公開日:2024年9月27日
寒い時期に活躍するセラミックファンヒーターですが、どの程度の電気代がかかるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。一般的に熱を発する電気製品は電気代が高くなりやすいため、電気代が高騰している昨今において不安を感じるかもしれません。
製品によって差がありますが、一般的にセラミックファンヒーターの電気代は1時間あたり20円〜38円程度です。さらに、使い方を工夫すれば電気代を抑えられます。
こちらの記事では、セラミックファンヒーターの電気代や節約につながる使い方などを解説します。寒い時期における電気代を抑える方法について知りたい方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
セラミックファンヒーターの特徴や機能、電気代の目安などを解説します。これから購入を検討している方や買い替えを検討している方は、参考にしてみてください。
セラミックファンヒーターとは、耐熱性の高いセラミックで覆われた電熱線を電気の力で加熱し、暖かい空気をファンで送り出す暖房器具です。起動してから数秒程度で暖かい空気が放出されるため、すばやく暖を取れます。
エアコンで暖を取ろうとすると、部屋全体が暖まるまでに時間がかかります。すぐに暖まりたいときに、セラミックファンヒーターは活躍するでしょう。また、コンパクトなサイズの製品も販売されているため、設置スペースが限られている場合も重宝します。
セラミックファンヒーターの電気代ですが、各メーカーから販売されている商品を参考にすると、主なセラミックファンヒーターの消費電力は600W〜1,250Wです。この数値をもとに電気代を計算してみます。
例:消費電力100Wの家電を1時間使用した場合 0.1kW×1×31円/kWh=3.1円
消費電力の目安 | 電気代の目安(1時間) | |
---|---|---|
セラミックファンヒーター | 600W〜1,250W | 20円〜38円程度 |
弱運転や強運転のモードによって異なりますが、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価の31円/kWhで算出すると、1時間あたりの電気代は20円〜38円が目安となります。多くの製品は風量を調整できるため、場面に応じて運転の強度を使い分けましょう。
セラミックファンヒーターの特徴を踏まえて、メリットとデメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・燃料を使わないため安全性が高い ・すばやく暖を取れる ・持ち運びが容易 ・製品によっては加湿機能もある ・においを発しない |
・広い部屋を暖めるのは難しい ・空気が乾燥しやすい ・送風によってほこりが舞い上がりやすい ・運転音が気になることがある |
セラミックファンヒーターは、発熱の際に灯油やガスを使用しないため、安全性が高い特徴があります。また、起動してから数秒程度で暖かくなるため、速暖性に優れている点も魅力です。
さらに、コンパクトで軽い製品を購入すれば手軽に持ち運びができ、限られたスペースでも置けます。トイレや脱衣所、玄関など一般的に暖房器具を置きづらい場所で活用できるでしょう。
ただし、暖かい風を送れる範囲が限られているため、広い部屋を暖めたい場面では不向きです。また、空気が乾燥しやすくなるため、乾燥が気になる方は加湿機能が付いている製品を選ぶとよいでしょう。
セラミックファンヒーターの強みを活かすためにも、活用する場所やシチュエーションを考えることが大切です。
セラミックファンヒーターを使用すると、運転モードにもよりますが1時間あたり20円〜38円程度の電気代が発生します。昨今は電気代が高騰しているため、家計への負担が気になる方は、これから紹介する節約方法を意識してみてください。
セラミックファンヒーターの強みを活かせるのは、狭い部屋やスペースです。狭い空間を効率よく暖めたい場面で適しているため、次のような場所で活用するとよいでしょう。
・トイレ
・浴室
・脱衣所
・寝室
・デスクの足元
・窓の近く
特に高齢者がいる世帯にとって、ヒートショックを防ぐための一環として、事前に脱衣所や浴室を暖めることは効果的です。セラミックファンヒーターを起動すれば数秒程度で暖かくなるため、脱衣所や浴室が暖かくなるまで長時間待つ必要がありません。
また、窓の近くでセラミックファンヒーターを使用する際は、窓に背を向けるように設置しましょう。窓辺で冷えた空気が暖房によって足元に流れる現象(コールドドラフト)を防ぐことができます。
多くのセラミックファンヒーターは「弱運転」「強運転」など、風量の切り替えができます。弱運転にして設定温度を低くすれば、電気代を抑えられます。
