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公開日:2018年3月2日

電気自動車のメリットとは?知っておきたい補助金や税金についてもご紹介

「電気自動車って何がいいの?」「補助金ってもらえるの?」「税金って安くなるの?」
知っているようで知らない電気自動車。今回は電気自動車について、皆さんがちょっと気になるポイントを中心にご紹介します!

電気自動車のメリットとは?知っておきたい補助金や税金についてもご紹介
電気自動車のメリットとは?知っておきたい補助金や税金についてもご紹介

電気自動車とは

電気自動車はその名の通り電気で走る自動車のことです。ガソリン自動車がガソリンをエンジンで燃焼させて車を駆動させるのに対し、電気自動車は電動モーターで車を駆動させます。外部電源から車載のバッテリーに充電した電気を使って電動モーターを動かすのです。英語ではElectric Vehicleと言い、略してEVと呼ばれることが多いです。電気自動車には、バッテリー(蓄電池)・モーター(電動機)・コントローラー(制御装置)・充電装置が搭載されています。ガソリンを一切使用しないため、ガソリンを貯める燃料タンクや、ガソリンを燃やす内燃機関(エンジン)はありません。

電気自動車の仕組み
電気自動車の仕組み
電気自動車の仕組み
出典:総務省ウェブサイト(EV(電気自動車)とは)

電気自動車の5つのメリット

電気自動車にはガソリン自動車にはない長所が5つあります。

① 走行中にCO2を全く排出しない

電気自動車の最大の長所は走行中にCO2を全く排出しないことです。排気ガスも出さないため、環境にも健康にもやさしい自動車だと言えるでしょう。

② 振動や騒音が少ない

ガソリンをエンジンで爆発させないので走行中とても静かです。ガソリン自動車だと高速道路ではオーディオの音量を上げないと音楽が聞こえにくかったり、後部座席に乗った人と会話するのが難しかったりしますが、電気自動車だとそのようなことは起こりません。

③ 発進や加速がスムーズでラク

動力源となる電動モーターは、発進時の回転軸の中心に働く力の能率が高く、ガソリン自動車にはない加速性能を持っています。アクセルを踏むとすぐに加速してくれるので、快適なドライブを楽しむことができます。

④ ランニングコストが安い

電気自動車の動力源は電気です。ガソリンは原油価格の影響をダイレクトに受けるため価格は安定せず燃料費は今後高くなる傾向にありますが、電気エネルギーは火力や風力、太陽光などさまざまな発電方法があるので、原油価格の影響をさほど受けず燃料費も安く抑えられます。また、自宅の電気料金プランや電力会社を見直すことで、ランニングコストをさらに下げることも期待できます。ガソリンスタンドに行かずに充電できることも電気自動車ならではのメリットと言えるでしょう。

⑤ 非常用電源として使える

V2H(Vehicle to Home)と呼ばれる機器を通すと、電気自動車に蓄えた電気を家庭に供給することができます。停電や災害時などの非常用電源として活用することができます。

電気自動車にはさまざまな長所があります。ただ、中には、「電気自動車ってどのくらい走るの?」とか「電気自動車の充電ってどうなっているの?」など、不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

電気自動車の航続距離

電気自動車の航続距離は長くはありません。多くのガソリン車は一度の給油で通常500km以上走行することができるのに対し、一般的な電気自動車の走行距離はせいぜい200kmほどです。ドライブで遠出をしようと思ったとき、高速道路に乗ると2時間ほどで燃料の心配をしなくてはなりません。しかも、寒冷地や冬場の寒い環境ではバッテリー機能が低下するので、航続距離はさらに短くなります。エアコンやオーディオの使用でも航続距離は減ります。

しかし、近年の企業努力と技術革新によって航続距離は伸びてきています。2017年8月、アメリカの電気自動車メーカー、テスラの主力電気自動車『モデルSP100Dグレード』は、量産型電気自動車として世界初、航続1,000kmを達成しました。ただしこの記録を樹立した『モデルSP100Dグレード』の価格は14万ドル、日本円で1,500万円以上、庶民にはちょっと手が出せない車となっています。また、日本の電気自動車の代表格である日産リーフも新型だと400kmの航続距離を達成しています。今後さらに航続距離は伸びていくと予想されます。

電気自動車の充電方法

電気自動車の充電方法には普通充電と急速充電の2種類があります。

普通充電はゆっくり時間をかけて充電する方法です。200Vの充電設備を用いた場合、航続距離160km分の充電をするのに約7時間かかります。自宅に設置する場合は普通充電器を取り付けますが、コンセントを家側に設置するだけで普通充電が可能となるのでかんたんにできます。本体価格も数千円からとお求めやすい価格となっています(工事費を除く)。自宅以外にも宿泊施設や商業施設など、長時間滞在する場所に設置されています。

住宅への設置もカンタン
住宅への設置もカンタン
住宅への設置もカンタン
普通充電器のマーク
普通充電器のマーク
普通充電器のマーク

急速充電はその名の通り、充電にかかる時間が短いのが特徴です。航続距離160km分の充電をするのに、15分から30分ほどしかかかりません。道の駅やコンビニ、高速道路のサービスエリアなどに設置されています。安全設計でかんたんに操作でき、女性でもセルフで充電することができます。

