Future Stride

企業のデータの8割は管理できていない!?
データをスマート化するストレージ「Cohesity」

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多くの企業がデータを資産として捉えているなかで、その利活用に成功している企業はまだ数えるほど。その要因のひとつに、膨大なデータを管理しきれていないことがある。本来、重要なビジネスインサイトを導き出す可能性のあるデータが、ストレージに放置されているために無用の長物となっている。ではもし、ストレージがデータの適切な管理までしてくれるとしたら――。

シリコンバレーに本社を置くCohesityは企業のデータを一元管理するプラットフォームを提供する。同社CEOのMohit Aron氏はGoogleを経て、ハイパーコンバージドインフラベンダーのNutanixの創業・CTOを務めたインフラのスペシャリト。

2019年、CohesityとソフトバンクはCohesity Japan株式会社を設立し、日本に向けてサービス展開していくことを発表した。Cohesity Japan株式会社・東氏と、同サービスのソフトバンクへの導入に携わった山根氏に話を伺い、Cohesityがもたらすインパクトについて考察していく。

Cohesity Japan株式会社
営業本部
シニアSEマネージャー
東 一欣
ソフトバンク株式会社
テクノロジーユニット
IT&ネットワーク統括IT本部
担当課長
山根 研一

企業が保有するデータは肥大化し、断片化、多重化が進んでいる

Cohesityは企業におけるデータの課題を「マス データ フラグメンテーション(mass data fragmentation:膨大なデータの断片化)」と指摘する。企業が保有するデータは肥大化し続けているだけでなく、断片化や多重化も進んでいることを意味している。

ストレージに格納されたデータを、普段ユーザが意識することはあまりない。しかし企業の資産であるデータを管理するには、信頼性や安全性だけでなく、ビジネスや経営への利活用も含めて検討する必要がある。それが断片化や多重化を起こすとどうなるか。

例えば分析のためのデータ複製。現状ではシステム負荷軽減のため、各種データソースから分析用システムへデータを複製して使う。ここでデータの断片化や多重化が発生する。ストレージという有限の箱に、同じデータがいくつも部分的に複製され、それぞれ別の目的で使われる。複製が増えれば増えるほどストレージを消費し、運用コストを高めることにつながる。

近年ではデータ格納場所の分散化も進んでいる。企業のデータ格納先は自社サーバだけではなく、用途に応じてクラウドの併用も増えてきている。データが社内と社外で散在するため、どこに何があるか把握が困難になり、バックアップなどの運用管理を複雑化させている。

Cohesityの独自調査によると、企業が保有するデータのうち、万全に管理されているものは全体のわずか2割。それ以外の約8割には先述した分析のために複製されたデータなども含まれ、形式も格納場所もまちまちだ。企業の重要ではないデータは管理の死角となり、気づかぬうちに断片化や多重化が進む。これがTCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)増大を招き、データ有効活用の妨げにもなっている。

Cohesityの
スマート データ マネージメント プラットフォームとは

こうした課題解決をミッションとして掲げているのがCohesityだ。企業が保有するあらゆるデータを一元管理し、データの保護も有効活用も可能な、スマート データ マネージメント プラットフォームを提供する。基本的にサブスクリプションと容量課金で提供される。

Cohesityのソリューションは複数のプロダクトやサービスから構成される。主要な要素となるのがデータ管理基盤「Cohesity DataPlatform」とデータとアプリケーションを一元管理する「Cohesity Helios」だ。前者はデータ管理の土台で、後者はデータ管理の管制室をイメージするといいだろう。

特長1:エンタープライズ向けの強力なストレージ

企業の大切なデータを保存するためにデータ管理基盤として最新鋭の機能が実装されている。例えば、追加できるクラスタのノードやブロック数には制限がなく拡張性に優れている。データの耐障害性や整合性、強力なデータ暗号化機能などデータを安全に保護するための機能も豊富だ。またソフトウェアアップグレード、ノードやブロックの追加・削除などの保守作業はオンラインで実施できるため、高い可用性を維持できる。

特長2:データ管理のTCO削減

Cohesityの管理画面
画面右上の『ストレージ縮小』で重複排除や圧縮機能によるデータ圧縮状況を確認できる

重複排除と圧縮機能でストレージ容量を最適化できるため、分析や機械学習など多種多様な目的でデータを複製したとしてもストレージを浪費しなくてすむ。オンプレやクラウドなどに分散したデータを一元的に管理でき、また自動化可能な処理も多いため、管理工数を大幅に削減できる。シンプルなUIのため、高いスキルを持つエンジニアでなくても運用可能だ。通常は別製品となるバックアップとリストアも標準搭載している。

また、「Cohesity DataPlatform」はグローバルなインデックス作成が自動化できるため、オンプレミスやクラウドなどデータが格納されている場所に関わらず横断的な検索が可能となる。任意のファイルやオブジェクトをワイルドカードで瞬時に検索できる。

特長3:アプリのプラットフォーム(マーケットプレイス)にも

Cohesityはデータ管理基盤だけではなく、柔軟なアプリケーションのプラットフォームになれるところも特長的だ。単にSDSを実現するストレージ管理ソフトウェアではなく、これからのデータ管理基盤としての可能性にも期待できる。

