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公開日:2023年8月10日

エアコンの「除湿(ドライ)」はいつ使う?「冷房」との違いや使い分けのコツ

エアコンの「除湿(ドライ)」はいつ使う?「冷房」との違いや使い分けのコツ
エアコンの「除湿(ドライ)」はいつ使う?「冷房」との違いや使い分けのコツ

梅雨や夏場など、エアコンの使用頻度が増えるにしたがって「エアコンの除湿と冷房はどう使い分けたらいいんだろう」「そもそも除湿と冷房の違いってなんだろう」などと気になる人もいるかもしれません。
そこで、この記事では除湿と冷房の違いをはじめ、それぞれの仕組みや使い分け方のコツについてご紹介します。

「除湿」と「冷房」、どっちを使う?

「除湿」と「冷房」、どっちを使う?
「除湿」と「冷房」、どっちを使う?

除湿と冷房の仕組みに大きな違いはなく、取り入れた空気を冷やして放出するといった点では同じです。そのため、「温度」と「湿度」のどちらを優先的に下げたいかといった目的に合わせて使う機能を選ぶことが大切です。

こんなときは除湿がおすすめ

除湿は部屋の湿度を下げることを目的としています。
そのため、雨が降りやすくジメジメしやすい梅雨などに使うのがおすすめです。除湿によって室内の湿度を50〜60%に調整することで快適に過ごしやすくなります。

こんなときは冷房がおすすめ

冷房は部屋の室温を下げることを目的としているため、室温が高い真夏などにおすすめです。
気温が高い真夏に冷房を使うことで室内の気温を一気に下げられるため、少しでも早く室温を下げて涼みたいといった場合に適しているでしょう。

除湿と冷房の仕組み

除湿と冷房の仕組み
除湿と冷房の仕組み

除湿も冷房も、室内の空気をエアコンが吸い込んで冷やし、空気中の水分を結露させたうえで室外に水として排出する仕組みは変わりません。ただし、先述したように室内の「温度」を下げたいのか、「湿度」を下げたいのかで両者を使い分けることが大切です。

除湿と冷房の仕組みを理解し、それぞれを上手に使い分けることでより快適に過ごしつつ電気代の節約にもつなげていきましょう。

エアコンの除湿機能は一つじゃない

世間一般に広く使われているエアコンのほとんどは「弱冷房除湿」を採用している一方、一部の上位機種には「再熱除湿」や「ハイブリッド除湿」といった除湿機能が採用されています。

弱冷房除湿

一般的に広く使われているのが「弱冷房除湿」です。弱冷房除湿は取り込んだ部屋の温度をいったん下げ、水分を放出してから戻す仕組みになっています。なお、エアコンの機種によっては「ドライ」と表示されていることもあるでしょう。微弱な冷房運転を続けて除湿を行うため、消費電力が少ないのも特徴の一つです。

ただし、冷房ほどではないものの、室内の気温が下がることからあまり暑さを感じない日に使用すると室温が下がりすぎる恐れがある点に注意しましょう。

再熱除湿

再熱除湿は弱冷房除湿と異なり、冷やした空気を再び暖めて送風します。そのため、室温を下げることなく除湿できるほか、弱冷房除湿よりも除湿効果が高いことが特徴です。梅雨の時期など、室温を保ったまま湿度を下げたいといったケースにおいて役立つでしょう。

ただし、再熱除湿は弱冷房除湿に比べて再び空気を暖めるといった工程が加わることから、消費電力は高くなります。

ハイブリッド除湿

エアコンの上位機種の中には、「ハイブリッド除湿」と呼ばれる機能が搭載されているモデルがあります。ハイブリッド除湿では冷やした空気を外気や廃熱を利用して温めるため、再熱除湿と比べ省エネで寒くなりにくいのが特徴です。

「冷房」で室温が下がるのはなぜ?

冷房とは、冷風で室温を下げることを目的とした機能のことです。エアコンの室内機と室外機をつなぐパイプの中には「冷媒」と呼ばれる液体が循環しており、その液体が屋内から取り込んだ空気を冷やしてから再び室内に放出することで部屋の温度を下げています。また、取り込まれた室内の空気中の水分はファンによって冷却されて結露となったのち、室内機とつながっているドレンホースから屋外へと排出されます。

冷房は室温を下げるとともに、室内にある空気中の水分(湿気)も排出しています。そのため、除湿効果が期待できることはもちろん、一般的に除湿運転よりも冷房の除湿量のほうが多いといわれています。

