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Challenge to the Human-Centered ASI Strategy of Beyond AI Promotion Office
2025年12月11日掲載
みなさんこんにちは、CIOリレーション室の馬田です。
2025年のソフトバンク アドベントカレンダーも中盤に差し掛かってきましたね!
さて、皆さんはASIという単語を聞いたことがあるでしょうか?
ASIはArtificial Super Interigenceの略で、ASIは人間の知能をあらゆる面で遥かに超える能力を持つAIと言われています。
ソフトバンクでは孫代表がこのASIについてはよく言及をしており、グループ会社一丸となってこのASIの実現を目指しています。
アドベントカレンダー 11日目となる今日は、ソフトバンクと東京大学の共同研究機構「Beyond AI研究推進機構」と関連して、ソフトバンクのBeyond AI推進室が行っているASIに向けた取り組みについて、AIエンジニアであるカーンさんに話を聞いてきたので、紹介していきます!!
今回お話を聞いた人
ソフトバンク株式会社 Beyond AI推進室
Beyond AI 推進課
AIエンジニアとしてBeyond AI連携事業に携わり、AIの学術研究と実用的な応用の両方における橋渡しを担う。
BRAC大学 情報工学科(ダッカ・バングラデシュ)を卒業後来日。電気通信大学 情報理工学研究科の機械翻訳の研究を行い、修士課程/博士課程を修了。
東京のIBMリサーチでの研究科学者、バングラデシュにおけるGoogleの地域エンジニアリングコンサルタントとしてのキャリアを積んだのちにソフトバンクに入社。
主な科学的関心領域は、生成AI、自然言語処理、意味解析、機械翻訳、機械学習等。
本文に入る前に、ソフトバンクと国立大学法人東京大学(以下、東京大学)の産学連携プロジェクト「Beyond AI研究推進機構」について紹介します。
ソフトバンクと東京大学は2020年5月、世界最高レベルの人と知が集まる研究拠点として「Beyond AI研究推進機構」を立ち上げました。
この「Beyond AI 研究推進機構」では、AIの基盤技術研究とその他の学術領域との融合による新たな学術分野の創出や、社会課題・産業課題へのAIの活用を目指して、さまざまなテーマでの研究を推進しています。
これらの研究の成果は現在、ジョイントベンチャーの設立などによっていち早く社会実装・事業化されており、さらなるAI研究の発展とよりよい社会の実現に貢献しています。
それでは本題に入りましょう。
今回のブログは以下の内容がまとまっています。
馬田「早速ですが、Beyond AI推進室ってすごい大きな概念に見えるASIに向けても色々取り組んでいるんですね!お話聞くの楽しみにしています!!」
私たちBeyond AI推進室では、「global-scale innovation(グローバルなイノベーション)」、「direct societal value(社会への直接的な価値提供)」、そして「rigorous industry–academia collaboration(徹底した産学連携)」という三つの柱に支えられた、未来を見据えたASI戦略のもとで活動をしています。
この活動のエンジンとなっているのが、東京大学とソフトバンクが共同で設立した「Beyond AI研究推進機構」です。
Beyond AI研究推進機構では、AIと関連科学分野を統合する基礎研究から、実際の社会・産業課題を解決する応用研究まで幅広く展開しています。研究成果を迅速に社会実装し、新たな合弁事業を生み出すことで、私たちは「ラボでの研究を意味ある社会的インパクトへ」と変革し、日本の、そして世界のAIの未来を切り拓くことを目指しています。
まずは、ASIへの持続可能な道のりを築くため、私たちは「ASIコンソーシアム」を立ち上げました。これについてお話をしましょう。
馬田「ASIについてのコンソーシアム、何をやっているか気になりますね!詳しくお聞かせください!!」
このコンソーシアムは、大規模言語モデル(Large Language Model=LLM)の最前線で活躍する研究者、エンジニア、業界パートナーが、月ごとの勉強会や活発な情報交換を通じてLLMの応用範囲を広げ、実社会への導入を加速させるためのコンソーシアムです。
コンソーシアムで議論された研究テーマは、技術研究組合(Collaborative Innovation Partnership=CIP)として具体化されます。
その中で、私たちソフトバンクが基礎研究から社会実装へと着実に進むためのパイプラインの役割を担っています。LLMが世界中の産業を変えつつある今、私たちはLLMの真の価値を引き出すために立ちはだかる倫理問題や公平性、安全性、計算効率といった重要な課題を研究テーマとして、それをCIPを通して実用化しようと努力しているところです。
馬田「それにしても難しそうな課題が揃ってますね...」
最近ホットな課題としては、現行のLLMモデルの弱点である日本語ビジネス文書の理解という課題ですね。これを克服するために「LAVA(Large Vision-Language Alignment)ベンチマーク」の策定を進めています。
