公開日:2022年2月18日
更新日:2024年11月15日
オイルヒーターは部屋全体を暖めてくれる便利な暖房器具ですが、使用するときに気になるのが電気代です。特に昨今は電気代が高騰しているので、家計への負担を抑えたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
毎月の電気代を抑えるためには、まずオイルヒーターをはじめとした電化製品の電気代を知ることが大切です。また、電気代を抑える方法を実践することで、効果的な節約を実現できます。
今回は、オイルヒーターにかかる電気代やほかの暖房器具との比較、オイルヒーターの電気代を節電する具体的な方法について解説します。
オイルヒーターは、機器内部でオイルを加熱して熱を発する暖房器具です。暖められたオイルの熱がフィン(放熱板)を通じて外部に放出され、部屋全体をゆっくりと均等に暖めます。
ここで気になるのがオイルヒーターの電気代です。オイルヒーターにかかる電気代は「消費電力(W)÷1,000×使用した時間(h)×料金単価(円/kWh)」で計算できます。
各メーカーから販売されているオイルヒーターを参考にすると、消費電力は約500W~1,200Wです。
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価である31円/kWhで算出すると、オイルヒーターの電気代は1時間あたり約16円~37円程度となります。ほかの暖房器具と電気代を比較してみましょう。
暖房器具 | 消費電力の目安 | 電気代の目安(1時間) |
---|---|---|
オイルヒーター | 約500W~1,200W | 約16円~37円 |
エアコン(暖房) | 100W~1,100W (立ち上がり時2,000W) |
約3円~34円 (立ち上がり時約62円※) |
セラミックファンヒーター | 約600W~1,250W | 約20円~39円 |
電気ストーブ(ハロゲンヒーター) | 約180W~1,000W | 約6円~31円 |
ホットカーペット(2畳用) | 約215W~330W | 約7円~10円 |
こたつ | 約300W~600W | 約9円~19円 |
消費電力や電気代はメーカーおよび機種によって異なるため、製品によって電気代は異なります。一般的にオイルヒーターの電気代は、ほかの暖房器具と比較すると高くなりがちです。
さらに、オイルヒーターは部屋全体が暖まるまでに時間がかかるため、長時間の使用となることも想定する必要があります。
ここでは、オイルヒーターの電気代を節約する方法を紹介します。かんたんに実践できる方法ばかりなので、参考にしてみてください。
オイルヒーターは輻射熱(ふくしゃねつ)を利用して、物質から放出される遠赤外線によって部屋全体を暖めます。設定した温度よりも体感温度を高く感じやすいため、設定温度を低くするのもひとつの節約方法です。
ちなみに環境省では、快適性を損なわない範囲の省エネとして、冬季の室温は20℃を推奨しています。この推奨温度はあくまでも室温であり、設定温度ではないため注意が必要です。
部屋の温度が20℃に保たれるよう、設定温度を調整するとよいでしょう。
オイルヒーターの中には、消費する電力を抑えられるエコ運転モードが搭載されている製品があります。エコ運転モードを積極的に使用することによって、電力を抑えて節電につなげることが可能です。
エコ運転モードは、消費電力を抑えながらも高いパフォーマンスを発揮し、快適な室温を維持してくれます。オイルヒーターに省エネで運転できる機能があれば、有効活用するとよいでしょう。
オイルヒーターの中には、タイマーモードがついている製品があります。タイマーモードを活用すれば、無駄な運転時間を減らし、オイルヒーターにかかる電気代を抑えることが可能です。
あらかじめオンタイマーをセットしておけば、タイミングよく部屋を暖められます。また、就寝時にオフタイマーをセットすることも、電気代節約の効果が期待できるでしょう。
オイルヒーターの場合、部屋が暖まるまでに一定の時間がかかりますが、一度暖まってからはその暖かさが持続します。電源を切ったあともオイルの熱はすぐに冷めないため、余熱を活用して電気代を抑える方法があります。
外出や就寝の直前に電源を切るのではなく、少し前の段階で電源を切っても、しばらくは快適な室温で過ごせます。電源を切るタイミングを見計らって、少し早めに切ることを意識してみてください。
オイルヒーターは暖めた空気をゆっくりと循環させるため、室内に冷えた場所があると部屋全体を暖めるのに時間がかかってしまいます。
冷気が入り込みやすい窓際やドア付近などにオイルヒーターを置けば運転効率を高められるので、電気代の節約につながるでしょう。
窓やドア付近に設置するのが難しい場合は、屋外に面した壁際に置くのがおすすめです。
オイルヒーターは、そもそも部屋の密閉性と断熱性が高いヨーロッパの建造物に向けて作られた暖房器具です。ヨーロッパの建造物は日本と違って石やレンガでできているため、熱が逃げにくくオイルヒーターの活用に適しています。
