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公開日:2023年8月10日
更新日:2025年5月23日

エアコンの「除湿(ドライ)」の賢い使い方は?「冷房」との違いや電気代を節約する方法を解説

エアコンの「除湿(ドライ)」の賢い使い方は?「冷房」との違いや電気代を節約する方法を解説
エアコンの「除湿(ドライ)」の賢い使い方は?「冷房」との違いや電気代を節約する方法を解説

梅雨や夏場など、エアコンの使用頻度が増えるにつれて「エアコンの除湿と冷房は、どう使い分けたらよいのか」「そもそも除湿と冷房の違いは何なのか」と気になる方がいるかもしれません。
除湿と冷房はいずれも室温を下げる効果がありますが、それぞれ適しているシーンは異なります。湿度を下げたいときは除湿、温度を下げたいときは冷房を使用し、暑い季節を快適に過ごしましょう。

この記事では除湿と冷房の違いをはじめ、それぞれの仕組みや使い分けのコツについてご紹介します。

「除湿」と「冷房」、どっちを使う?

「除湿」と「冷房」、どっちを使う?
「除湿」と「冷房」、どっちを使う?

湿度と温度のどちらを優先的に下げたいかによって、適している運転モードは異なります。除湿がおすすめのとき、冷房がおすすめのときを解説するので、目的に合わせて使う運転モードを選びましょう。

室内の湿度を下げたいとき・洗濯物を早く乾かしたいときは除湿

除湿は室内の湿度を下げることを目的としています。
そのため、暑さは本格化していないものの、雨が降りやすくジメジメした時期に使うのがおすすめです。除湿運転によって、室内の湿度を50〜60%に調整することで、快適に過ごしやすくなります。
また、風通しの悪い部屋は湿気がこもりやすいため、部屋干しした洗濯物がなかなか乾きません。除湿を有効活用すれば洗濯物を早く乾かせるため、家事にかける時間を短縮できます。

室内の温度を下げたいときは冷房

冷房は室温を下げることを目的としているため、真夏のような室温が高くなる時期におすすめです。
冷房を使うことで室温を一気に下げられるため、少しでも早く涼みたい場合に適しているでしょう。
室温を下げたいときに除湿を使うと、設定温度へ調節するまで時間がかかってしまい、消費電力が増えます。その結果、余計に電気代がかかるため、温度計や湿度計などを確認して適した運転モードを選択しましょう。

除湿と冷房の仕組み

除湿と冷房の仕組み
除湿と冷房の仕組み

除湿も冷房も、室内の空気をエアコンが吸い込んで冷やし、空気中の水分を結露させたうえで室外に水として排出する仕組みです。

除湿と冷房の仕組みを理解し、それぞれを上手に使い分けて、より快適に過ごしつつ電気代の節約につなげていきましょう。

エアコンの除湿機能は一つじゃない

エアコンの除湿機能は一つじゃない
エアコンの除湿機能は一つじゃない

一般的なエアコンに採用されているのは「弱冷房除湿」です。ただし、一部の機種には「再熱除湿」や「ハイブリッド除湿」といった除湿機能が採用されています。
それぞれの違いを見ていきましょう。

弱冷房除湿

弱冷房除湿は、室内のジメジメした空気をエアコン内に取り込み、湿気を取ったうえで室内に放出する仕組みです。エアコンの機種によっては「ドライ」と表示されています。
微弱な冷房運転を続けて除湿を行うため、消費電力が少ない点も特徴の一つです。

ただし、冷房ほどではないものの、室温を下げる効果があります。あまり暑さを感じない日に使用すると、室温が下がりすぎてしまい、寒さを感じる可能性がある点に注意しましょう。

再熱除湿

再熱除湿は弱冷房除湿と異なり、エアコン内に取り込んだ空気を一度暖めて適温に調整し、湿気を取ったうえで送風します。室温を下げることなく除湿でき、弱冷房除湿よりも除湿効果が高い点が特徴です。
梅雨どきのように、室温を保ったまま湿度を下げたい場面において役立つでしょう。

ただし、再熱除湿は空気を暖めるといった工程が加わることから、弱冷房除湿に比べて消費電力は多くなります。

ハイブリッド除湿

「ハイブリッド除湿」は、一部の機種に搭載されている除湿機能です。ハイブリッド除湿では、冷やした空気を外気や廃熱を利用して暖めるため、再熱除湿と比べ省エネで寒くなりにくい点が特徴です。

「冷房」で室温が下がるのはなぜ?

冷房とは、冷風で室温を下げることを目的とした機能です。エアコンの室内機と室外機をつなぐパイプの中には「冷媒」と呼ばれる液体が循環しており、冷媒が屋内から取り込んだ空気を冷やし、再び室内に放出することで部屋の温度を下げています。

取り込まれた空気中に含まれる水分(湿気)は、最終的には結露として、室内機とつながっているドレンホースから屋外へと排出されます。

冷房は室温を下げるとともに、室内にある空気中の水分も排出するため、室温を下げるだけでなく除湿効果も期待できるでしょう。

エアコンの除湿が効かないときの対処法

エアコンの除湿が効かないときの対処法
エアコンの除湿が効かないときの対処法

除湿運転をしても、暑さやジメジメ感が解消しないことがあるかもしれません。除湿効果が弱いと感じたら、エアコンや室外機に問題がある可能性があります。
ここでは、エアコンの除湿が効かないときの対処法を5つ紹介します。

