公開日:2018年1月17日
更新日:2024年11月8日
寒い時期に使用する場面が増えるエアコンの暖房機能ですが、気になるのが電気代です。エアコンは、室内全体を暖めてくれる便利な暖房器具です。しかし、昨今は電気代が高騰しているため、家計へ与える影響も大きくなります。
今回は、エアコンを暖房運転したときにかかる電気代の目安や、節約できる使用方法などを解説します。エアコンと併用しやすい暖房器具も紹介するので、参考にしてみてください。
一般的な製品の消費電力を参考にすると、エアコンを暖房運転したときにかかる電気代の目安は、1時間あたり3円~34円程度です。ただし、立ち上げ時には2,000Wほどの電力を消費する機種もあります。
ここで、ほかの暖房器具と電気代を比較してみましょう。
電気代の計算式は「消費電力(W)÷1,000×使用した時間(h)×料金単価(円/kWh)」。料金単価は電力料金の目安単価とされる31円/kWhを使用しています。
暖房器具 | 消費電力の目安 | 電気代の目安(1時間) |
---|---|---|
エアコン(暖房) | 100W~1,100W (立ち上がり時2,000W) |
約3円~34円 (立ち上がり時約62円※) |
オイルヒーター | 500W~1,200W | 約16円~37円 |
電気ストーブ(ハロゲンヒーター) | 180W~1,000W | 約6円~31円 |
セラミックファンヒーター | 600W~1,250W | 約20円~39円 |
ホットカーペット | 200W~330W | 約6円~10円 |
こたつ | 300W~600W | 約9円~19円 |
機種や条件にもよるものの、やはりエアコンの電気代は比較して高めな傾向があります。
続いて、エアコンの電気代を節約できる上手な使い方のポイントを紹介します。
エアコンの電気代を抑える方法を知り、実践すれば家計を楽にできます。具体的な方法を解説するので、エアコンを暖房運転する際に意識してみてください。
環境省は、暖房をかけているときの室温を20℃程度にすることを推奨しています。
そのため、エアコンを暖房運転する際には、室温が高くなり過ぎないよう確認しながら温度設定をすると良いでしょう。
外気温度が6℃のとき、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合、年間で約1,650円の節約効果を得られます(使用時間は1日あたり9時間)。また、暖房の設定温度を1℃低くすると、ひと冬で約1,430円の節約につながります(ひと冬を169日、使用時間は1日あたり9時間として計算)。
ただし、エアコンの設定温度を20℃に設定したからといって、室温が20℃に保たれるわけではありません。エアコンに搭載されているセンサーが、室温を検知して運転しているためです。
また、体感温度は人それぞれ差があります。「エアコンの設定温度=室温」とは限らない点に注意し、20℃前後で最適な設定温度を探ってみてください。
エアコンの運転時間を抑えられれば、電気代の節約につながります。必要なときだけ運転させる習慣を身につければ、季節に関係なく電気代を節約できるでしょう。
設定温度20℃のエアコン(暖房時)の運転時間を1日1時間短縮した場合、年間で約1,260円の節約効果を得られます。
例えば、日が差す日中は意識的に運転を控えたり、就寝中にタイマー機能を用いたりすると運転時間を減らせます。快適さを損なわない程度に、エアコンの運転時間を減らす工夫をしてみるとよいでしょう。
フィルターにホコリが詰まっていると、風量が弱くなり運転効率が悪化します。運転効率が悪くなると部屋を暖めるまでに時間がかかり、電気代が高くなってしまうため注意しましょう。
フィルターの目詰まりを解消すると、暖房効率が上がり消費電力を約6%削減できるといわれています。
また、フィルターが目詰りしているエアコン(2.2kW)とフィルターを清掃したエアコンを比較すると、後者のほうが年間で約990円電気代が安くなります。
一般家庭でフィルター掃除を行う際には、掃除機で付着しているホコリを吸い取り、中性洗剤に浸した雑巾で拭きましょう。2週間に1回程度を目安にフィルターの掃除をすると、電気代を抑えてエアコンを使用できます。
室外機の周りを掃除・整頓することも、電気代を抑えるうえで効果的です。
例えば、風の強い日や台風が過ぎたあとは、室外機の周りにホコリや落ち葉などのごみが溜まりがちです。こまめに室外機の周りを確認して、必要に応じて掃除をしてみてください。
また、室外機のまわりに物を置くと、熱交換の効率が下がり消費電力が増えます。整頓して室外機周辺の風通しをよくすれば、電気代を抑えられます。
他にも、積雪地帯に住んでいる方は、室外機が雪に埋もれないように注意する必要があります。
カーテンを使用すると、室内の暖気を閉じ込め、冷たい外気が室内に入るのを防げます。厚手で床まで届く長さのカーテンを使用すると、より暖気を閉じ込める効果が高まるでしょう。
室内を暖かく保てれば、エアコンの設定温度を下げても快適に過ごせるため、電気代の節約につながります。また、カーテンに加えて、窓に断熱シートを貼るとより効果的です。
寒い冬でも快適な室温を保つために、エアコンと併用すると暖房効率が上がっておトクになる家電を紹介します。
サーキュレーターを併用すれば、暖かい空気を室内で循環させることが可能です。風の直進性が強く遠くまで風を届けられるため、有効活用すれば室内の温度を均一にできるといわれています。
暖かい空気は天井付近に溜まりやすい性質があるため、サーキュレーターを上向きの状態で運転するとよいでしょう。暖かい空気を循環させ、室内全体を暖かくできれば、エアコンの設定温度を下げても快適な室温を維持できると考えられます。
なお、サーキュレーターがないご家庭は、扇風機でも代用可能です。暖かい空気を循環できる位置にサーキュレーターか扇風機を設置し、意識的にエアコンの設定温度を下げると電気代を節約できるでしょう。
こたつの電気代は暖房器具の中でも比較的安いため、家計全体の電気代を抑える際に役立ちます。
こたつで下半身の暖を取りつつ、上半身は多めに上着を着込めば、エアコンの運転時間や設定温度を抑えられます。また、こたつは暖まるまでの時間が短いため、エアコンだけを運転して室内全体が暖まるのを待つ必要がなくなるでしょう。
ホットカーペットは、足下を効率よく暖められる暖房器具です。暖かい空気は上に溜まる性質があるため、足下の冷えが気になる方はホットカーペットを活用すると、快適に暖を取れます。
なお、家族の人数や使用する場所などに合った大きさの製品を選ぶと、余計な電気代を抑えられます。あわせて、断熱シートやひざ掛けを使うと、設定温度を低くしても暖かさが逃げません。
足下を暖めるときはホットカーペット、部屋全体を暖めるときはエアコンという使い分けをして、節電に取り組みましょう。
セラミックファンヒーターは、狭い場所を局所的に暖められる暖房器具です。玄関や浴室、脱衣所などの狭い空間で有効活用できるでしょう。
また、セラミックファンヒーターは起動してから短時間で暖かい空気が出るため、素早く暖を取れます。
例えば、エアコンを起動して部屋全体が暖まるまでのつなぎとして、セラミックファンヒーターを使用する方法が考えられるでしょう。
エアコンは、ほかの暖房器具と上手に組み合わせると大きな節約効果を得られます。
室温20度前後を維持できるよう設定温度を決め、必要なときだけつける意識を持てば電気代を抑えられるでしょう。また、フィルターの掃除や室外機の整頓なども効果的です。
家族構成や部屋の広さ、場面に応じてエアコン以外の暖房器具の使用も検討しましょう。それぞれの暖房器具が持つ強みを活かし、エアコンの節電につながる使い方を意識してみてください。