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ご覧頂き有難うございます。ソフトバンクの西野です。
弊社ではパブリッククラウド「Alibaba Cloud」を取り扱っており、中国と日本間の通信品質改善に関する問合せを多数いただきます。一般的に、パブリッククラウドとオンプレミスを接続する手段として、IPsec-VPNを利用することが多いと思います。主な理由としては、コストの面でのメリットが挙げられます。
Alibaba Cloudでは、IPsec-VPNマネージドサービスで提供するプロダクトが「VPN Gateway」と「CEN の IPsec Connection構成」 の2種類があります。本記事では、プロダクトの仕様について比較します。
はじめにAlibabaCloudで構成可能なIPsec VPN構成を紹介します。
新しく出来たパターン
VPC不要で直接Transit RouterにIPsec-Tunnelを収容できるためシンプルな構成が可能
CEN Transit GatewayインスタンスにつきIPsec-Tunnelは16本まで収容可能
比較項目 | VPN Gateway | CEN IPsec Connection |
SLA | 99.95% | 99.95% |
プロダクト帯域幅 | 10Mbps~1Gbps | 1Gbps~16Gbps |
冗長方式 | Active / Standby | Active / Active |
マルチAZ対応 | × | 〇※1 |
IPsec接続最大数 | 10 | 16 |
ルーティング | Static、BGP | Static、BGP |
※1 マルチAZ構成の場合も、CENとしてのSLAは99.99%ではなく99.95%になります。
VPN GatewayとCEN IPsec ConnectionともにBGPを使用できますがルート広報の動作に違いがあります。構成例としてAlibaba Cloudに対してオンプレミスとAzureを接続したパターンで解説します。
VPN GatewayのBGPはAlibaba Cloudからオンプレミスへ広報されるルートはSystemルートのみとなります。カスタムルートやDynamicルート(BGP)の経路は広報されません。
Azure側のセグメント172.16.200.0/24,172.16.1.0/24
Alibaba CloudからFortiGateに広報はされていません。
CEN IPsec Connection構成の場合、Alibaba Cloudを経由し対象機器とAzureをIPsec over BGPで接続してもAlibaba Cloudから対向側のルートを広報することが可能です。
Azure側のセグメント172.16.200.0/24,172.16.1.0/24は、Alibaba CloudからFortiGateに広報されています。ただしデフォルトではループを避けるためTransit Routerに対しIPsec VPN、CCN、VBRのBGP経路を受信しないルートマップが定義されているので赤枠の経路は広報されません。広報するためには別途経路広報するためのルートマップが必要になります。
比較項目 | VPN Gateway | CEN IPsec Tunnel |
インスタンス料金 | VPN Gateway 10Mbps:$66.43=JPY8,836 200Mbps:$200.75=JPY26,098 | IPsec connection * 1 TR conncection * 2 $109.5=JPY14,235 |
トラフィック料金 | 同一 | 同一 |
※$1=JPY130のレートにて計算
前編では、2種類のIPSec-VPNプロダクトについて、機能比較と価格比較をご紹介させて頂きました。
まとめると以下のような使い分けになります。
マルチAZ冗長
Active / Activeな冗長構成(ECMP通信)
IPsec over BGPを使用したブランチ間通信
シングルAZ
Active / Standbyな冗長構成
Static ルーティング
低コスト
いかがでしたでしょうか、整理してみると両方のプロダクトの違いが明確になり選択し易くなりましたね。
関連記事にCEN IPsec Connectionを使用してAzure Virtual WANと接続する手順をご紹介してますのでご興味があればぜひ読んでみてください。
Alibaba Cloudは中国国内でのクラウド利用はもちろん、日本-中国間のネットワークの不安定さの解消、中国サイバーセキュリティ法への対策など、中国進出に際する課題を解消できるパブリッククラウドサービスです。
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