製品によっては弱運転と強運転で電気代に2倍以上の差が生じるため、可能な範囲で設定温度を低くすれば節約につながるでしょう。
例えば、寒さが厳しくすぐに暖を取りたいときは強運転を行い、ある程度暖を取れたら弱運転に切り替える方法が考えられます。
環境省では、快適性を損なわない範囲の省エネとして、冬季の室温は20℃を推奨しています。この推奨温度はあくまでも室温であり、設定温度ではないため注意が必要です。部屋の温度が20℃に保たれるよう、設定温度を調整するとよいでしょう。
ほかの暖房器具と併用し、セラミックファンヒーターを部屋全体が暖まるまでのつなぎとして活用する方法があります。セラミックファンヒーター単体で節電を目指すのではなく、ほかの暖房器具の運転時間を抑えて、家全体の電気代を抑えるイメージです。
例えば、部屋全体を暖めるエアコンやオイルヒーターは、立ち上がりに時間がかかり、設定温度に達するまでの消費電力が高いというデメリットがあります。
セラミックファンヒーターですばやく部屋を暖めれば、立ち上がり時の消費電力量を抑えられるため、トータルで節電につながります。
一方で、こたつやホットカーペットは暖房器具の中でも電気代が安い傾向にあります。セラミックファンヒーターで暖を取ったあと、こたつやホットカーペットを利用することも効果的な節約方法です。
セラミックファンヒーターによっては、以下のような省エネ機能が付いています。
機能 | 内容 |
---|---|
人感センサー | 人の存在を感知してオン・オフを自動で切り替える |
温度(室温)センサー | 部屋の温度によってオン・オフを自動で切り替える |
温度調節機能 | 周囲の温度が設定温度に到達すると自動でオフになる |
タイマー機能 | 設定した時間が経過すると自動でオフになる |
省エネ機能があれば、消し忘れによる無駄な電力消費を抑えられます。また、快適な室温になったら自動でオフになるため、手間をかけずに電気代を節約できるでしょう。
例えば「ついうっかり電源を消し忘れてしまうことがある」という方は、人感センサーが搭載されている製品を選ぶと安心です。
温度調整機能があれば、自動的に過剰な暖房を避けられます。「自分で運転機能を切り替えるのは面倒」という方にとって、有用な機能といえるでしょう。
メーカーによって機能面に違いがあるため、購入や買い替えを検討している方は搭載されている省エネ機能にも注目してみてください。
セラミックファンヒーターは、ほかの暖房器具と比較して電気代がかかるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
以下で、セラミックファンヒーターとほかの暖房器具の電気代を比較します。なお、いずれも一例で製品ごとに消費電力は異なるため、あくまでも目安として参考にしてみてください。
暖房器具 | 消費電力の目安 | 電気代の目安(1時間) |
---|---|---|
セラミックファンヒーター | 600W~1,250W | 約20円~39円 |
エアコン(暖房) | 100W~1,100W (立ち上がり時2,000W) |
約3円~34円 (室温などで変動) |
オイルヒーター | 500W~1,200W | 約16円~37円 |
電気ストーブ(ハロゲンヒーター) | 180W~1,000W | 約6円~31円 |
こたつ | 300W~600W | 約9円~19円 |
ホットカーペット | 200W~330W | 約6円~10円 |
・電気代は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価の31円/kWhで算出しています。
暖房器具の中で、もっとも電気代がかかりやすいのはエアコンです。エアコンを含めたさまざまな暖房器具とセラミックファンヒーターを比べてみると、セラミックファンヒーターの消費電力は高めであることが分かります。
セラミックファンヒーターを長時間使い続けると、思った以上に電気代が高くなってしまう可能性があります。適度に暖を取れたら、弱運転に切り替えたり、消費電力が低いこたつやホットカーペットを活用したりすれば、快適に過ごしつつ電気代を安くできるでしょう。
優れた安全性!オイルヒーターとパネルヒーターを比較
記事を読むホットカーペットは足元の冷え対策に最適!電気代や節電方法は?
記事を読む電気ストーブの効果的な使い方 しっかり暖めて電気代も節約!
記事を読むセラミックファンヒーターを有効活用すれば、快適に暖を取りつつ電気代を節約できます。すばやく暖を取れて持ち運びが容易という強みがあるため、狭い場所を効率よく暖める際に活躍するでしょう。
電気代の節約方法には、セラミックファンヒーター自体の電気代を節約する方法と、ほかの暖房器具と併用して家全体の電気代を節約する方法があります。
ご家庭に合った方法で、寒い時期に効果的な節約方法に取り組んでみてはいかがでしょうか。