サーバレス版KubernetesでNextCloudによるAWS、AlibabaCloudのマルチクラウド運用を実現してみる※構築手順付き

構築Demo内容（1:30）

さて、本日プレゼンの目玉の一つである、KubernetesによるNextCloudデプロイのデモンストレーション動画を流します。構築内容と環境は次の図の通りです。

以下のデモンストレーション動画をご覧下さい。

Alibaba Cloud OSS、実はS3とAPI互換性があるんです

このDemoなどでお気づきかもしれませんが、NextCloudの外部ストレージ接続先でAlibaba Cloud OSSは「AWS S3接続先」として接続しています。AlibabaCloud のOSS（Object Storage Service）は、AWS S3のAPIと互換性があります。そのため、NextCloudでAWS S3接続先パスがあったとしても、Alibaba Cloud OSSとして接続することが出来ます。

AWS S3 – Alibaba OSS連携Demo内容（2:00）

今度は、AWS S3とAlibaba Cloud OSS連携Demoをします。流れとしては次の通りです。

①NextCloudの設定を確認

②AWS S3にファイルをアップロード

③ファイルアップロードした内容がNextCloudで反映されてることを確認

④NextCloud画面で、AWS S3にあるファイルをAlibabaCloud OSSへ移動

⑤Alibaba Cloud OSSで移動したファイルがあることを確認

しかし、、

上記Demo通り、KubernetesでNextCloudによるAWS S3 - Alibaba Cloud OSS連携が出来ました。これであれば、既にAWSなどを使っている場合でも、Alibaba CloudとNextCloudによる連携がすぐに実現できます。

しかし、課題がいくつかあります。Alibaba Cloud KubernetesによるNextCloudで、AWS S3からファイルをアップロードしても、NextCloudのシステム構造的な話、オブジェクトスキャン処理の周期からすぐには反映されない課題がありました。
著者は最初、うまく接続できてないかな、と思い、調査してみました。設定周辺を点検しつつ、Chrome DevToolにあるHARファイルからログを確認すると、AWS S3からのファイルアップロードは無事済んでいることが確認できました。さらにNextCloudのソースコードであるphp/javascriptを追って解析したところ、ファイルをアップロードしてもオブジェクトスキャンのタイミング次第では、Webコンソール側で遅れて表示されることが判明しました。

この問題に対し、今回はchromeブラウザのCORS（Closs Origin Resource Sharing）を緩和しつつ、強制再スキャンすることで、AWS S3からのアップロードをすぐ反映するように対処してみました。
ただ、これは美しくないやり方なので、php/javascriptソースコード上で改修が必要そうです。改修する場合、NextCloudのライセンスとしてオープンソースへコミットする必要もあるので、慎重に確認中です。

その他、ファイルアップロードする際、ファイルのサイズが大きいほど、アップロードがうまくいかない、大きなファイルの削除がしにくいなどの課題もありますので、私たちのチームが日々技術的検証中です。乞うご期待。

さいごに

NextCloudはオフィス版ITとして非常に便利です。さらに、安価であるAlibaba Cloudで構築することで、ランニングコストの抑制もできますし、NextCloudを通じてAWSなどとのマルチクラウドも実現できます。最終的にはクラウドベンダーロックインの脱却として、AlibabaCloud以外、例えばAWSとAzure連携にも使えるようにしたいとは願っています。

Special thanks to lin/bob/nancy.

構築手順

具体的なACKによるNextCloudの構築手順については、後編記事にてまとめていますので、是非ご覧下さい。

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