Excel / Google スプレッドシート / Numbersで同じ資料を開いて互換性を検証してみた

2024年4月19日掲載

キービジュアル

皆さん、こんにちは。

Google Workspace導入/技術支援チームです。
お客さまがGoogle Workspace(GWS)を導入する中で出てきた課題や、要望、お困り事などを解決するためのTIPS等について、私たちSEのGWS利用方法を踏まえて発信しています。

なお、本記事では、Excel / Google Sheets (本記事ではGoogle スプレッドシートと記載) / Numbers という3つの表計算アプリで同じ資料を開いみて、その互換性やレイアウト崩れなどを検証してみます。また、レイアウトが崩れないようにするための対策も紹介します。

他のOffice系アプリの互換性検証も行っております。「Word / Google ドキュメント / Pagesで同じ資料を開いて互換性を検証してみた」、「PowerPoint / Googleスライド / Keynoteで同じ資料を開いて互換性を検証してみた」についてもご覧下さい。

目次

ここ記事では
  • 複数のアプリにまたがって表計算資料を作成したことがある人または互換性を調査している人を対象としています
  • Excel / Google スプレッドシート / Numbers の各表計算アプリでの資料の見た目をと一部機能の比較しています
  • レイアウトが崩れる原因と対策について説明しています

はじめに

Microsoft のOffice アプリにExcelという表計算アプリがあります。
この表計算アプリですが、プレゼンテーション系アプリと同様にGoogle とApple からもそれぞれ無料で提供されています。

Microsoft : Excel
Google : Google Sheets (Google スプレッドシート)
Apple  :  Numbers

Excelでやっていたことが、Google スプレッドシート、Numbersにすることでどう変わるのかということを今回は検証します!

今回の検証では、SEの観点で一番良く作りそうな課題管理表で比べて見たいと思います。

ただ、表計算系アプリについてはあまりにも細かい部分での差異が多すぎるため、一部の代表的なところだけ可能な限り紹介します。
※ピボットテーブルはExcel、Google スプレッドシートそれぞれ変換しても変わらず使えるため割愛します

Excelで作成した資料を各アプリで開く

まず、Excelで作成した通常の文字、条件付き書式、入力規則、ファイル・フォルダへのリンクを含んだ課題管理表です。

「場所」や「課題詳細」のところにリンクを挿入しています。

「状況」の列で入力規則が使われており、そこの値をもとにNo3、No5のように背景色を変える条件付き書式を使っています。

Excelで作った課題管理表

① ExcelファイルをGoogle スプレッドシートで開く

これをGoogle スプレッドシートで開いてみます。

ExcelファイルをGoogleスプレッドシートで開いた場合

ほぼ変わりないですが、一部改行されてしまっています。
これはおそらく、前回のプレゼンテーション資料編と同じ理由の可能性があります。

入力規則

条件付き書式、入力規則はそのまま利用可能でした。

② ExcelファイルをNumbersで開く

続いてNumbers で開いてみます。

ExcelをNumbersで開いた場合

大きくレイアウトが崩れたうえに、警告マークが全セルで出てしまいました。
どうやら、Excelの条件付き書式には対応していないようです。

Numbersの警告

改行だけではなく、行のサイズ(高さ)も変わってしまっているように見受けられますが、入力規則は問題なく使えているようです。

Google スプレッドシートで作成した資料を各アプリで開く

今度はGoogle スプレッドシートで作成した同じ資料で、通常の文字、条件付き書式、入力規則、ファイル・フォルダへのリンクを含んだ課題管理表です。
スプレッドシートには「スマートチップ」と呼ばれる機能があるため、スマートチップで作られたセルを追記しています。

「スマートチップ」は「課題(お題)」列に記載しており、対象行は「登録者」が「スマートチップ」になっている行です。

色付きのプルダウンも「状況」や「分類」で2種類設定してあります。

Google スプレッドシートで作成した課題管理表

① Googleスプレッドシートファイルを、Excelで開く

まずはExcelでファイルを開いてみます。

Google スライドをExcel形式に変換してExcelで開いた場合

行の高さがデフォルトに戻ってしまって、チップの形式だった部分は単純なリンクに変わってしまいました。
ファイナンスに関しては代わりの機能が無いからか単なるテキストになっています
※ファイナンスのスマートチップは 株価などの金融情報をポップアップで表示することが可能なチップです。
評価はプルダウン形式に変わっていました

行の高さが変わってしまった部分については回避策を後ほど紹介します!

