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こんにちは、クラウドエンジニアの須藤です。
この記事では、前回の「Copilot Studio 使ってみた① -チャットボット作成篇」の検証した内容の続編で、今回は SharePoint のサイトを読み込ませてみたチャットボットを作成してみた様子を紹介します。
「Copilot Studio って具体的に何ができるの?」、「文面だけではなくて実際に操作している画面も見てみたい!」という方に向けて書いた記事なので、参考にしていただければ幸いです。
※この検証は 2024年4月に行われたものとなります。
前回は外部の web サイトを読み込ませたチャットボットを作成しましたが、今回は SharePoint のサイトを読み込ませてみたチャットボットを作成してみようと思います。
作成の方法はいたってシンプルで、外部 Web サイトを読み込ませた時と同じで、設定する URL の箇所に SharePoint のサイト URL を入力するだけです。
前回の記事では、外部 Web サイトの URL を読み込ませたチャットボットを作成しました。そのサイトに関する質問内容であれば、チャットボットは返答してくれました。
今回はどうでしょうか?おそらく、SharePoint に格納されているファイル等の内容を読み込んで返してくれると思います。
まずは、SharePoint に何も保存していない場合のチャットボットの動作について見てみたいと思います。多分、「答えられない」というような答えが返ってくると思います。
やはり、予想通り何も情報が入っていない SharePoint を読み込ませたチャットボットは答えることができません。
これに情報を与えてみるとどうでしょうか?この SharePoint のサイトに Copilot を使って作成した Word の情報を格納してみた後に質問してみようと思います。「 Microsoft の歴史」について Copilot に書いてもらいました。
上記の Copilot に作成させた Word ファイルを読み込ませ、先ほどと同じ質問をしてみた結果が以下の通りです。
SharePoint のサイトの中の Word に格納されている情報を返答してくれました。
下に参照元も書いてくれています。「あれ?1つのファイルしか格納していないのになぜ?」と思いましたが、これを開いてみると全て先ほど作成した Word のファイルでした。これを見ると、どうやら文章ごとに参照元を掲載しているようです。試しにもう一個、Microsoft の歴史に関するファイルを作成して、SharePoint に格納するとどうなるかやってみました。同様に「Microsoft の歴史について」尋ねてみます。
質問に関する参照元が2個になったので、両方から情報を引っ張ってきてくれたようです。
このように、SharePoint に格納されている情報であればチャットボットは答えられるようです。
SharePoint に画像を格納した場合はどうなるのでしょうか?画像に関することを返答してくれるのでしょうか?検証してみましょう。
まずは PowerPoint にて Copilot に画像を生成してもらい、その画像に関することを質問してみました。左が PowerPoint で作成した画像で、右が Copilot Studio のチャットボットに質問した結果です。
画像をそのまま回答に使用することや、リンクを紹介してくれるようなことは残念ながらできないようですね。もし、これができればプレゼンテーションを作成している際に、あらかじめ PowerPoint によく使う画像を貯めておき、「〇〇の画像」という風に質問して、その画像を出してくれればいいなとは思いました。
グラフについても、チャットボットが答えてくれるか試してみました。
試しにソフトバンク株式会社の株価の変動を Python を使って作成してみました(横軸は時間軸、縦軸は¥です。雑ですみません…)。作成したグラフは以下の通りです。
この画像を PowerPoint に貼り付けただけのファイルから PDF にしたものを作成し、SharePoint に格納しました。そしてソフトバンクの株価に関することを質問してみましたが…
残念ながらチャットボットはこの検証では、答えてくれませんでした…
作成したボットを他のユーザーに使ってもらうこともできます。「手動で認証する」を選択して、同じディレクトリのユーザを指定して使わせてみようと思います。
認証の設定に関しては、「Microsoft Entra ID を使用してユーザー認証を構成する」をご覧ください。
認証を構成してみた後の動作を確認してみようと思います。
ログインを要求されるようになりましたので、「ログイン」をクリックし、検証コードをチャット欄に貼り付け送信すると、普段のように使えるようになります。
次にこの作成したチャットボットを他のユーザにも使わせたいと思います。今回の検証ではチャットボットを作成したユーザが属する同じディレクトリ内のユーザに使ってもらおうと思います。
まずはチャットボットを作成したユーザが使用を許可するユーザ等を決めなくてはなりませんので、以下の画像の「共有」の箇所から設定をしていきます。共有の仕方については公式ドキュメント「他のユーザーとのコパイロットの共有」をご覧ください。
ある特定のユーザとチャットボットを共同で編集を行いたい場合は、ユーザごとに追加します。実際に以下の画像はチャットボットの共同編集権限を与えられたユーザの Copilot Studio の画面です。
左の画面が Copilot Studio の共有の設定画面で、右側がチャットボットの共有権限を追加されたユーザの Copilot Studio の画面です。
たしかにチャットボットに追加されたユーザの画面を見ると、所有者が違うボットが追加されたことが分かります。
また、共同編集ではなくただ作成したチャットボットを使ってもらうための場合はユーザ単位ではなく、グループ(セキュリティグループ)ごとに追加するのが良さそうです。
実際にチャットボットにアクセス可能になったユーザは以下の画像のようにログインを求められはしますが、先ほどの手順と同じように行えば使えるようになります。
今回の検証では、PDFにして設定したグラフや図に関する質問をチャットボットは答えてくれませんでした。しかし、自分が検証をいくつか行った中でチャットボットが答えてくれる場合もありました。それは以下に記載します。
しかし、上記の Excel の場合はグラフを読み込んで答えてくれているのではなく、グラフ作成の元となっている表や値などをそのまま答えてくれている可能性が高いです(実際に表や値等などが記載されてある事に関して質問をすると答えてくれることが多かったです)。
グラフや図のみに関しても数値等を答えてくれる場合(質問例:2023年4月の×××に関しての収益を教えて)もありましたが、まったく別の年月の数値を答えていたりなど、精度に関しては答えられた場合でも低いと感じました。
ですがまだまだ十分に検証できたとは考えておらず、以下のようにCopilotが理解しやすいような情報に加工してみると改善するのかも知れないと感じました。
今回の記事ではこれ以上の紹介はしませんが、また Copilot Studio の検証を行うことがあれば検証結果を紹介したいと思います。
今回は、Microsoft 社が提供する Copilot Studio の生成 AI 機能を用いて、チャットボット(カスタマイズした Copilot ) の設定などの部分について検証した結果を紹介しました。
SharePoint サイトを読み込ませたチャットボットを作成することは外部 Web サイトを読み込ませたチャットボットと同様にとても手軽に早く出来ることが確認できました。SharePoint 内に格納されている情報を答えてくれることがこの検証で分かりました。また、チャットボットを他ユーザに公開したい場合制限をつけることも可能であることもこの検証を通して分かったと思います。
この記事が「Copilot Studio って具体的に何ができるの?」、「文面だけではなくて実際に操作している画面も見てみたい!」という方々の参考になれば幸いです。
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