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公開日:2024年7月26日

サーキュレーターを活用してエアコンなどの電気代を抑える方法を解説

サーキュレーターを活用してエアコンなどの電気代を抑える方法を解説
サーキュレーターを活用してエアコンなどの電気代を抑える方法を解説

サーキュレーターの効果的な使い方を理解し、実践すれば電気代を節約できます。エアコンと併用すればエアコンの電気代が抑えられ、衣類の乾燥に用いれば乾燥機の電気代を抑えることが可能です。

エアコンを使用する頻度が高い時期や室内干しをする機会が多い時期は、サーキュレーターが活躍します。電気代を抑えたいと考えている方は、サーキュレーターの効果的な活用方法を知っておくとよいでしょう。

こちらの記事では、サーキュレーター使用時の電気代の目安や、効果的な活用方法などを解説します。

サーキュレーターの効率的な使い方と意識すべきこと

サーキュレーターの効率的な使い方と意識すべきこと
サーキュレーターの効率的な使い方と意識すべきこと

サーキュレーターはもともと消費電力が少ないため、サーキュレーター単体で電気代の節約を目指すよりも、効率よく活用してほかの家電の運転時間を短縮し、電気代を抑えるとよいでしょう。

エアコンと併用して風を循環させる

エアコン使用時にサーキュレーターを併用すれば、エアコンの風を効率よく循環できます。エアコンの設定温度や風量を抑えられれば、エアコンの電気代を抑えられる効果が見込めるでしょう。

冷房のとき

冷房運転時はエアコンの真下にサーキュレーターを置き、エアコンを背にして風を送れば冷たい空気を効率よく循環できます。

冷たい空気は下に溜まる性質があるため、床付近に溜まった冷たい空気を循環させるように運転させれば、エアコンの冷房効果が高まるでしょう。

暑いときはついエアコンの設定温度を下げてしまいがちですが、設定温度を変えなくても、サーキュレーターを併用すれば涼しさを感じられます。

さらに、外気温度31℃のときにエアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から1℃上げた場合(使用時間:9時間/日)は、年間で約940円の節約効果を見込めます。

また、冷房の使用時間を1日1時間短縮した場合(設定温度:28℃)、年間で約580円の節約効果があります。

サーキュレーターを有効活用し、エアコンの設定温度を高くしつつ、運転時間も短縮できれば電気代の節約が可能です。

ただし、節約を優先しすぎて我慢すると体調を崩してしまう恐れがあります。特に、夏場は熱中症に注意が必要です。健康に留意したエアコンの使い方は以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

暖房のとき

暖房運転時は、部屋の端にエアコンと対角線になるようにサーキュレーターを置き、風を送るのがおすすめです。

暖かい空気は上昇して天井に溜まりやすい性質があるため、エアコンに向けてエアコンの風とぶつけるように運転させれば暖かい空気を循環できます。設定温度を上げずに暖を取れれば、エアコンの電気代を節約できるでしょう。

また、外気温度6℃のときにエアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)、年間で約1,650円の節約効果を見込めます。

さらに、暖房を1日1時間短縮した場合(設定温度:20℃)、年間で約1,260円の節約効果が見込めます。

暑い季節も寒い季節も、サーキュレーターは電気代の節約に貢献してくれることが分かるでしょう。

複数の部屋にエアコンの風を送る

1台のエアコンで複数の部屋に風を送りたいとき、サーキュレーターを最適な場所に置けば、送風効果をより高められます。

例えば、2部屋が続いており1つの部屋にのみエアコンがあるときは、エアコンを背にしてサーキュレーターを運転させると、空気が循環し両方の部屋にエアコンの風を送ることが可能です。

部屋が直線上にない場合や廊下を挟んだ部屋にエアコンの風を送りたい場合は、中間地点にサーキュレーターを置きます。目的に応じてサーキュレーターの最適な置き場所は異なるため、使用目的に応じて上手に活用しましょう。

部屋を換気して空気を快適にする

空気がこもっていると、ハウスダウトが溜まるだけでなくカビが繁殖しやすくなります。健康面において換気はとても重要です。サーキュレーターを上手に使えば効率よく換気ができます。

窓が1つしかない部屋を換気したい場合

窓が1つしかない部屋を換気する場合は、部屋の窓を開けてサーキュレーターを窓に向けて運転させます。

窓からできるだけ離れた場所にサーキュレーターを置き、窓に向けて風を送れば室内にこもった空気を外に出せます。サーキュレーターを部屋の内側に向けると、室内の空気を外に追い出せないため注意しましょう。

窓がない部屋を換気したい場合

窓がない部屋を換気したいときは、ドアを開けてドアに向けてサーキュレーターを運転させれば、部屋の空気を室外に出しつつ外の空気を取り込めます。

ある程度換気ができたら、部屋の対角線上にサーキュレーターを置き運転させましょう。首振り機能を活用すれば、換気された快適な空気を室内に行き渡らせることができます。

洗濯物の乾燥にサーキュレーターを活用する

サーキュレーターは、洗濯物を乾かす場面でも利用できます。乾燥機を使わずにサーキュレーターで乾燥を行えば、電気代を節約できるでしょう。

例えば、自然乾燥を8時間したあとに、未乾燥の衣類を乾燥機で補助乾燥する場合と、乾燥機のみで乾燥させる場合(2日に1回使用)を比較すると、前者の方は年間で約12,230円も電気代が安くなります。

