基幹・業務システムのクラウドリフトを低コストで実現するIBM Cloud®に特化したフルマネージドサービス

2024年2月2日掲載

IBM Cloud事例_ 株式会社エルテックス

国内においては、基幹システムや業務システムなどをオンプレミスで運用する企業は今なお多い。こうしたシステムを「IBM Cloud」にクラウドリフトして、監視サービスや障害対応サービスなどで運用負荷軽減を実現するフルマネージド型インフラサービスを提供するのが株式会社エルテックスだ。同社が数あるIaaSの中からIBM Cloudを選んだ理由や、EC/通販向けビジネスを主力とする同社ならではのメリットや強みについてお話を聞いた。

●お話を聞いた方

IBM Cloud事例_ 株式会社エルテックス 寺田氏

株式会社エルテックス

クラウドビジネス部 部長
寺田 恵一郎 氏

開発の背景・経緯

───「IBM Cloudに特化したフルマネージドサービス※1」の提供に至った経緯や背景について教えてください。

寺田氏:弊社は長年にわたり、EC/通販の統合システムや連動する業務システムの開発など手がけてきました。主力のEC/通販統合パッケージシステム「eltexDC(エルテックス・ディーシー)」に加えて、インフラの構築・運用からアプリケーションの保守まで、お客様のEC/通販ビジネスを支えるサービスをワンストップで提供しています。
当初、EC/通販のインフラ事業として自社のデータセンターにお客様のサーバをお預かりしていた流れで、専有物理サーバ環境を提供するインフラサービスをはじめましたが、経済性やアジリティなど課題もあったことから、お客様がより導入しやすい仮想環境のインフラとして、パブリッククラウド(IaaS)の検討を進めました。2014年に日本アイ・ビー・エムから「SoftLayer®※2」をご案内いただき研究を進めるなか、2015年の冬に東京データセンターがオープンしたことも後押しし、2016年に入ってすぐ、IBM Cloudによるインフラ構築を手がけたのが最初です。その後、EC/通販事業から独立する形でインフラ事業を立ち上げ、構築から運用・保守まで必要なすべてをフルマネージド型で提供する本サービスに至りました。2016年からの7年間でお客様は優に50社を超えましたが、EC/通販関連の用途は数社で、基幹系や業務システムなど比較的大規模な汎用インフラとしてのご利用がほとんどです。

  • ※1 「IBM Cloudに特化したフルマネージドサービス」のサービス紹介サイトはこちら
  • ※2 2005年にアメリカ合衆国で設立されたSoftLayer Technologies. IncのIaaS。2013年7月、IBMが買収しその後IBM Cloudブランドに統合された。
IBM Cloud事例_ 株式会社エルテックス 寺田氏

「IBM Cloudに特化したフルマネージドサービス」の特長

───「IBM Cloudに特化したフルマネージドサービス」の概要についてご紹介いただけますか。

寺田氏:本サービスは、オンプレミスのVMware基盤で運用する基幹システムや業務システムを、できるだけそのままクラウド移行(リフト)したいと考えている企業の経営層・情報システム部門に向けて、「IBM Cloud for VMware Solutions®(以下、VMware on IBM Cloud)」を活用し、お客様専有環境をフルマネージド型で提供するものです。IBM Cloudの強みであるベアメタルサーバ、ストレージ、ネットワークなどインフラのほか、構成変更代行や監視、手順書に基づく障害対応(24/365対応も可能)、サーバ稼働状況の月次報告などのサービスをパッケージ化しフルマネージド型で提供することで、お客様のインフラ運用負荷を大幅に軽減します。