現在、Cohesityのオリジナルアプリとして、「ファイル内のテキスト検索」「ファイル監査ログの可視化」「管理APIを活用したスクリプト」「アップロードの実行」「ウイルススキャン」などが提供されているほか、サードパーティアプリであるSplunkを使用すればデータを直接分析することもできる。

【ソフトバンク導入事例】
2万台のサーバ管理に活用 バックアップから5分で復旧

ここからは実際にCohesityを導入した事例を見ていこう。ソフトバンクでは自社業務のために約2万台のサーバを運用している。すでに運用管理を効率化するための各種ツールは導入しているものの、台数が多いため管理工数を少しでも下げたいという希望がある。

そんなに高い確率で障害が起きるわけではないが、台数が多いため、まれに障害に遭遇することもある。一度サーバで障害が発生すると、基本的には再構築し、必要に応じてデータをバックアップから手動で復旧していたため、相当な時間と工数がかかっていた。

■Cohesity導入前の課題

まずはCohesityをPoCで導入し、仮想マシンとデータベースのバックアップおよび復旧で検証した。なかでもVMはバックアップから素早く復旧できることが分かり、ソフトバンク山根氏は「これはいい!」とすぐに本番導入を決めたという。

現在、ソフトバンクではCohesityを仮想サーバ環境(VMware)のバックアップとして利用している。なおCohesityではサーバをグループ単位で登録できるため、導入や設定も容易にできたという。例えばVMwareならvCenterで登録する。グループ内でサーバが追加されたら、手動で管理対象に登録する必要はなく、Cohesityが自動的にバックアップ対象とする。

■Cohesityによるソリューション

現時点ではバックアップは1時間おきに実行し、もしサーバに障害が起きたとしても、最短でも1時間前の状態に復旧できる。VMリストアの実行は2分で完了。リストア用のジョブ作成時間も3分で完了する。

Cohesityの導入前には、年間でおよそ100VMの復旧作業、約200人日(1VMあたり約2人日)の工数が発生していたというが、導入後には年間約2人日(1VMあたり約5分)となり、およそ99%削減が見込めるという。

バックアップ保存期間は数日間で設定しているが、今後は数カ月分まで伸ばすことを検討している。サーバ障害時には基本的に最新の状態に戻すことができればよいと想定していたので、バックアップ保存期間を数日間で設定したものの、ユーザから「セキュリティパッチなど月次で更新されるものもあるため、延長してほしい」と要望があったためだ。なおバックアップ期間を数日間分から数カ月間分に延ばしたとしても、重複排除が効き、データ増加量は微々たる範囲で収まるため、ストレージ容量的にも問題ない。

ソフトバンク山根氏は「これまでサーバ環境のバックアップをしていなかったところにバックアップ処理を追加しましたが、自動実行するため運用負荷は増えていません。日々バックアップが成功しているのを確認するだけです。実際に障害が起きても5分で復旧できますし、何よりも安心感があります」と話す。

データ管理だけではなく
アプリのマーケットプレイスとしての成長にも期待

ストレージ管理、バックアップ、重複排除、検索など、機能単体で見れば、部分的に似たサービスはほかにもある。しかしこれだけオールインワンで提供されているプラットフォームはない。またデータ格納先がオンプレ、仮想化、クラウドで分散していても、一元的に管理できるのは大きなメリットとなるだろう。

東氏は「Cohesityは肥大化するデータを効率的に管理できるため、TCOを大きく削減することが可能です。また検索や分析も可能なため、データという企業の重要な資産を有効活用できます。これまで手が届かなかったデータから経営判断に必要な気づきが得られるなど、データ活用の余地が広がると思います」と話す。

また、Cohesityはマーケットプレイスとしての可能性も期待できる。先述の通り「Cohesity DataPlatform」上で稼働できるいくつかのアプリが提供されており、そのなかには動画ファイル圧縮や社会保障番号検索ツールなどユニークなものもある。

今後はサードパーティによるアプリも含め、データ管理やセキュリティに役立つアプリケーションが増えていく見込みだ。Cohesityはデータ管理基盤だけではなく、アプリケーションの基盤としてGoogle PlayやApp Storeのような存在として発展いくことを目論んでいる。

ひとつのプラットフォーム、ひとつのユーザインターフェース、機械学習などの最新技術で効率化、アプリ実行など、Cohesityの仕組みはなじみ深いスマートフォンと共通するものが多い。東氏は「これまでスマートフォンが実現してきたことを、エンタープライズストレージで実現していきます」と意欲を示した。

後記

これまで企業がデータの利活用をできていなかった要因として「人」と「工数」の課題がある。専門職のエンジニアが工数をかけて行っていたデータの利活用を、Cohesityは適切な管理とアプリケーションにより、簡易に実行できるようにする。スマートフォンの普及により、ライフスタイルに変革がもたらされたように、Cohesityの普及がビジネスのスタイルに変革をもたらす日が来るかもしれない。

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Cohecity

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