1時間あたりの電気代は2.7円程度、8時間運転したとしても20~21円程度です。
● 長時間使用しない場合はコンセントを抜く
● こまめにお手入れをして余計な消費電力の発生を防ぐ
● 「省エネモード」や「エコモード」で運転する
● 「センサー機能付き」の製品を導入する
「省エネモード」「エコモード」とは、自動で風量を調整して運転する機能です。不要なときは風量を抑えるため、電気代の節約につながります。
「センサー機能付き」とは、センサーが自動で空気の汚染度を感知し、必要なときだけ強運転に切り替える機能です。長時間利用する方にとっては、便利な機能といえるでしょう。
また、新しい製品ほど性能が高く、消費電力を抑えられるのが一般的です。長年同じ空気清浄機を使用している場合、買い替えも検討するとよいでしょう。
空気清浄機の中でも、特に「HEPAフィルター」の製品は効果的な花粉対策が可能です。また、花粉が侵入しやすい場所や空気が循環しやすい場所に置いたり、こまめにフィルターを掃除したりすると空気清浄機能を維持できます。
「花粉モード」がある製品の場合、室内に花粉が入ってきやすいタイミングで活用すれば、室内に侵入する花粉を抑えられます。