Alibaba Cloud、AWS、Azure、Google Cloud のコンテナサービスを実際に使ってみました(前編)

2022年7月8日掲載

キービジュアル

前回のブログ「コンテナってなに?Alibaba Cloud、AWS、Azure、Google Cloud のコンテナサービスを比べてみました」にて、コンテナ技術の紹介や4大パブリッククラウド(Alibaba Cloud、AWS、Azure、Google Cloud)のコンテナサービスの料金や特徴を比較してきました。

今回は実際に各クラウドサービスのコンテナサービスを触って、コンテナにインターネット向け一般公開のテストサイトを立ち上げる手順を通して、その特徴を紹介していきたいと思います。

前編では、Alibaba Cloudと、AWSのコンテナサービスについて紹介します。

目次

  • 本記事では、Alibaba Cloud、AWS、Azure、Google Cloud のコンテナサービスを使う手順を通して、その特徴を紹介していきます。
  • 前編ではAlibaba CloudとAWSを取り上げます。
  • 各クラウドのコンテナサービスに違いがあるか分からない方向けの入門記事です。

はじめに

4大クラウドそれぞれについて、httpd オフィシャルイメージを利用したデプロイ方法の操作手順を紹介し、コンソールのわかりやすいさや特徴を比較してみます。

4つのサービスを1つの記事では紹介しきれないため、前編と後編に分けて、前編は、 Alibaba Cloud、AWS、後編では Azure、Google Cloudを紹介します。

Alibaba Cloud のコンテナサービスを使ってみる

Alibaba Cloud のコンテナサービス製品名は Elastic Container Instance(ECI) です。Alibaba Cloud では kubernetes クラスターも提供していますが、クラスターを作成しなくても ECI 単体で動かせる特徴があります。

 

ECI の公式サイト

https://www.alibabacloud.com/product/elastic-container-instance

 

さて、ECI コンテナを作成しましょう。

1.コンソールにログイン後に、ナビゲートからECI製品を選択します。

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2. ECIコンソールで、[Buy now]をクリックします。

3.購入ページでコンテナを所属させる VPC、Vswitch を選択します。

4.ECI のスペックを選択します。今回の検証ではデフォルトの「2vCPU+4GB」にします。

5.コンテナ用のイメージを選択します。今回の検証では httpd のオフィシャルイメージを使用します。バージョンは 2.4.10 にします。

httpd docker公式サイト

https://hub.docker.com/_/httpd

(イメージ選択後に利用可能なバージョンが自動的にリストアップされるのが便利ですね)

6.「Next Other Settings」をクリックします。

ポイント:「Next Other Settings」をスキップすることができますが、オフィシャルイメージの利用も、外部からのアクセスも「Next Other Settings」での EIP 取得が必要です。

7.「EIP」の取得方法を「Auto Create」にします。

8.作成内容を確認し、問題なければ「confirm order」をクリックします。

9.作成成功しました。「Console」ボタンをクリックして、コンソールに戻ります。

10.しばらく経つと、コンテナが実行中になりました。

11.ECIのパブリックIPにアクセスすると、テストサイトが表示されました。

12.ECIが Running 状態にも関わらず、パブリック IP でテストページが開けない場合、ECI 所属のセキュリティグループに80番ポートが開放されてない可能性がありますので、チェックしましょう。

AWS のコンテナサービスを使ってみる

AWS において、Alibaba Cloud の ECI に該当する製品は Fargate ですが、ECI と違って Fargate 単体を作成することができず、ECS か EKS クラスターとして作成する必要があります。

 

Fargate の公式サイト

https://aws.amazon.com/jp/fargate/

 

引き続き、AWS にもコンテナを作成しましょう。

1.今回の検証は ECS を使いますので、Elastic Container Service を選択します。

2.「今すぐ始める」をクリックします。

3.オフィシャルイメージを指定したいので、「custom」を選択します。

4.「コンテナ名」を「httpd」にし、「イメージ」を「httpd:2.4.10」に指定します。

5.タスク定義をデフォルトのままで「次へ」をクリックします。

6.「ロードバランサー利用しない」指定して、「次へ」をクリックします。

7.クラスター名は「default」のままで、「次へ」をクリックします。

8.作成内容を確認し、「作成」をクリックします。

9.全項目の「サービス準備」が完了するまで待ちます。完了後に「サービスの表示」をクリックします。

10.タスクが Running 状態になるまで待ちます。

11.「タスク名」をクリックすると、詳細が表示されます。

12.詳細のネットワーク部分の「パブリックIP」にアクセスすると、テストサイトが表示されます。

まとめ

いかがでしょうか、ブログではコンテナ作成の所要時間が伝わりづらいですが、Alibaba Cloud も AWS も作成開始からテストサイト表示できるまで3分かかりませんでした。素早く構築可能なのはコンテナの特徴ですね。

Alibaba Cloud の ECI 作成は仮想サーバ作成に近い感じです。ネットワーク環境(VPC、Vswitch)やスペック(vCPU、メモリ)をユーザ側で指定します。

ECI で一番優れている機能は、イメージの選択方法です。オフィシャルイメージまで GUI で検索できて、イメージ指定後に全バージョンも自動リスト化で表示されます。AWS の方は事前にイメージとバージョン情報を控える必要があります。

ただ、混乱しやすいのは EIP 付与がオプションになりますが、付与しないと外部からのアクセスはもちろん、オフィシャルイメージの取得も実は EIP 経由になりますので、オフィシャルイメージを選択する際に同時にEIP付与のリマインドもあった方が親切かもしれません。

AWS の方は、ガイドモードを利用して ECS クラスターを作成する場合、イメージの指定以外、全部デフォルト値のままでもクラスターを作成することができます。

また、セキュリティグループのポート開放や、EIP 取得を考慮する必要がなく、かなり便利です。

一方で、自動設定が多く便利な半面、ガイドモードだと「不要」という選択肢がなく、またクラスタに既存のVPCを利用できず、必ず新規VPC作成になります。

 

Alibaba Cloud

AWS

コンテナ製品名

ECI

Fargate

コンソールのわかりやすさ

直感的に操作可否

起動まで所要時間

約36s

約60s

作成ステップ数

3

4

最小設定項目数

3(VPC, Image, EIP)

1(Image)

特徴

・コンテナ起動が速い

・イメージをGUI選択可能

・ガイドモードあり

・テスト構築に必須な設定

 項目が少ない

次回は

コンテナサービスを実際に使ってみるテーマの前編として、Alibaba Cloud と AWS を検証しました。

各クラウドの仮想サーバに共通点が多いと違って、各クラウドのコンテナサービスは、コンソールの構成や、提供形式などさまざまです。次回は後編として Azure と Google Cloud を検証していきたいと思います。

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