フィルターを掃除する

エアコンのフィルターが汚れていると、除湿の運転効率が低下してしまいます。除湿から冷房に切り替えてもエアコンの効きが悪いと感じる場合、エアコン本体のフィルターを掃除することで解消されるかもしれません。
目安として、月に1度はエアコンのフィルターを掃除しましょう。

室外機の周りに物を置かない

室外機には、部屋の暖かい空気を外に排出する役目があります。周りに物が置かれていたり、風通しが悪かったりすると除湿が効きにくくなります。
そのため、室外機の周りはなるべく物を置かないように心がけ、室外機が汚れているときは掃除をして汚れを取り除きましょう。

設定温度を見直す

エアコンは設定温度に到達すると運転を弱めたり、一時的に休止します。室温よりも除湿の設定温度が高いと除湿運転を休止してしまうため、室温よりも少し下げた温度に設定しましょう。

部屋の窓や扉を閉める

部屋の窓や扉が開いていると、涼しくしたい空間に外から湿った空気が入ってきてしまい、除湿の効きが悪くなります。また、換気扇が回っている場合も同様に屋外から湿った空気が入ってきてしまうため、運転効率が下がってしまうでしょう。
そのため、除湿運転時は窓や扉を閉め、できるだけ換気扇の使用を控えることをおすすめします。

サーキュレーターを使用する

サーキュレーターを使用すると、部屋の空気が循環し、除湿の効率を高められます。冷気は室内の下に溜まりやすいため、サーキュレーターを活用し、空気を循環させましょう。
空気を循環させることにより、下に溜まっていた冷気が部屋に行き渡り、室内全体が涼しくなります。エアコンの真下にサーキュレーターを置き、水平または床向きで送風するとよいでしょう。

サーキュレーターがない場合、扇風機でも代用可能です。サーキュレーターまたは扇風機を併用すれば、設定温度を高くしても心地よく過ごせるため、電気代の節約にもつながります。

除湿と冷房で電気代が安いのはどっち?

除湿と冷房で電気代が安いのはどっち?
除湿と冷房で電気代が安いのはどっち?

除湿と冷房を比較して、どちらの電気代が安いかは一概にはいえません。使用するときの室温や湿度などの環境によって左右され、単純な比較ができないためです。

適しているモードで運転しないと、電気代が高くなってしまいます。「電気代が気になるから、できるだけ安く抑える使い方をしたい」というときは、除湿と冷房の特性を踏まえて、効率よく涼しい環境を作れるほうを選択する必要があります。

例えば、体感として湿度やジメジメ感が気になるときは除湿、暑さが本格化して室温を下げたいときは冷房を使用するとよいでしょう。

あくまでも目安ではあるものの、室温が30℃を超えていないときは除湿、室温が30℃を超えているときは冷房がおすすめです。また、室内の湿度が60%を超えたときは除湿をすれば、ジメジメ感を軽減できます。

除湿と冷房に関するQ&A

除湿と冷房に関するQ&A
除湿と冷房に関するQ&A

ここでは除湿と冷房に関してよくあるQ&Aをいくつか紹介します。

除湿の設定温度は何度がよい?

エアコンの除湿は28℃に設定するのがおすすめです。28℃であれば、身体を冷やしすぎることがなく、また電気代を抑えながら快適な湿度を実現できます。
また、室内の湿度を50~60%にするように心がけることで、カビやダニの発生も抑制できます。

冷房の設定温度は何度がいいの?

冷房の設定温度について明確な基準はありませんが、環境省では「室温28℃」を推奨しています。
そのため、温度計を用いながら、室温が28℃になるようにエアコンを使うのがおすすめです。エアコンの設定温度を調整するだけでなく、服装を工夫したりサーキュレーターや扇風機を併用したりして、快適に過ごしましょう。

寝るときは除湿と冷房どちらがいいの?

寝るときは、除湿よりも冷房のほうが向いています。その理由として、除湿は長時間使用すると結果的に室温を下げすぎてしまい、体を冷やす可能性があるためです。

室内がジメジメしている場合は、寝る前に除湿運転を行い、寝るタイミングで冷房に切り替えるとよいでしょう。
また、サーキュレーターを併用するのもおすすめです。室内にゆるやかな流れを生み出して空気を循環させ、部屋を均一な温度にしてくれます。

寝るときはタイマーをつけたほうがよい?

寝るときは、エアコンをつけっぱなしにするのがおすすめです。

就寝時にエアコンのタイマーを設定すると、エアコンの運転が停止したあとに暑さで起きてしまい、熟睡できない可能性があります。また、高齢の方や子どもは体温調整がうまくできず、寝ている間に熱中症になる恐れもあります。

快適な睡眠環境を作るためにも、高めの温度調整(26~28℃)や風向きを上にして、しっかりと布団をかけて寝るように心がけましょう。

熱中症予防でエアコンをつけっぱなしにすると電気代がどうなるのか詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

除湿と冷房を使い分けて快適に過ごそう

除湿と冷房はどちらも室内を涼しくしたいときに使用しますが、状況に応じて上手に使い分けることが大切です。湿度を優先して下げたい場合は除湿、温度を下げたい場合は冷房を使うと、より快適に過ごせるでしょう。

また、昨今は電気代の値上げもあり家計の負担が大きくなる一方です。電気代を節約するためにも、フィルターや室外機の掃除、設定温度の見直しなどを実践してみてください。

エアコンを適切に使用し、熱中症に気を付けながら暑い時期を快適に過ごしましょう。