② Googleスプレッドシートファイルを、Numbersで開く

続いてNumbersでファイルを開きます。
※Google スプレッドシートからNumbers形式には出来ないので、.xlsxでダウンロードした資料をNumbersで開いています。

Google スライドをExcel形式に変換してNumbersで開いた場合

行の高さはExcelの時と違ってそのままの高さで出力されました。
ただ、エラーが多くなってしまったようです。
Excelで作成した(開いた)ときにもあったRow()関数が今回はエラーになってしまいました

NumbersもKeynoteのときと同じく今後に期待します。

関数について

続いて関数についてです。
Excelのみ使えるもの、Google スプレッドシートでのみ使えるものをそれぞれ集めてみました。(2024年3月時点)
それぞれの関数の内容については以下の各メーカーの関数一覧記事を参考にして比較しています。
Google スプレッドシート関数一覧 (Google 公式サイト) / Excel 関数一覧 (Microsoft 公式サイト)
※関数の有無しかみていません。関数の内容が異なる可能性があるので注意してください。

また、比較については両社の関数一覧サイトのみの比較となり、一覧記載以外の関数の存在も確認しております。(YEN、xmatch等)
※通貨関連関数は異なる関数に置き換わる場合があるため比較が難しくなっています

Google スプレッドシートで使えて、Excelで使えない関数

以下はGoogle スプレッドシートで使えて、Excelで使えない関数です。
この関数一覧は上述した通り、Google、Microsoft両社の関数一覧記事(以下のリンク)からソフトバンクで比較して抽出したものになります。
(5/7修正:一部関数一覧記事の翻訳機能のために比較に間違いがあったため修正しました。また、関数一覧記事に記載のない関数のチェックについては対象外としています)

 

ARRAYFORMULA

REGEXREPLACE

MULTIPLY

DETECTLANGUAGE

YEN

NE

GOOGLEFINANCE

SPLIT

POW

GOOGLETRANSLATE

TO_DATE

UMINUS

QUERY

TO_DOLLARS

UNARY_PERCENT

SPARKLINE

TO_PERCENT

UPLUS

IMPORTDATA

TO_PURE_NUMBER

ISDATE

IMPORTFEED

TO_TEXT

ISEMAIL

IMPORTHTML

SORTN

COUNTUNIQUE

IMPORTRANGE

ADD

AVERAGE.WEIGHTED

IMPORTXML

DIVIDE

MARGINOFERROR

ISURL

EQ

EPOCHTODATE

IMCOTH

GT

FLATTEN

IMLOG

GTE

ARRAY_CONSTRAIN

IMTANH

ISBETWEEN

 

JOIN

LT

 

REGEXEXTRACT

LTE

 

REGEXMATCH

MINUS

 

Google スプレッドシートになく、Excelにのみ存在する関数

次はExcelにのみ存在する関数です。
(5/7修正:一部関数一覧記事の翻訳機能のために比較に間違いがあったため修正しました。また、関数一覧記事に記載のない関数のチェックについては対象外としています)

 

AGGREGATE

DBCS

PHONETIC

AMORDEGRC

DOLLAR

REGISTER.ID

AREAS

DROP

RTD

ARRAYTOTEXT

EUROCONVERT

SHEET

BAHTTEXT

EXPAND

SHEETS

BESSELI

FILTERXML

SORTBY

BESSELJ

FORECAST.ETS

STOCKHISTORY

BESSELK

FORECAST.ETS.CONFINT

TAKE

BESSELY

FORECAST.ETS.SEASONALITY

TEXTAFTER

BINOM.DIST.RANGE

FORECAST.ETS.STAT

TEXTBEFORE

CALL

INFO

TEXTSPLIT

CUBEKPIMEMBER

ISOMITTED

VALUETOTEXT

CUBEMEMBER

JIS

WEBSERVICE

CUBEMEMBERPROPERTY

NUMBERVALUE

XMATCH

CUBERANKEDMEMBER

ODDFPRICE

 