気密性が低いと暖気が逃げてしまい、運転効率が悪くなります。頻繁にドアを開閉したり、隙間風が入ったりする部屋では、オイルヒーターの消費電力が大きくなり、電気代が高くなってしまうでしょう。
一般的に断熱性が低いとされている日本の建物でオイルヒーターを使う際には、なるべく密閉された空間で使うことでより暖かさを実感できます。
オイルヒーターを効率よく使うためには、部屋の中の暖まった空気をなるべく逃がさないことが効果的です。
そのためには、カーテンを利用して部屋の断熱性を高める方法が挙げられます。また、断熱シートを使用して暖気が逃げないように工夫すれば、運転効率が高まります。
冷気は窓から入ってきやすいため、オイルヒーターを使っているときはなるべくカーテンを閉めるとよいでしょう。
オイルヒーターはエアコンなどに比べると、部屋全体を暖めるまで時間がかかります。換気を頻繁に行うと室内に冷気が入るため、さらに時間がかかり、消費電力も大きくなってしまいます。
オイルヒーターは空気を汚さないので、頻繁な換気は不要です。換気をしたいときは電源を切るタイミングで行うとよいでしょう。
オイルヒーターにかかる電気代は、ほかの暖房器具に比べて高い傾向にあることが分かりました。ですが、オイルヒーターには電気代が高くても利用するメリットがたくさんあります。ここではオイルヒーターのメリットを紹介します。
冬場に暖房器具を使用すると、肌の乾燥が気になったり、喉を傷めたりする方もいるのではないでしょうか。
これは、汚れが溜まったフィルターから温風が送られることなどによって起こるのですが、オイルヒーターは空気や風を排出して部屋の温度を上げる暖房器具ではありません。
そのため、空気が乾燥したり、汚れたりすることが起こりにくく、体調面への影響が気になる方に適しているといえるでしょう。
オイルヒーターは風を送らないため、運転音が静かな特徴があります。静音性に優れており、寝室に置いても気にならないでしょう。
使いはじめは「パチパチ」とした音が出る製品が多いものの、気にならない程度の音量です。音によるストレスを感じやすい方にとって、オイルヒーターは適した暖房器具といえるでしょう。
オイルヒーターは機器本体の中にあるオイルを電気で温めて放熱しますが、温められるオイルはずっと使えます。そのため、基本的にオイルの交換・補充は必要ありません。
暖房器具の中には定期的な燃料交換やメンテナンスが必須となる製品があります。燃料交換をせずにそのまま使い続けられる点はオイルヒーターのメリットといえるでしょう。
ただし、パネルの部分にはほこりが溜まりやすく、放っておくと火事や不具合につながることがあります。適度に最低限の掃除は行うようにしましょう。
オイルヒーターは火を使わず電気の熱によって部屋を暖めるため、安全性が高い暖房器具といえます。
触れると火傷をしてしまう恐れがあるストーブだと、小さなお子さまがいる家では心配でなかなか目が離せないという状況になりがちです。
一方で、オイルヒーターは使用中でも表面の温度は電気ストーブほど高くならないため、触れても火傷をする恐れがあまりありません。
しかし、ずっと同じ箇所を触っていたり、オイルヒーター本体が転倒したりすると怪我や事故につながる可能性があります。また、ほかの製品と同一のコンセントから電源を取ったり衣類を被せたりすると、火災や故障につながりかねないため注意が必要です。
オイルヒーターほかの暖房器具に比べると消費電力が大きくなりがちです。例えば、オイルヒーターを1日8時間稼働させると電気代は約128円~296円、1ヵ月(30日)使用すると約3,840円~8,880円です。
本格的な冬を迎えると運転時間が長くなりやすく、電気代も高くなってしまうでしょう。
オイルヒーターは自然な暖かさを感じられるメリットがある一方で、暖まるまでに時間がかかります。
例えば、忙しい朝や外出から帰ってきて早く暖まりたいときは、セラミックファンヒーターのように即暖性がある暖房器具を併用するのも1つの方法です。
タイマーモードを搭載したオイルヒーターであれば、計画的に部屋を暖められるため、購入時にどのような機能が搭載されているか確認しておくとよいでしょう。
オイルヒーターは部屋が暖まるまでに時間がかかるため、換気をしてしまうと部屋の温度が下がってしまい、再び暖かい状態にするために時間を要してしまいます。
オイルヒーターはほかの暖房器具と比べて空気が汚れにくく、火を使わないため一酸化炭素中毒のリスクはありません。空気の入れ替えをしたい場合は、頻繁に行わず最低限に抑えるとよいでしょう。
オイルヒーターについて、特徴とともに電気代の目安や節電のヒントなどを紹介しました。
設定温度を低くしたり、エコ運転モードやタイマーを活用したりすれば、運転時の電気代を抑えられます。また、余熱が続く特性を活かして、電源を切るタイミングに気を付けることも電気代を抑えるうえで効果的です。
家の中にある電化製品の電気代を知ることは、電気の使い方を見直すきっかけにもなります。オイルヒーターの暖房器具としてのメリットや注意点を知り、さらに賢く節約しながら使用し、快適な時間を過ごしてください。