───様々なIaaSがあるなか、「IBM Cloud」でインフラサービスを提供された理由を教えてください。

寺田氏:EC/通販ビジネスでは、障害などによるダウンタイムがそのまま売上減につながるほか、個人情報やクレジットカードの情報など重要データを扱うため、インフラ全体について極めて高い信頼性・安定性や金融機関と同等のセキュリティが求められます。元々弊社のインフラサービスは、こうした要求に応え、専有物理サーバの提供からスタートした経緯があります。
その後、検討を開始したIaaSのインフラサービスについても、基幹系や業務システムなどビジネスを支えるミッションクリティカルなシステムを想定しており、同様の高いレベルを目指した結果、IBM Cloudのインフラを提供することにしました。最大の強みは、ベアメタルサーバの専有物理環境が実現する安定性・信頼性やセキュリティです。他を圧倒する豊富なラインナップを誇り、クリック操作でサーバを構築したり拡張したりが数時間ででき、月額課金での利用も可能です。ベアメタルサーバ上で提供され、本サービスでも基盤として利用しているVMware on IBM Cloudもポイントです。既存のVMware基盤をそのままクラウドにリフトして、オンプレミスと同じエクスペリエンス(アクセス、セキュリティ、コントロール)を維持できるメリットは大きいと思います。
これは我々の現場の感覚ですが、昔ながらのOS/ミドルウェア/アプリケーションの環境をオンプレミスで運用している企業はまだまだ多く、その多くは情シス部門のリソースが不足しているため安定稼働を重視する傾向があります。こうしたケースでのクラウドリフトのシナリオにピッタリなのが、IaaSながら専有物理環境を提供しVMwareとの親和性が高い、VMware on IBM Cloudだったという訳です。

IBM Cloud事例_ 株式会社エルテックス_サービス

エルテックスならではのメリット・強みとは

───「IBM Cloudに特化したフルマネージドサービス」について、エルテックスならではの強みを挙げるとしたらどういった点になりますか。

寺田氏:EC/通販向けインフラの構築・運用で培ってきた“高い安定性やセキュリティを低コストで実現するノウハウ”と“お客様が分かりやすい情報提供やコミュニケーション力”でしょうか。
EC/通販ビジネスは、メーカーの1部門として派生的に展開するケースも多く、全社予算で賄われる基幹システムなどと違い、限られた部門予算で構築・運用する必要があります。一方でさきほど申し上げた通り、EC/通販システムのインフラには、金融機関並の安定性やセキュリティのほか、キャンペーンなどでのバースト対策なども求められます。こうした過酷な要求に応えながら積み重ねてきたノウハウを「IBM Cloudに特化したフルマネージドサービス」に投入することで、ミッションクリティカルなシステムのクラウドリフトを、他社より低コストで実現します。
また、インフラ運用管理のスキルやノウハウがないお客様を想定し、ただ監視したりメンテナンス作業をして終わりではなく、月に1度、分かりやすい表現に留意して作業内容やサーバ稼働状況のレポートを作成し、お客様専任のインフラ担当が対面で報告するなど、丁寧なコミュニケーションに力を入れています。弊社の日常的な作業をできるだけ把握してご理解いただくことが、万が一の時に迅速に対処するうえで役に立つと思いますので。

IBM Cloud事例_ 株式会社エルテックス_構成

Watsonや他のクラウドサービスとの連携など、プラスαの提案に注力していく

───「IBM Cloudに特化したフルマネージドサービス」の今後についてお聞かせください。

まずは既存のお客様を大切にしつつ、日本アイ・ビー・エムやソフトバンクからのご紹介を含め、少しずつお客様を増やしていきたいと思います。そのためにはIBM Cloudに精通した人材の育成・拡充が重要になってきます。また、お客様の方でも人材やスキルの不足が課題として顕在化していることから、本サービスを通じてノウハウ共有を進め、お客様側の人材育成を支援していければと思います。
IBM Cloudで言うと、DXに取り組む企業が増えるなか、標準提供されるAIのWatsonに対する関心も高まっており、弊社としてもAIと連携してさらにインフラ活用を進めるなど“プラスα”の提案に取り組んでいかなければと考えています。またクラウド移行では、セキュアにアクセスするためのネットワークや、テレワーク/モバイルワークに対応するセキュリティ対策なども必要になってきます。このほか、IBM Cloudにリフトした基幹システムや業務システムと、IaaSやSaaSなど他のクラウドサービスを連携させるケースも増えており、豊富なポートフォリオを展開するソフトバンクとの協業により、こうした多様なニーズに応えていきたいと思います。

IBM Cloud事例_ 株式会社エルテックス_感謝状

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