2024年6月、高い回答精度を持つAI回答エンジン「Perplexity Pro」を、米国のPerplexity社とソフトバンクが連携し、“ソフトバンク”“ワイモバイル”“LINEMO”のお客さま向けに、1年間の無料トライアルの申し込み受け付けを実施した。まるで友人と会話しているかのように簡単に相談でき、分かりやすく要約された信頼性の高い回答が得られる、AI初心者にも使いやすいサービスだ。日本の携帯キャリアでこうした取り組みをしたのはソフトバンクが初めてだ。
「さあ、パプろう!今日は何を相談する?」携帯電話に話しかけることで、回答が返ってくるCMで一気に認知度が向上。2025年6月からは、“ソフトバンク”“ワイモバイル”“LINEMO”のオプションサービスとして提供を開始し、全国の店頭でも携帯電話の加入時のオプションとしてもご案内している。
このプロジェクトの立ち上げを担った課長の佐藤は語る。
「プロジェクトを始めたころに見た2023年度の総務省のデータによると、日本人の生成AI利用率は9.1%と、他の先進国に遅れを取っていました。そこで、できるだけ多くの人たちにAIに触れてもらい、合わせて『ソフトバンク=先進的なAI企業』というイメージを醸成するために、『Perplexity Pro』の日本での導入をリードしました」
「当時他のAIエンジンは、AIへの指示をうまく出せないと使いこなすのが難しかった。Perplexityは、生成AIを使ったことがない人でも直感的に操作できる。人に優しいAIなので、日本人へのAI普及に一役買えるはず、と確信したのです」
しかし、導入までの道のりは決して平坦ではなかった。最大の課題は、リリースまでに残された時間が非常に限られていたことだった。佐藤をはじめとするプロジェクトチームは、社内外のスタッフの協力を得ながら、ぎりぎりのスケジュールの中で調整と対応を重ね、何とかサービスのリリースにこぎつけることができた。
「まるで戦場のような毎日でしたね(笑)。毎日新規開発部の部長との会議を設定して、そこで意思決定ができるのは助かりました。また、社内の多くの方に多大な協力をいただけました。日本の老若男女にAIを広められるのは、僕たちしかいない。その強い思いがあったからこそ、怒濤のスケジュールを乗り越えることができました」