サーキュレーターで洗濯物を乾燥させる場合は、洗濯物の真下または斜め下から衣類に向けて風を送ります。室内の湿度が下がれば衣類の乾燥が早まるため、室内に湿気が溜まっている場合は、換気したうえで洗濯物に風を当てましょう。

サーキュレーターは乾燥機よりも消費電力が小さいため、乾燥機を使用する頻度が高いご家庭ほどサーキュレーターを活用するメリットは大きいでしょう。

サーキュレーター使用時の電気代

サーキュレーター使用時の電気代
サーキュレーター使用時の電気代

サーキュレーターのモーターは、「DCモーター」と「ACモーター」があります。それぞれ1時間使用した場合の電気代を確認してみましょう。なお消費電力は各メーカーから販売されている商品を参考にしています。

電気代は、「消費電力(kW:キロワット)×使用時間×料金単価(円/kWh:キロワットアワー)」の計算式を適用(下図参照)。電気代単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価の31円/kWhで算出しています。

1時間あたりの
消費電力(kW)
100W = 0.1kW
×
使用時間
(時間)
1時間
×
1kWhあたりの
電気料金単価(円)
31円
1時間あたりの
電気代
約3.1円

例:消費電力100Wの家電を1時間使用した場合 0.1kW×1×31円/kWh=3.1円

上記を踏まえた、電気代の目安は下記のとおりです。

DCモーター ACモーター
消費電力 16~25W 27~53W
1時間あたりの電気代 0.5円~0.8円程度 0.8円~1.6円程度

次にDCモーターとACモーターの違いを見ていきましょう。

DCモーターの特長

サーキュレーターはDCモーターが主流で、家庭用コンセントの交流電源を直流に変換しています。DCモーターは運転効率が優れており、消費電力が小さいためACモーターよりも電気代を抑えることが可能です。

またDCモーターはACモーターより性能が高く、細かい風量設定に対応しています。運転時の音が小さいため、就寝時に運転させても音が気になることは少ないでしょう。

ACモーターの特長

ACモーターは家庭用コンセントの交流電源をそのまま使用しており、本体価格がDCモーターよりも安い特長があります。

しかし、ランニングコストはDCモーターよりも高いのが一般的です。機能もシンプルで、例えばDCモーターは多段階の風量設定に対応しているのに対し、ACモーターの多くは「強・中・弱」の3段階に留まります。

サーキュレーターと扇風機の違い

サーキュレーターと扇風機の違い
サーキュレーターと扇風機の違い

サーキュレーターと扇風機は「風を送る」という機能が共通しています。しかし、サーキュレーターと扇風機では役割や使い方に違いがあります。

なお、サーキュレーターと扇風機の電気代を比較すると以下のとおりです。

サーキュレーター
(DCモーター)
扇風機
(DCモーター)
サーキュレーター
(ACモーター)
扇風機
(ACモーター)
1時間あたりの
電気代
0.5円~
0.8円程度
0.3円~
0.7円程度
0.8円~
1.6円程度
0.6円~
1.4円程度

サーキュレーターと扇風機の電気代に大差はありませんが、それぞれの違いを理解し効果的に使いましょう。

サーキュレーターは部屋の空気を循環させるために使う

サーキュレーターは直線的に風を送る設計となっており、空気を循環させる目的で使用します。サーキュレーターは扇風機よりも羽が小さく、直線的に遠くまで風を送れるため、室内の空気と外気を換気する際にも利用可能です。

またサーキュレーターは扇風機よりも可動域が広く、真上にも風を送れます。部屋全体の空気を循環させたいときや、室内の温度ムラを解消して冷暖房の効果を高めたいときは、扇風機よりもサーキュレーターの方が適しているでしょう。

なお、サーキュレーターは扇風機と同様に涼む目的で使用できます。ただし、体に直接強い風を受けるため、体温の急激な変化により体調を崩さないように注意しましょう。

扇風機は涼むために使う

扇風機は、暑いときに直接風を当てて涼む目的で使用します。サーキュレーターよりも羽が大きく、広い範囲に風を送れる設計となっているため、柔らかい風で涼める点が特長です。

運転時の音はサーキュレーターより小さいため、就寝時の使用に向いています。また風が届く距離はサーキュレーターより短いものの、室内の換気や洗濯物の乾燥でも用いることが可能です。

まとめ

サーキュレーターを用いれば、エアコンや乾燥機の消費電力量を抑えて電気代を節約できます。サーキュレーターの役割や特性を理解し、効果的に使用しましょう。

エアコンや乾燥機の消費電力量を抑えれば年間1,000円~10,000円以上の大きな節約効果が見込めます。電気代の負担を重く感じているご家庭は、サーキュレーターを用いた節約を実践してみてはいかがでしょうか。