エアコンの除湿が効かないときの対処法

エアコンの除湿が効かないときの対処法
エアコンの除湿が効かないときの対処法

ここでは、エアコンの除湿が効かないときの対処法を4つ紹介します。

フィルターを掃除しよう

目安として月に1度はエアコンのフィルターを掃除しましょう。エアコン室内機のフィルターが汚れていると、除湿の運転効率が低下してしまいます。除湿から冷房に切り替えても変わらずに効きが悪いと感じる場合、エアコン本体のフィルターを掃除することで解消されるかもしれません。

室外機の周りに物を置かないようにしよう

室外機は部屋の暖かい空気を外に排出する役目があるため、周りに物が置かれていたり、風通しが悪かったりすると除湿が効きにくくなります。室外機の周りはなるべく物を置かないように心がけるほか、室外機が汚れているときは掃除をして汚れを取り除くようにしましょう。

設定温度を見直そう

エアコンは設定温度に到達すると運転を弱めたり、一時的に休止したりする傾向にあります。室温よりも除湿の設定温度が高いと除湿運転をしなくなってしまうため、室温よりも少し下げた温度に設定しましょう。

部屋の窓や扉を閉めよう

部屋の窓や扉が開いていると、冷房を効かせたいスペース以外の空間から湿った空気が入ってきてしまうため、除湿の効きが悪くなります。また、換気扇が回っている場合も同様に屋外から湿った空気が入ってきてしまうため、運転効率が下がってしまうでしょう。そのため、除湿運転時は窓や扉を閉めることはもちろん、極力換気扇の使用を控えることをおすすめします。

除湿と冷房に関するQ&A

除湿と冷房に関するQ&A
除湿と冷房に関するQ&A

ここでは除湿と冷房に関してよくあるQ&Aをいくつか紹介します。

除湿と冷房の電気代はどちらがおトクなの?

一番電気代が安く抑えられるのは「弱冷房除湿」です。
ここまででお伝えした主な機能を電気代の順に並べると「弱冷房除湿<冷房<再熱除湿」といった順番になります。また、エアコンは電源を入れてから設定温度を目指して室内の空気を冷やすまでの間に最も多くの電力を消費します。そのため、短時間で電源のオンオフを切り替えると電気代が高くなってしまう点に注意しましょう。

なお、エアコンの電気代については以下の記事で詳しく解説しています。

除湿の設定温度は何度がいいの?

エアコンの除湿は28℃に設定するのがおすすめです。
体温を冷やしすぎることなく、体感温度を下げられます。また、湿度を50-60%にすることでカビやダニの発生も抑制できるでしょう。

冷房の設定温度は何度がいいの?

冷房の設定温度について明確な基準はありませんが、環境省では室温28℃を推奨しています。
そのため、温度計などを用いて室温が28℃になるようにエアコンを使うとよいでしょう。

寝るときは除湿と冷房どちらがいいの?

寝るときは、体が冷えすぎないためにも「除湿」のほうがよいと考えるかもしれませんが、「冷房」のほうが向いています。その理由として、実際は「除湿」のほうが室温を下げてしまうことがあるからです。とはいえ、ジメジメしている場合は、寝始める前に「除湿」して、眠るタイミングで「冷房」に切り替えるとよいでしょう。

寝るときは消したほうがいいの?

結論からいうと、寝るときはエアコンをつけっぱなしにするのがおすすめです。就寝時にエアコンを使う人の中には、タイマーの設定をして途中で消してしまう人もいるでしょう。その場合、エアコンが切れたあとに、暑さで起きてしまい、熟睡ができないといった悩みが生じる人も少なくありません。また、高齢の方や幼い子どもであれば、体温調整がうまくできずに寝ている間に熱中症になる恐れがあるため注意が必要です。
快適な睡眠環境を作るためにも、高めの温度調整(26~28度)や風向きを上にして、しっかりと布団をかけて寝るように心がけましょう。

熱中症予防でエアコンをつけっぱなしにすると電気代がどうなるのか詳しく知りたい人は、こちらの記事もどうぞ。

除湿と冷房を使い分けて快適に過ごそう

除湿と冷房は基本的にどちらも温度を下げたいときに使用しますが、状況に応じて上手に使い分けることが大切です。湿度を優先して下げたい場合は除湿、温度を下げたい場合は冷房を使うと、より快適に過ごせるでしょう。

また、昨今では電気代の値上がりが著しく、家計の負担が大きくなる一方です。電気代を節約するためにも、「弱冷房除湿」の使用や短時間ではオンオフをしないなどの工夫をするように心がけましょう。