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皆様、こんにちは。
Google の Vertex AI Agent Builder では独自のデータを使用した検索アプリを作成することができます。詳細については「Vertex AI Search で各種データを投入し精度検証してみた」をご覧ください。
Agent Builder のログはアプリ内の設定で BigQuery に出力することができます。
今回は、Agent Builder のログを BigQuery に出力し、そのログデータを Looker Studio で可視化してみました。
アプリが利用された日時や使用中のモデル、ユーザーが投げたプロンプトおよびその回答を Looker Studio で確認できるようにします。
設定手順は下記のとおりです。
Agent Builder の BigQuery Export 設定
出力されたログデータの確認
Looker Studio で Agent ログを可視化
まずはログデータ出力用の BigQuery テーブルを作成します。
任意のプロジェクトの BigQuery にアクセスし下記クエリを実行します。
データセットが未作成の場合は、データセットの作成を先に行ってください。
CREATE TABLE <your_dataset_name>.<your_table_name>(
project_id STRING,
agent_id STRING,
conversation_name STRING,
turn_position INTEGER,
request_time TIMESTAMP,
language_code STRING,
request JSON,
response JSON,
partial_responses JSON,
derived_data JSON,
conversation_signals JSON,
bot_answer_feedback JSON
)
PARTITION BY
DATE(request_time)
クエリ実行後、空のテーブルが作成されます。
次に Google Cloud コンソールから [Agent Builder] にアクセスし、任意の作成済み エージェントアプリを開きます。
[Setting] > [Logging] にアクセスしログの有効化と BigQuery Export の設定を行います。
■ Logging settings(ログ設定)
・Enable Cloud Logging :有効化
・Enable Conversation History:有効化
※BigQuery Export を有効にする場合は Enable Conversation History も有効にする必要があります
■ BigQuery export(BigQuery Export 設定)
・Enable BigQuery export:有効化
・BigQuery dataset:Export 用に作成したテーブルのデータセット名
・BigQuery table:Export 用に作成したテーブル名
BigQuery Export の設定を保存した後にプロンプトを投げると、作成したテーブルにアプリのログデータが自動的にエクスポートされるようになります。
BigQuery テーブルに出力されるデータは下記のとおりです。
カラム名 | 型 | 説明 |
project_id | STRING | プロジェクトID |
agent_id | STRING | エージェントID |
conversation_name | STRING | セッションの完全修飾リソース名 |
turn_position | INTEGER | 会話のターン番号 |
request_time | TIMESTAMP | 会話のターンの時間 |
language_code | STRING | 言語コード |
request | JSON | インテント検出リクエスト |
response | JSON | インテント検出レスポンス |
partial_responses | JSON | 部分的な回答(該当する場合) |
derived_data | JSON | この会話ターンの追加のメタデータ |
conversation_signals | JSON | NLU 関連の分析データ |
bot_answer_feedback | JSON | フィードバック回答 |
JSON 型の request や response の中にプロンプトや回答内容、モデル情報など詳細なデータが含まれています。
アプリのログがたまった BigQuery テーブル を Looker Studio と接続してアプリのデータを可視化していきます。
Looker Studio にアクセスし、コネクタとして BigQuery を選択します。
アプリを利用したユーザーやプロンプトの内容、それに対する回答をダッシュボードに表示したい場合、JSON 型のままでは Looker Studio でデータを表示することができません。
そのため JSON データの中から可視化に必要なデータを抽出するカスタムクエリを使用してデータソースを追加します。
今回は JSON データからのデータ抽出に JSON_EXTRACT_SCALAR 関数を使用しました。その他の関数についてはドキュメントを参照してください。
データソースを追加したので可視化をしていきます。
今回はシンプルにログデータを表形式で見られるようにしました。
誰がいつどのような質問をしたのか、その質問に対してどのモデルを利用してどんなレスポンスを得たのかを見ることが可能です!
上記のダッシュボードで確認できる項目は下記のとおりです。
項目 | 説明 |
日時 | プロンプトが投げられた日時 デフォルトはUTC時間のため適切な時間に変更する必要があります |
プロジェクト名 | Agent アプリを作成したプロジェクト |
エージェントID | Agent アプリのID 例)a0bc0000-0000-0de0-f000-00g00h000000 |
モデル | Agentアプリで使用されたモデル 例)gemini-pro、text-bison-002 |
チャンネル | Agentアプリの統合先 例)DF_CX_GOOGLE_CHAT は Google Chat DF_MESSENGER はウェブサイト |
スペース名 | Google スペースの名前 統合先が Google スペースの場合にのみ入る |
ユーザー | Agent アプリを使用したユーザー名 |
メールアドレス | Agent アプリを使用したユーザーのメールアドレス |
会話ID | アプリとユーザーのやりとりのID 1回の会話で複数回プロンプトを投げた場合は同じIDが入る |
会話ターン | アプリとユーザー間のやりとりの回数 最初に投げたプロンプトは必ず「1」となり、同じ会話ID内でプロンプトを投げるたびに+1となる ※各会話最大500ターンまでエクスポート可 |
入力 | ユーザーが投げたプロンプトの内容 |
出力 | プロンプトに対する回答 |
いかがでしたでしょうか。
本記事の執筆時点では、アプリの統合先によってユーザーの情報やモデルの情報といったログが取得できない場合もあり、今後の改修に期待したいと思います。
Agent アプリのログを BigQuery にエクスポートし、Looker Studio で可視化する仕組みは簡単に構築できます。
さらに、BigQuery へログを貯めているのでログの保存期間も自由に決められていいですね!
Agent アプリを利用する場合はぜひ BigQuery Export を活用してみてください。
本記事がその一助となれば幸いです。
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