CUBESET

ODDFYIELD

 

CUBESETCOUNT

ODDLPRICE

 

CUBEVALUE

ODDLYIELD

 

一般のユーザーからするとどちらもほぼ使わない関数ばかりだと思います。
特に気にしなくても良さそうですが、万が一使ってる場合は使えなくなるので注意してください。

Google スプレッドシートをExcelに変換するときの注意点

まず、Google スプレッドシートにしか無い「スマートチップ」色付きの「プルダウン」リストを使用しないことを推奨します。
スマートチップ、色付きプルダウンの機能を使う場合は内部向けの資料だけにしましょう。

Google スプレッドシートをExcelに変換した際に行の高さがデフォルトに変わってしまった問題ですが回避策はあります。
Excelで行の高さを入力量に合わせて自動で高さを調整するときに行と行の間をダブルクリックするときが有ると思います。
Google スプレッドシートでこの機能を使ったあと、Excel形式にダウンロードして、Excelで開くと行の高さがExcelのデフォルトに戻ってしまいます。

行の高さが自動で変わらないようにするためには、Google スプレッドシート上で手動で高さを調整すると、Excelにしても高さが変わらなくなります。

行の高さをGoogle スプレッドシート上で手動調整したあとにダウンロードしたExcelファイル

上記はダブルクリックで高さを自動調整したあと、少しずつ手動で高さを増やしたあとダウンロードしたファイルです。
※手動で調整する際は余白に余裕を持った高さにすることを推奨します。スプレッドシートでの見た目より高さが若干少なくなるようです。

面倒な場合は、範囲選択して高さの設定で「数値」を直接入力しても大丈夫です。

Google スプレッドシートで高さ調整

この場合は、全部同じ高さになってしまうのでレイアウトとしては不自然になるかもしれませんが簡単に統一は出来ます。
※「データに合わせる」方を使ってしまうとダブルクリックして調整しているのと同じ問題が発生します。

まとめ

今回比較して思ったのは、Google スプレッドシートのほうが「色付き」のプルダウンなどが簡単に作れることに気がつきました。
Excel の場合、条件付き書式を設定しなければならないので面倒でした。

スマートチップに関しても社内ユーザーの連絡先リストを作る場合にも楽ですし、そもそもメニューもスプレッドシートのほうが見やすい(探しやすい)と感じました。

古い話で知らない方も増えていると思いますがOffice アプリに「リボン」機能が搭載される前は同じような使用感だった気がするなと最近思うことがよくあります。

アプリを新しいものに切り替えるのは最初はハードルが高いと思います。
ただ、正直「慣れ」の部分が非常に多いので、今回のブログを参考にスプレッドシートの活用幅を広げて行ってもらえれば幸いです!

皆様も是非、お試し下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回もぜひお楽しみに!

◆Google Workspaceに関するご相談は、ソフトバンク窓口又は担当営業までご相談ください。

関連サービス

Google Workspace

Google スプレッドシート、Gmail、Google カレンダー、Google Chat、Google ドライブ、Google Meet などのさまざまなサービスがあらゆる働き方に対応する業務効率化を実現します。

Google Cloud

Google サービスを支える、信頼性に富んだクラウドサービスです。お客さまのニーズにあわせて利用可能なコンピューティングサービスに始まり、データから価値を導き出す情報分析や、最先端の機械学習技術が搭載されています。

MSPサービス

MSP(Managed Service Provider)サービスは、お客さまのパブリッククラウドの導入から運用までをトータルでご提供するマネージドサービスです。

おすすめの記事

条件に該当するページがございません