IBM i®のリフト&シフトを ワンストップで支援する「PVS One」

2024年4月3日掲載

IBM Cloud事例_株式会社MONO-X

IBM iの基幹システムをオンプレミスで長年運用している企業の中には「このままではDXを進められない……」と思い込んでいるケースが多い。だが、長年安定的にビジネスを支えてきたIBM iは、企業にとって、ビジネスにとって、貴重な資産であるはず。PowerVSを含むIBM Cloud®を利用してリフト&シフトし、IBM i資産を活かす形でDXへの道を開く「PVS One」について、MONO-Xのキーマンお2人に事例を交えお聞きした。

●お話を聞いた方

IBM Cloud事例_株式会社MONO-X 下野氏

株式会社MONO-X

取締役
下野 皓平 氏

IBM Cloud事例_株式会社MONO-X 朝倉氏

株式会社MONO-X

営業本部
営業推進部 部長
朝倉 啓考 氏

短期間の間に、20社以上がPowerVSを本番採用

─── IBM iクラウドサービス事業をはじめた経緯について教えてください。

朝倉氏:MONO-Xの前身であるオムニサイエンスがクラウドサービスに注力する以前より IBM iの顧客向けにソフトウェア事業や受託開発事業を手がけていました。その後、 IBM Cloud 東京リージョンで「IBM Power Virtual Server®(以下、PowerVS)」の提供がはじまった(2020年11月)ことを受け、 IBM iクラウドサービス事業を開始しました。

もちろん最大の理由は、拡張性や俊敏性といったクラウドの優位性にありますが、 IBM iのお客様が直面する2つのハードルも背景にありました。1つは、 IBM iのアプリケーションがかなり古臭いイメージを持たれており、極端なケースでは、 IBM iはDXの妨げになると勘違いされていることがあります。もう1つは、 IBM iに詳しい技術者の人材不足の問題で、RPGやCOBOLに親しんできた IBM iの技術者が引退するなどして人材不足が加速しています。

我々はこうした状況を踏まえ、PowerVSでオンプレミスの IBM iをクラウド化(クラウドリフト)しつつ、2つのハードルを乗り越えるための独自サービス「PVS One」を提供することで、その先にある社内システムのモダナイズ(クラウドシフト)を目指しています。 IBM iのクラウドリフトに併せ、お客様ニーズに合わせて「IBM Cloud for VMware Solution®」、セキュリティ系の「Cloud Internet Service®」や「IBM Instana Observability®」、メッセージングミドルウェアの「IBM MQ®」など、魅力ある周辺サービスを組み合わせてお客様に最適な環境を構築できるのは、IBM Cloudを熟知した弊社ならではの強みです。また、一番の肝となるネットワーク関連のスキルも様々なパターンを経験する中で培ってきました。

2021年のブラブジャパン株式会社様※におけるクラウド化を皮切りに、 IBM i中心のクラウドインテグレータとして、レガシーシステムのモダナイズ&DXに取り組んでいます。
20社以上のお客様が、本番運用でクラウドをご利用いただいていて、中には5区画を超えるお客様も複数いらっしゃいます。

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IBM Cloud事例_株式会社MONO-X 下野氏

「PVS One」の特長・メリット

─── 「PVS One」の概要や特長について簡単にご紹介いただけますか。

下野氏:2022年6月にリリースしたPVS Oneは、 IBM i(AS/400)のクラウド移行計画から、環境構築・移行、移行後の監視・通知など運用まで、エンドツーエンドで支援するマネージドサービスです。
もちろん、オンプレミスの IBM iをPowerVSにクラウドリフトするだけでも、インフラの運用管理や数年に1度の更新から解放されるなどメリットを享受できますが、それで終わりではありません。さきほどの2つのハードルにもありましたが、アプリケーション開発をモダナイズしてRPG/COBOLに縛られる世界から脱却したい、他のSaaSやAIなどと連携してDXを推進したい、といったニーズは最近かなり増えており、リフト&シフトを進めることでより大きなメリットが得られます。

PVS Oneでは、同じく弊社が提供する、 IBM iのデータ活用ツール「PHPQUERY」、API連携支援ツール「API-Bridge」や内製化を支援するノーコードツール「NextB2B」などを追加費用なしで利用でき、前述のニーズに応えます。これによって、お客様は IBM iのレガシー資産を活かしながらDXを進められるようになります。