ソフトバンクでは「TASUKI Annotation」の開発チームがデータセットのアノテーション構築に大きく貢献し、LAVAは日本に留まらずグローバルな研究課題へと発展しました。
今年ダブリンで開催されたLAVA Grand Challenge at ACM Multimedia 2025には、米国、中国、ベトナム、日本など26以上のチームが参加し、視覚、レイアウト、自然言語を統合して複雑なビジネス文書を解釈するAIの能力を測る、次世代マルチモーダルアライメントのグローバルスタンダードを確立しました。
図1:LAVA Challengeの参加者
また、国内最高のマシンビジョンに関する会議であるMIRU 2025でも研究成果を発表しました。
学術的な連携を深めつつASIのロードマップにLAVAも組み込むことができたと思います。
図2:MIRU2025の出展風景
馬田「ホットな話題といえば、そういえばカーンさんは今年の大阪万博にも仕事で行かれてましたよね?」
そうですね!私は、大阪・関西万博でサウジアラビア王国主催の「Learning and Playing Week」コーナーにおいて基調講演をさせていただきました。テーマは「ゲーミフィケーション:未来の展望」です。
私の講演では、AIとゲーミフィケーションが、学習者一人ひとりが「生きがい」を発見できるよう支援することで、教育をいかに変革できるかについてお話しました。LLMベースの家庭教師とパーソナライズされた学習経路を組み合わせることで、私たちは個々の強み、目標、好奇心に適応する教育システムを設計できるのです。
講演の中では、ソフトバンクのAI学習プラットフォーム「Axross Recipe」もご紹介しました。Axross Recipeは、ゲーミフィケーションを活用することで、あらゆる背景を持つ人々がAI教育にアクセスできるように設計されています。
目的ファーストのAI駆動型の学習環境が、未来の世代のやる気に火をつけ、力を与えることを強調しました。
講演の動画は「Dr. Khan Md Anwarus Salam, SoftBank in World EXPO 2025, Osaka」(Youtube)で見れますので、ぜひご覧ください!
図3:大阪・関西万博で講演するカーンさん
図4:サウジアラビアパビリオンの講演者の皆様
馬田「万博で講演ってかっこいいですね...!万博ってやっぱり多くの国から人がやってくるので、その影響力たるや...。」
万博会場での講演だけでなく、万博のために来日中の世界的な専門家をソフトバンクに招いて「AI時代におけるデジタルウェルビーイングに関する学際的研究セミナー」も開催しました。Beyond AIやソフトバンクの社内部活動である国際文化交流クラブ(ICE)の紹介とともに、AI社会でのデジタルウェルビーイング維持の課題と解決策を探りました。
国際文化交流クラブ(International Cultural Exchange Club)
社内部活動がさかんなソフトバンクには「国際文化交流クラブ」というクラブ活動が存在します。
あらゆる国籍、年齢、文化背景を持つ従業員が参加しており、クラブ活動の内外で交流しつつ互いをサポートし合えるインクルーシブな空間としても機能しています。
今年の社員向けファミリーデー(社員の家族や友人を会社に招待できるイベントの日)では、初の多文化体験イベントを開催。アルゼンチン、バングラデシュ、中国、日本、韓国、ベトナムの6カ国出身の社員がそれぞれブースを出展しを巡り、参加者は現地の言葉で挨拶をして「ワールドパスポート」にスタンプを集めるという、楽しくインタラクティブな企画を実施しました。このように、クラブ活動を通して社内での多様な文化への意識を高め、異文化間コミュニケーションを強化しつつ、インクルーシブな雰囲気づくりに貢献しています
ASIコンソーシアムのもう一つの重要なミッションとして、人材育成にも取り組んでいます。
現状では、LLMの研究開発には膨大なデータセットと計算資源が必要で、小規模チームでの参入が難しいです。
そこで、ASIコンソーシアムが計算資源やデータセット、共有の専門知識をBeyondAIの各研究室に提供することで、日本のASIの未来をリードする次世代のAIビルダーを育成しています。
加えて、Beyond AI推進室では、今年も孫正義育英財団の子供達をはじめとした若い世代の学生に向けたワークショップを多数実施しました。
馬田「孫正義育英財団の子供達ってめっちゃ優秀な方々ですよね!どんなワークショップをされたんですか?」
孫正義育英財団の皆さんには、夏季プログラムの一環としてのワークショップを担当させていただきました。
今年のワークショップでは、彼らが助けたい人々や問題を探求し、それらの課題を解決するための独自のGPTモデルを設計しました。ちょうどソフトバンク社員が全員100個エージェントを作成する時期に実施したので、すが、ソフトバンク社員の作るエージェントに負けず劣らずのGPTを発表されていました。
国境を越えた議論の末に生まれた、彼らの創造性と洞察力。まさに感動的でした...!
