1. ホーム
  2. でんき
  3. でんきの節約・豆知識
  4. 電気ストーブの効果的な使い方 しっかり暖めて電気代も節約!
でんきの節約

公開日:2023年11月30日
更新日:2024年12月20日

電気ストーブの電気代をタイプごとに紹介!電気代の節約方法やおすすめの活用シーンも解説

電気ストーブの電気代をタイプごとに紹介!電気代の節約方法やおすすめの活用シーンも解説
電気ストーブの電気代をタイプごとに紹介!電気代の節約方法やおすすめの活用シーンも解説

電気代の高騰が続いている中、暖房器具のコストが気になるという方もいるのではないでしょうか。

電気ストーブは、必要な場所をピンポイントですぐに暖められる暖房器具です。エアコンで部屋が暖まるのを待つ間に冷えた手足を温めたり、暖房のない脱衣所で着替える間の寒さをやわらげたりする活用法があります。

また、電気ストーブにはさまざまな種類があり、機能によって活躍する場が異なります。効率的な使い方を実践し、電気代を節約しながら冬を快適に過ごしましょう。

電気ストーブの種類と電気代の目安について

電気ストーブの種類と電気代の目安について
電気ストーブの種類と電気代の目安について

種類によって変わる?電気ストーブの電気代

電気ストーブは暖め方の違いによって消費電力が変わり、電気代にも差があります。

それぞれのタイプ別に現在発売中のモデルを複数ピックアップして、本体価格や消費電力、算出される電気代の目安を表にまとめました。

電気ストーブ種類 本体価格 消費電力 電気代(1時間)
カーボンヒーター 3,000円~ 350W~1,200W 約11~37円
グラファイトヒーター 7,000円~ 200W~1,200W 約6~37円
ハロゲンヒーター 3,000円~ 180W~1,000W 約6円~31円
石英管ヒーター 3,000円~ 300W~960W 約9円~約30円
シーズヒーター 8,000円~ 300W~1,200W 約9円~37円
セラミックヒーター 2,000円~ 600W~1,250W 約20円~39円
パネルヒーター(コの字型) 4,000円~(最高値3万円) 130W~190W 約4円~6円
  • 電気代の計算式は「消費電力(W)÷1,000×使用した時間(h)×料金単価(円/kWh)」。料金単価は電力料金の目安単価とされる31円/kWhを使用しています。

種類によっては、省エネ機能が搭載されたエコモデルの製品や、加湿や風量調節などを備えた高機能モデルもあります。製品によって消費電力は異なるため、あくまで目安として参考にしてみてください。

タイプ別にみる電気ストーブ

ここでは代表的な7つのタイプについて、それぞれの特徴を見ていきましょう。

タイプ 特徴
カーボンヒーター ・発熱体となる炭素繊維に電気を流し、放射される遠赤外線によって暖める
・本体価格が比較的リーズナブル
・手足をすぐに温めたい冷え性の方におすすめ
グラファイトヒーター ・黒鉛(グラファイト)に電流を流して熱を発生させ、遠赤外線を放射する
・スイッチを入れてから暖まるまでの時間がカーボンヒーターより約4倍早い
・素早く体の芯まで温めたい方におすすめ
ハロゲンヒーター ・電気エネルギーをハロゲンランプが光に変換し、その光を集光鏡によって集中させて暖める
・コンパクトなサイズが多く、狭いスペースでの使用に向いている
・狭い範囲をピンポイントで温めるのに適している
石英管ヒーター ・ニクロムを覆った石英管が遠赤外線を放射する
・構造がシンプルで本体価格がリーズナブル
・初期投資を抑えたい人におすすめ
シーズヒーター ・ニクロム線に電流を流して熱が発生させ、金属パイプの表面から周囲に熱を放射する
・耐久性と暖房能力が高い
・丈夫な電気ストーブを求めている方におすすめ
セラミックヒーター ・特殊加工されたセラミックに電気を通し、電圧をかけて発熱させる
・加湿器や空気清浄機などの機能が付いた製品がある
・コンパクトなサイズが揃っており、狭いスペースでの使用に向いている
パネルヒーター ・パネルの中に張った電熱線が輻射熱を対流させる
・即暖性があり軽量で持ち運びしやすい
・設置場所を固定しない方におすすめ

ヒーターのタイプごとに、暖まるまでの時間や電気代が異なります。また、構造が製品の大きさにも影響を与えます。

「どこに置いて使う予定なのか」「どのようなシーンで使用するのを想定しているのか」「電気代はどの程度許容するか」など、さまざまな観点から、ご家庭に合っているヒーターを選びましょう。

電気代を抑えられる効果的な電気ストーブの使い方とおすすめの活用シーン

電気代を抑えられる効果的な電気ストーブの使い方とおすすめの活用シーン
電気代を抑えられる効果的な電気ストーブの使い方とおすすめの活用シーン

短時間暖まるときだけ使用する

短時間で局所的にすばやく暖められる点が、電気ストーブの強みです。長時間室内にいないときや、自分ひとりだけしかいないときなど、部屋全体を暖める必要がないときは電気ストーブが向いています。