実際に、リフト&シフトでメリット極大化に成功したお客様の1つが、光世証券株式会社様※です。このお客様はPVS Oneを導入いただき、証券システムを含む基幹システムをわずか2ヶ月間でクラウドリフトされました。 IBM iのほか人事業務や会計業務のIAサーバなど一式をIBM Cloudに移行しました。他にもチャットボットのサービスやスマホのLINEから基幹システムにアクセスする機能などを利用している事例もあります。このほか、API-Bridgeで外部のクラウドストレージ連携を実現し、手作業でデータを抽出し社内のファイルサーバに格納する業務の効率化も実現している例もあります。

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─── ほかに特長・メリットなどありますか。

下野氏: IBM iについてはPowerVSへのリフトを基本としており、早い・楽・価格がリーズナブルの3拍子が揃っているところですね。 発注から1ヶ月もかからないうちにPowerVSの環境を用意でき、バックアップなどお客様の運用にあわせた設計や移行計画から、ネットワークまで含めた環境構築や移行テスト、監視・通知やバージョンアップ、 IBM i専任エンジニアによる技術支援までワンストップで提供します。これにより、お客様はデータベースやアプリケーションに集中できるようになります。

コスト面の優位性については、仮想IBM Power®サーバを0.25コアから提供するPowerVSの強みが効いていると思います。オンプレミスと違い5年後を考える必要がなく、今必要な最小構成ではじめて、必要に応じて拡張するだけです。さらに、IBMでサイジングを経験してきたメンバーが作成するPVS Oneで標準提供する「パフォーマンス分析レポート」の精度がかなり高く、CPUやメモリなど最適な(必要最小限の)リソース提案が可能です。クラウド内ネットワークとして利用される高額なVRA(Virtual Router Appliance®)に代わる安価な仕組みも提供しており、5年間の総コストを比較するとオンプレミスとあまり違いがなかったりします。コストが変わらなくて運用が断然楽になり、その結果DXも進むとなれば、IT部門にとっても経営者にとっても嬉しいはずで、大変好評をいただいています。

このほか、マネージドサービスとして請求代行にも対応しており、IBM CloudでPowerVSを直接契約する場合と違い、無期限で利用できるようなオプションも提供していたり、複数の部門で共有される際に社内配賦にご利用いただける使用料レポートなど、様々なPowerVSを本番活用される企業様の痒いところに手が届くサービスを順次追加してきたことも付け加えさせていただきます。

IBM Cloud事例_パフォーマンス分析レポート 最適なリソース案をご納得いただくためのパフォーマンス分析レポート

IBM/ソフトバンクとの協業により、 IBM iを活かしたDXの提案を推進

─── 最後に、IBMやソフトバンクとの協業について、今後の計画などありましたらお聞かせください。

朝倉氏:どちらも弊社に比べ営業ネットワークが圧倒的に大きいので、引き続き、 IBM iのお客様をご紹介いただくなかで、PVS OneやAPI-Bridgeなどのサービスやこれまで蓄積してきたスキルを活かしていきたいと思います。ITの世界でレガシーと言うと、なにかとマイナスのイメージが強い印象ですが、レガシーには本来“受け継がれるべき資産(遺産)”という意味があります。ビジネスに合わせて長い時間をかけて構築してきた IBM iの基幹システムは、お客様にとって大切な資産であることは間違いありません。

また、オンプレミスからクラウドへの移行では、クラウドに接続するネットワークが重要になってきます。ワンストップサービスを謳うPVS Oneでは、ネットワークの設計や構築もオプションで提供しており、ソフトバンクの豊富な回線ネットワークサービスから最適な提案ができるのは弊社にとってもメリットです。このほか、LINEやセキュリティ関連ソリューションなどソフトバンクの豊富なアセットもお客様にとっては魅力となります。

PowerVSについては「安定性など本番環境として使えない」「一次言語が英語」「メガクラウドに比べ高コスト」「サポート品質が低い」などのマイナス情報をよく目にしますが、実際のところすべて事実に反しています。弊社のお客様にについて言えばノントラブルで安定稼働していますし、コストメリットも実感していただいています。本当だろうか……と思われた方は、是非お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

IBM Cloud事例_株式会社MONO-X 下野氏・朝倉氏

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