電気自動車の充電は「ついで充電」が基本となります。高速道路で休憩するついで、宿泊施設で休んでいるついで、ショッピングを楽しんでいるついで、などどこかに寄ったついでに充電します。こうすることで、航続距離の短さはカバーできますし、旅先でわざわざガソリンスタンドを探すというストレスからも解放されます。

気になる充電スポットの数ですが、普通充電器は14,747基、急速充電器は7,232基、合計21,979基の充電スポットがあります(個人世帯用を除く、2018年2月6日現在、GoGoEVより)。全国にあるガソリンスタンドの数は32,333ヵ所(2016年3月31日時点。経済産業省Webサイトより)ですので、電気自動車の充電スポット数はガソリンスタンドの約70%にあたります。設置場所や都道府県に偏りがあるなどの問題はありますが、電気自動車の充電環境は間違いなく整ってきています。

電気自動車の補助金

クリーンで環境にやさしい電気自動車ですが、その価格はガソリン自動車と比べるとまだまだ高いのが現状です。そこで、政府は電気自動車の普及のために、車の購入者に対し補助金を交付しています。この補助金制度はクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)と言いますが、電気自動車以外にも、プラグインハイブリッド自動車や燃料電池自動車なども補助の対象になっています。

2017年度の補助金申請受付はすでに終了していますが、政府では2018年度も継続する予定で、その制度内容の検討を進めています。これまでのCEV補助金について知りたい方は、一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV)のWebサイトにアクセスしてみてください。
また、地方自治体の中にも補助金を交付している自治体があります。居住している場所によっては、国の補助金・居住都道府県の補助金・居住市区町村の補助金、合計3つから補助金を得られます。補助金をうまく利用することで、電気自動車の購入負担額をかなり抑えることができます。

電気自動車の税金

電気自動車は税金面での優遇もあります。自動車に関する税金は、自動車取得税・自動車重量税・自動車税の3つがありますが、電気自動車を購入した場合、この3つが免税もしくは減税となります。

① 自動車取得税

自動車取得税とは、自動車を取得した際に購入金額に応じて課税される地方税です。新車を購入した場合ですと、取得価格の3%が自動車取得税となります。取得価格は、新車価格×0.9+オプションなどの付加物の価格で計算されます。新車価格が300万円の車を購入し、50万円のオプションを付けた場合ですと、取得価格は320万円、自動車取得税は9.6万円となります。電気自動車の場合、この自動車取得税が非課税となります。新車購入時には頭金などで出費がかさみます。自動車取得税を払わなくて済むのはかなり助かりますよね。

② 自動車重量税

自動車重量税とは、車の重さに応じて課税される税金です。税額は車の重さ0.5tごとに変化し、新車購入時と車検を受けるときに、車検の有効期間分の税金をまとめて支払います。1t~1.5tのガソリン自動車ですと、新車購入時に36,900円、その後車検のたびに24,600円を支払います。この自動車重量税についても、電気自動車の場合は減税されます。今電気自動車を新車で購入した場合、新車購入時と2回目の車検時(新車購入から3年後の車検)にかかる自動車重量税は免税となります。さらに、3回目以降の税額についてはエコカー税額が適用されます。これはガソリン自動車の税額と比べかなり安い金額が設定されていて、1t~1.5tの電気自動車の場合だと、15,000円しかかかりません。

1t~1.5tの車を購入して車検を3回行った場合にかかる自動車重量税を、ガソリン自動車と電気自動車で比較してみると、
ガソリン自動車:36,900円(購入時)+26,400円(2回目)+26,400円(3回目) = 89,700円
電気自動車:0円(購入時)+0円(2回目)+15,000円(3回目) = 15,000円
となり、74,700円も差分が発生します。

③ 自動車税

自動車税は、毎年4月1日時点で自動車の所有者に対してかかる税金です。年度の途中で購入した場合は、購入した月の翌月から次の3月までの月割分を支払います。税額は車の使用用途と総排気量によって決まっています。電気自動車の場合、どんなに大きな車でも総排気量は0ですので、自動車税は一番安い区分となります(29,500円/年)。さらに、「グリーン化特例」という制度が適用されるため、登録翌年度の自動車税から22,000円が減税されます。また、これとは別に都道府県が独自に優遇措置を設けていることもあり、東京都では平成33年3月31日までに電気自動車を新車登録すると、登録年度の月割分および翌年から5年度分の自動車税をなんと全額免除してくれます。

まとめ

電気自動車の最大のメリットはなんといっても走行中にCO2を全く排出しないことです。有限である化石燃料の使用を抑えられ、地球温暖化抑止にも貢献できます。

しかし、ここで気を付けなければならないのは、動力源となっている電気をどのように作るかでその貢献度は変わってくるということです。いくら走行中にCO2を排出しなくても、その電源を作るのにCO2をたくさん排出してしまっていたらそれはあまり意味をなしません。一方、その電源を太陽光発電やバイオマス発電など、地球環境に負荷の少ない再生可能エネルギーで補うことができれば、地球環境保全に大きなインパクトを与えられます。

地球環境を考えると、電気自動車と再生可能エネルギーはセットで考えなければなりません。どうかこの機会に、皆さんが普段使っている電気についても考えてみてください。