製造業におけるデータ活用方法

2021年10月18日掲載

製造業におけるデータ活用

前回のコラムでは、リアルタイム分析について、その基本的な考え方のおさらいから、従来のバッチ処理分析との違い、そしてリアルタイム分析を簡単に実現するAlibaba Cloudプロダクトの活用方法について解説しました。

今回のコラムでは、それらのプロダクトを活用した具体的なユースケースとして、製造業におけるデータ分析の課題と、解決策をご紹介します。

目次

製造業におけるデータ活用のよくあるお悩み

製造業におけるデータ活用において、以下のような課題をよく伺います。

課題①:データが大量であるため頻繁な更新ができず、可視化が遅延する
課題②:①により稼働状況をリアルタイムに把握できず、作業工程が調整できず最適化されない
課題③:目視作業が残るため、人によって作業にばらつきがでたり、人員の最適化ができなかったりする
課題④:故障や障害、誤差の原因特定に時間がかかる

製造業におけるデータ活用でよくあるお悩み

リアルタイム分析ソリューションによる解決策

Alibaba Cloudのリアルタイム分析ソリューションを活用することで、これらの課題を解決し、業務効率や生産性を向上させることが可能です。

Alibaba Cloudを活用することで、お客様が持つ多様多種なデータをリアルタイムで連携・収集・処理し、可視化を行うことができます。具体的にみていきましょう。

課題①:データが大量であるため頻繁な更新ができず、可視化が遅延する
解決策:リアルタイムKPI可視化

事務フェーズ、調達フェーズ、生産フェーズそれぞれのデータをリアルタイムで可視化することにより、受注管理、生産計画、出庫指示、出荷管理を含めた全体の流れを俯瞰的にチェックする事ができます。

課題②:稼働状況をリアルタイムに把握できず、作業工程が調整できず最適化されない
解決策:リアルタイム在庫管理・予実管理

リアルタイム処理のため、店舗・営業-事務所-工場-調達先といった部門や距離の垣根を超えて、情報を連携できます。進捗状況や在庫の可視化、問題箇所の早期発見、総じて計画の合意形成や管理がスムーズになります。

課題③:目視作業が残るため、人によって作業にばらつきがでたり、人員の最適化ができなかったりする
解決策:リアルタイム診断・予知保全

生産工程にて取得したデータやライブイベントを活用し、メトリクスに対しリアルタイムでABテストを繰り返し実施することが可能です。翌日を待たずに障害や不良品を検出、素早い対処をすることができます。

課題④:故障や障害、誤差の原因特定に時間がかかる 
解決策:リアルタイム・コリレーション分析

Logから故障や障害、誤差が発生するパターンを検出し、故障や障害の早期発見を支援します。これまでの経験に依存しない様々な観点でデータ分析から、不良品抑制に向けた取り組みや要因特定がリアルタイムで実現できます。

リアルタイム処理プロダクトサービス

往来型の分析システムとリアルタイム分析の違い

では、これらのリアルタイム分析は、従来システムとどう違うのでしょうか。

  • データ収集
    まず、データ収集のフェーズにおいて、従来型の分析では、格納処理のためにデータを整形してから格納したり、格納のために3rdサービスを使ったりするケースがあります。
    しかしリアルタイム分析では、他社製品・クラウドを含め、整形不要でそのまま格納が可能となります。
  • データ処理/可視化
    次にデータ処理/可視化フェーズにおいて、従来型の分析では、バッチベースのためワークフローが遅く、また日によってデータ量が変動するため、いつ処理が終わるかが不明で、不安定です。
    また、可視化のためにインフラクチャ・サービスを複数に跨ってそれぞれ処理するため、結果コストが増加してしまうケースもあります。
    さらに次のバッチ処理が入ってくるまでの間ダッシュボードに表示されてるデータは古い状態となってしまいます。 しかしリアルタイム分析では、大量データのストリーミングしながら、Elasticsearch - Kibanaで即可視化が可能です。
    全て直接接続およびリアルタイムで処理するため、ワークフローや処理遅延なく、新しいデータが入ってきたら即可視化をサポートします。

リアルタイム分析によって実現できる未来

上記のようなメリットを持つAlibaba Cloudのリアルタイム分析だからこそ、実現できる未来があります。 一例を以下に挙げて見たいと思います。

①データベースコストの削減
ソフトウェアライセンス料金の削減とソフトウェアの実行に必要なハードウェアの削減により、コスト節約を実現できます。

②ハードウェアの問題を削減
クラウドかつSLA99.9999%により、ビジネスに直結するクリティカルな障害を回避することができます。

③従業員の生産性向上
データが入ってからレポート作成とデータマイニングの時間が数分に短縮することで、工数削減を達成することができます。

④より迅速な意思決定
先行の「結果反省型」ではなく、過去の経験やそれらに基づくアイデアで今を即可視化することで、より迅速な意思決定が可能となります。結果として、製品・サービスの品質向上へと繋がります。

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リアルタイム分析ソリューションのメリット

Alibaba Cloudのリアルタイム分析ソリューションは、大きく3つのメリットがあります。

メリット①:Alibaba CloudのElasticsearchはAWS Elasticsearchの1/3のコストでありながら、3倍以上のパフォーマンス発揮ができます。

メリット②:オンプレミスやマルチクラウドに対応。柔軟な構成を実現します。

メリット③:中国最先端のAIソリューションと連携により、他社サービスでは実現できない高度な分析や可視化の提供ができます。

ソフトバンクがAlibaba Cloudのリアルタイム分析ソリューションを提供する事のメリットとしては、以下の3つのメリットがあります。

メリット①:お客様の様々なネットワークシナリオに対する実績豊富なエンジニアが、SmartVPNやCENなどを使いつつ、お客様の工場・拠点のネットワークをシームレスに集約、可視化します。

メリット②:Elasticsearchによる目視チェックの自動化を実現します。例えば不良品検知などの自動化ができます。

メリット③:Alibaba Cloud、そしてElasticsearchのスペシャリストメンバーによるコンサルティングや手厚いフォローを実現します。

最後に

本コラムでは、製造業におけるAlibaba Cloudのリアルタイム分析の活用方法をご紹介しました。具体的なプロダクトの紹介や、実際のデモ画面はこちらのコラムに掲載していますので、ぜひご覧下さい。

大原 陽宣

ソフトバンク株式会社 法人事業統括
クラウドエンジニアリング本部 PaaSエエンジニアリング統括部
プリセールス部 プロダクト技術2課

2019年からSBクラウドにJoin。収集、分散処理、ETL、検索、分析、機械学習基盤の構築、運用等を経て、現在分散系をメインとしたビッグデータとデータベースを得意・専門とするデータエンジニア。最近は異世界シリーズの小説や漫画にハマっています。

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