エアコンやオイルヒーターのように、部屋全体を暖める暖房器具は電気代が高くなりやすい傾向にあります。使用するシーン次第では、電気ストーブのほうが電気代を抑えられるでしょう。

また、部屋全体を暖めたいときにエアコンをつけても、全体が暖まるまで時間がかかります。快適な室温になるまでのつなぎとして電気ストーブを使用すれば、寒さによるストレスを軽減できるでしょう。

狭い部屋を暖めるときに使用する

電気ストーブは部屋全体を暖めるのではなく、脱衣所やキッチンなど狭い場所を暖めるのに向いています。「自分だけ暖を取れればよいとき」「狭い場所を暖めたいとき」は、有効活用しやすいでしょう。

コンパクトで軽量の電気ストーブであれば、持ち運びやすくさまざまなシーンで活躍します。脱衣所やデスクの足元など、場面に応じて柔軟に使用できる点は電気ストーブの強みです。

デスク周りに置いて作業効率アップ

コンパクトタイプの電気ストーブは、デスクの上に置いて冷えた指先を温めるのに活躍します。パソコン作業や勉強中など、手指が冷えたときに重宝するでしょう。

デスクの下に置くなら、足元を覆うようなコの字型の折り畳み式パネルヒーターが便利です。また、机の裏に張り付けて小さなコタツのように使えるタイプもあるので、指先・足元・膝など、温めたい部位に応じて設置しましょう。

キッチンを使う人を集中的に暖める

キッチンでは長時間立って調理をすることが多く、足元が冷えがちです。調理中の足元を集中的に暖めたいとき、コンパクトで設置しやすい電気ストーブが活躍します。

ただし、キッチンでは消費電力の高い調理家電を併用する可能性があるため、電気ストーブはなるべく消費電力が低い製品を選びましょう。

また、調理家電を優先して使う場面が想定されるため、キッチン以外の部屋から電源を取れるようにコードが長い製品を選ぶと便利です。

脱衣所・トイレなどでのヒートショック予防にも

冬場は特にヒートショックの危険性があるため、脱衣所やトイレは暖かい状態を保つ必要があります。サイズがコンパクトでコンセントさえあれば使える電気ストーブは、限られた時間だけ使用したいときに役立つでしょう。

ただし、短時間だけ使用する場合、消し忘れてしまう可能性が考えられます。消し忘れによる火災を防ぐためにも、人感センサーやタイマー機能などがあり、自動的に電源が切れる製品を選ぶと安心です。

  • ヒートショックとは?
  • 暖かい部屋から急に寒い部屋へ移動するなどの、急激な温度変化が体に与える影響のことです。
    ヒートショックを起こして血圧が大きく変化することで心臓に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞などにつながるリスクも高まります。
    ヒートショックによってめまいやふらつきが起こり、浴槽で倒れて溺れるといった入浴中の事故も発生しているため 、注意が必要です。

他の暖房器具と併用する時のポイント

他の暖房器具と併用する時のポイント
他の暖房器具と併用する時のポイント

経済産業省によると、冬場における家庭の電気代のうち、暖房関連の電気代が3割以上を占めています。特にエアコンは全体の17%と最も多く、他の暖房器具では電気ストーブが3.8%、こたつが2.1%と続いています。

広い部屋全体を暖める場面で電気ストーブは適さないため、他の暖房器具で電気ストーブの弱点を補うとよいでしょう。各暖房家電の特性を活かしながら、電気ストーブと併用する際のポイントを解説します。

電気ストーブとエアコン

電気ストーブは部屋全体を暖められないため、広い部屋ではエアコンと併用する場面が考えられます。

エアコンをつけて部屋全体が暖まるまでの間、すばやく暖められる電気ストーブを活用するとよいでしょう。部屋全体が暖まった時点で電気ストーブを消せば、快適に暖を取りつつ電気代を最適化できます。

また、エアコンで部屋全体を暖めながら、足元や指先をピンポイントで温めたいときに電気ストーブを使う方法もあります。これにより、部屋全体を快適な室温にしつつ、仕事や勉強の集中力を高く保てるでしょう。

電気ストーブとオイルヒーター

オイルヒーターは空気を汚さず、駆動音が小さく音によるストレスが少ない特徴があります。部屋全体を暖められる暖房器具として、リビングで活躍するでしょう。

オイルヒーターで室温を最適化し、電気ストーブを脱衣所やトイレなどで利用すれば、それぞれの強みを活かした使い分けができます。
また、エアコンと同様にオイルヒーターが部屋全体を暖めている間のつなぎとして、電気ストーブを活用する方法もあります。

電気ストーブとホットカーペット

ホットカーペットは足元を効率よく暖められる暖房器具です。足元しか暖められないため、上半身を温めたいときに電気ストーブを併用する方法が考えられます。

また、ホットカーペットは暖房器具の中でも本体価格と電気代が比較的安いメリットがあります。主に電気ストーブで暖を取りつつ、足元を温められる暖房器具を取り入れたいとき、それぞれを併用するとよいでしょう。