孫正義育英財団以外にもワークショップを提供しています。
例えば神山まるごと高専の学生たちも、毎年ソフトバンクを訪れています。
今年のセミナーでは、彼らが将来の日本のASIエコシステムに積極的に関わってもらいたいという願いも込めて、最先端のインフラとBeyond AIでの最新研究を紹介しました。
彼らの新しいアイデアを驚異的なスピードで吸収する才能には毎年感銘を受けています。今回のセッションで刺激を受けてASIを実現させる側になってくれたら嬉しいですね。
京都産業大学では、AI研究の最先端と課題について解説するセミナーも行いました。
理系・文系問わず多くの分野の学生が参加し、「現在のAIの限界は何か?」「なぜその限界が存在するのか?」「次に追求すべき研究方向は?」といったテーマで活発な議論が交わされました。この議論を見ているとASIが単なる「技術のフロンティア」ではなく、「社会的なフロンティア」であることがわかり、さらに頑張らないとなと思いました。
馬田「学生さんもASIに向けて前向きに取り組んでくださってるんですね!私もてっきり自分たちだけかと思ってたので、ちょっと嬉しいです」
馬田「最後に、これを読んでくださっている方に一言をお願いします!」
AIの時代は「共感」、「インクルージョン」、「人間の幸福」の上に築かれるべきだと私は強く信じています。私たちの「人間中心のASI」に向けた取り組みは、技術の進化で人間の価値を技術に置き換えるのではなく、技術で人間を強化することを目指しています
ASIの構築は、単なる科学的な進歩ではなく、社会全体の変革です。
LAVAのようなグローバルな研究指標の創出、若きイノベーターの育成、デジタルウェルビーイングへの配慮まで、Beyond AI推進室での活動はすべて、パワフルで、倫理的で、そして深く人間中心のASIを構築するというソフトバンクの強いコミットメントを映し出しています。
責任あるASIとは何か。その定義を世界に示し、リードする立場に日本はいます。
この壮大な旅は、まだ始まったばかりです!
馬田「カーンさん、お話いただきありがとうございました!社会を変革するようなASI実現までの道のりはまだ長く見えますが、来年も頑張っていきましょう!!」
いかがだったでしょうか?
単に技術の変化なだけでなく、社会を変化させるASI。
ASIに向けた活動はBeyond AI以外でもされているので、色々な場所で動向にも注目しなければですね!
それではまた次の記事でお会いしましょう!!
アドベントカレンダー 11日目の記事もおたのしみに!
本記事の著者
ソフトバンク株式会社
CIOリレーション室
2022年度ソフトバンク新卒入社。初期配属ではサイバーセキュリティ本部に本務を置き、社内の情報漏洩防止の観点でのセキュリティ向上を業務としつつ、2023年7月より社内副業制度にてAI戦略室/Beyond AI推進課、同11月よりDE&Iテーマ別WG事務局、2025年2月からは人事総務本部と、多くの組織を兼任。
Beyond AI推進課では、東京大学との共同研究機構「Beyond AI研究推進機構」にて学生向けのイベント/グローバルインターンシップ企画、DE&I WG事務局では、ソフトバンクのエンジニアが「どのようなマイノリティ属性を持っていようと働きやすい環境」を目指し、各WGによる企画の実行支援や、DE&I推進室/人事本部との連携を担い、人事総務本部では新卒社員研修で1クラス42人分の担任チューターを受け持った。
2025年10月よりジョブポスティング制度にて現職へ異動し業務を一本化。
CIOである牧園専務のもとで、対外発表資料作成やグループ会社の統制等CIOと社内外の各ステークホルダとのリレーション構築をサポートしている。
業務外で興味のある分野は、モビリティ分野の自動運転や自動操縦、IoT分野を用いた第一次/第二次産業のDX、地方活性化など。
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