電気ストーブとこたつ

こたつは下半身を暖められますが、上半身が寒くなりがちです。エアコンの風を不快に感じるもののオイルヒーターが家にない、という方は電気ストーブとこたつを併用すれば快適に暖を取れます。

また、こたつは机としても機能します。リビングで過ごす際には勉強机や作業机として活用しながら下半身を暖め、上半身を温めたいときは電気ストーブを併用するとよいでしょう。

併用したい暖房器具の電気代(参考例)

電気による暖房器具は、使用時間に比例して電気代がかかります。暖め方の特徴によって使い分けながら、電気ストーブと上手に併用しましょう。

以下は、一般的な暖房器具の消費電力(W)と電気代(1時間)の目安です。電気ストーブと比較して、併用の参考にしてください。
電気代の計算式は「消費電力(W)÷1,000×使用した時間(h)×料金単価(円/kWh)」。料金単価は電力料金の目安単価とされる31円/kWhを使用しています。

暖房器具 消費電力 電気代(1時間)
電気ストーブ 130W~1,250W 約4円~39円
エアコン(10畳用) 100W~1,100W
(立ち上がり時2,000W)
約3円~34円
(立ち上がり時約62円
オイルヒーター 500W~1,200W 約16円~37円
ホットカーペット(2畳用) 215W~330W 約7円~10円
こたつ 300W~600W 約9円~19円
  • ※室温などで変動

単に電気代だけで比較するのではなく、暖まりたいシーンに応じて使い分けましょう。例えば、家族が同じ部屋で過ごしているときは、部屋全体を暖められるエアコンやオイルヒーターが適しています。

電気ストーブを使うメリットとデメリット

電気ストーブを使うメリットとデメリット
電気ストーブを使うメリットとデメリット

電気ストーブの電気代は、使用時間の調整によって抑えることが可能です。

エアコンやオイルヒーターなどさまざまな暖房器具がある中で、電気ストーブを使うメリットを解説します。

電気ストーブのメリット

スイッチオンですぐに暖まる

電気ストーブは、スイッチを入れるとすぐに暖かくなる特徴があります。エアコンは室内温度を設定温度まで暖めるのに時間がかかりますが、電気ストーブは即暖性が高く、寒い屋外から帰ってからすぐに冷え切った手足を温めることが可能です

必要なところだけ暖められる

電気ストーブは軽量でコンパクトサイズの製品が多く、気軽に設置場所を移動できます。必要な範囲をピンポイントで暖められるため、狭い部屋を効率よく暖める際に活躍します。

空気を汚さず安全性が高い

電気ストーブは灯油やガスを使ったストーブのように燃焼させないため、スス汚れやガス漏れの心配がありません。安全性が高く、やけどのリスクが低いというメリットもあります。

また、ファン機能付きでない製品は空気をかき混ぜないため、ホコリが舞うこともなく空気の乾燥を防げます。

価格も手頃でより便利に

電気ストーブは、他の据置型暖房器具と比べて製品価格が安いメリットがあります。初期費用を抑えられるため、気軽に購入しやすいでしょう。

最近では電気代を抑えられる省エネモデルも多く、タイマー機能や柔軟な温度設定に対応しており、利便性に優れています。

電気ストーブのデメリット

暖房パワーの不足

電気ストーブの中には、ファン機能で温風の領域を広げる製品やハイパワーの製品があります。ただし、基本的に局所を暖めるための暖房器具なので、部屋全体を暖めるにはパワー不足です。

長時間の使用に注意

長時間同じ部位に熱があたっていると、低温やけどを起こす可能性があるため注意が必要です。

また、設定温度が最も高い状態で使うと電気代がかさんでしまいます。使用するシーンによっては、電気ストーブよりもエアコンが向いている可能性が考えられるでしょう。

  • 「火を使わないから大丈夫」じゃない!電気火災の実態
  • 石油ストーブなどに比べて、火を使わないことで「電気ストーブは火災になりにくい」と安心していませんか?
    ストーブ火災のうち7割以上が電気ストーブによるものという統計結果があるほど、実際には多くの電気火災が発生しており、油断は禁物です。
    つい体に近い距離で使用したり、つけたまま就寝したりすることで、着衣への着火や一酸化炭素中毒などが起こる危険性もあります。
    部屋干ししていた洗濯物やカーテンなどの可燃物が、電気ストーブにあたって燃え出すという事例もあったそうです。
    また、タイマー機能などでリモコン操作のできる電気ストーブでは、テレビやビデオなど他の電気製品のリモコンによって誤作動を起こす場合もあります。電気ストーブを使用しないときは、電源プラグをコンセントから抜いて安全に使用しましょう。

まとめ

電気ストーブは、短時間暖めたいときや狭い場所を暖めたいときに適しています。特徴を把握したうえで活用すれば、電気代を最適化しつつ快適に暖を取れるでしょう。

たとえば、エアコンやオイルヒーターで部屋全体を暖めている間に電気ストーブで暖を取ったり、脱衣所やトイレに設置したりする活用法が考えられます。

また、ホットカーペットやこたつなど、比較的消費電力の低い暖房器具と組み合わせることでコストを抑えられます。効率のよい使い方を実践し、電気代を節約しながら冬の寒さを乗り切りましょう。