Google Workspace ユーザーのためのGemini アプリの違いまとめ

2024年12月4日掲載

Duet AI for Google Workspace とは?特長や導入方法を分かりやすく解説

ソフトバンク アドベントカレンダー 2024 の4日目の記事です。

ついにGemini アプリがコアサービスとしてリリースされました!

The Gemini app is now a core service with enterprise-grade data protection for more Google Workspace editions

特にコアサービスとしてのGemini アプリとその他のサービスのGemini アプリは見た目が同じで一見違いがわかりにくいところがあり、結局どう違うのか?というご質問をいただくことが増えてきました。そこで、今回はGemini アプリの違いについてまとめました。

なお、本記事は主にGoogle Workspace をご利用いただいていユーザー目線での記事となっており、Gemini アドオンは保有しておらずGoogle Workspace のライセンスのみ持っていらっしゃる方が、コアサービスとしてどこまで使えるのか?という点に焦点を当てています。

※本記事は執筆時現在の仕様であり変更となっている可能性がございます。

 

目次

1. Gemini アプリの種類の違い

このセクションでは、Gemini アプリが提供する3つの異なる種類について、それぞれの特徴を解説し、利用可能なユーザーや提供される機能の違いを説明します。

  • 法人アカウントで利用できるGemini アプリが3種類になりました。

  • Google Workspace ユーザーはコアサービスとしてのGemini アプリを利用可能です。
  • Gemini Enterprise または Business を保有するユーザーは より高性能な Gemini Advanced が利用可能です。
  • コアサービスとしてのGemini アプリは

    • Gemini 1.5 Flash を利用可能です。Gemini Advanced と異なりより高性能な Gemini 1.5 Pro は利用できません。

    • エンタープライズグレードのデータ保護(※1)、各種コンプライアンスにも対応しています。ここはGemini Advanced と同じです。

※1)コアサービスとしてのGemini アプリを使用するユーザーのチャットとアップロードされたファイルは、人間のレビュアーによって確認されることも、生成 AI モデルの改善に使用されることもありません。

表でまとめると以下の通りです

 

コアサービスとしてのGemini アプリ

Gemini Advanced 

その他のサービスとしてのGemini アプリ

利用できる人

必要なライセンス

Google Workspace 

Gemini Business

Gemini Enterprise

左記以外

(Cloud Identity Freeなど)

基礎技術

モデル

Gemini 1.5 Flash

Gemini 1.5 pro

Gemini 1.5 Flash

エンタープライズグレードのデータ保護

 

日本語対応

コンプライアンス

GDPR

 

ISO/IEC 27001

 

SOC2

 

SOC3

 

 

2. Gemini アプリのできることの違い

このセクションでは、3種類のGemini アプリの機能面での違いを詳細に比較し、それぞれのアプリで何ができて何ができないのかを示します。

Gemini Advanced と比べてできることの差が顕著になってきます。

  • 社内データなどは必要なく、一般的な生成AIを安全に使用したいという場合は非常に有用ですがファイルを指定して要約をさせたり、コーディング、Gems、人物を含む画像生成はできません。
  • Google Workspace に保存されているデータへのアクセスは、Google Workspace 拡張機能経由でのみアクセス可能です。
  • 指定したファイルの要約やQAをすることはできません。参照するファイルを固定したい場合は有償アドオンが必要となります。狙ったファイルがピンポイントで選ばれるようにプロンプトを工夫することで、同様の結果を得ることができる可能性はありますが、確実では無いため筆者としては推奨いたしません。

 

コアサービスとしてのGemini アプリ

Gemini Advanced 

その他のサービスとしてのGemini アプリ

コーディング/分析

コードを編集して実行する(Python)

 

 

ファイルのアップロードと高度なデータ分析

 

 

生産性機能

Google Workspace 拡張機能

 

Gems

 

 

画像生成

画像生成

人物の画像生成

 

 

 

3. ユーザーから見た画面の違い

このセクションでは、3種類のGemini アプリのユーザーインターフェースの違いを、スクリーンショットを交えて視覚的に解説します。

Gemini アプリとGemini Advanced は画面左上のロゴが違うので、こちらは迷うことはありません。しかしながらコアサービスのGemini と、その他のサービスとしてのGemini はロゴが同じなので注意が必要です。画面の違いがわかるようにそれぞれのスクリーンショットと区別する点を記載しましたのでご参考にしていただければと思います。

3-1. コアサービスとしてのGemini アプリ

  • 画面左の設定を押すと、拡張機能が表示されます。

  • プロンプト入力部に鍵マークがあります。鍵マークがついているものはエンタープライズグレードの保護が適用されています。

3-2. Gemini Advanced 

  • Gemini Business、Enterpriseライセンスを付与されている場合に利用可能です。
  • 画面左上のロゴが Gemini Advanced となっています。ここで区別可能です。
  • 画面左の設定を押すと、拡張機能が表示されるのはコアサービスとしてのGemini アプリと同様です。
  • プロンプト入力部に鍵マークがあります。鍵マークがついているのと、プロンプト入力部の右側が+となっておりファイル等のアップロードが可能となっています。

3-3. その他のサービスとしてのGemini アプリ

  • 画面左の設定を押しても、拡張機能がありません。

  • プロンプト入力部に鍵マークがありません。

4. 管理コンソールの設定による動作の違い

このセクションでは、管理コンソールにおけるGemini アプリの設定方法と、設定の違いがユーザーのアクセスにどのように影響するかを解説します。

管理コンソール > 生成AI > Gemini アプリ > Gemini アプリの設定 > ユーザーアクセス にて 誰がGemini アプリを使用できるかを設定できるようになっています。

 ※現在ロールアウト中のため画面が異なる可能性があります

設定のオン/オフによる動作モードの違いは以下の通りです。設定値がオフの場合はGoogle Workspace のライセンスを保有するユーザーだけがコアサービスとしてのGemini アプリを利用することが可能です。オンの場合は、その他のサービスとしてのGemini アプリが使用できてしまう可能性がありますので情報流出等のセキュリティの観点ではオフとすることが推奨です。

設定値

Google Workspace ライセンスあり

Google Workspace ライセンス無し

オン

コアサービスとしてのGemini アプリ

その他のサービスとしての Gemini アプリ

オフ

Gemini アプリの利用不可

 

5. Gemini アドオンを付与したユーザーのみGemini アプリの使用を制限する方法

今回の管理コンソールの変更にあたって、以前は可能だったGemini アドオンを持つユーザーのみにGemini アプリの使用を制限することができなくなってしまいました。

もし制限したい場合は

  • 最上位組織に対して Gemini サービスをオフ
  • Gemini を検証するユーザーのみが含まれている子組織またはグループに対して Gemini サービスをオンに設定

というように利用できる範囲を絞る工夫が必要となります。

6. まとめ

この記事では、Gemini アプリの3つの種類、コアサービス、Gemini Advanced 、その他のサービスの違いについて解説しました。

Google Workspace ユーザーであれば、まずは追加費用なしで利用できるコアサービスのGemini アプリを試してみてはいかがでしょうか。エンタープライズグレードのデータ保護で安心して利用できるようになりました。また、シャドーAI対策としても有用です。

さらに高度な機能を利用したい場合は、Gemini Advanced を検討していただくと良いと思います。Gemini 1.5 Pro の使用、ファイルのアップロードや高度なデータ分析、Gemsなど、より高度かつ多くの機能を利用することができます。Gemini アプリは、私たちの働き方を変える可能性を秘めた革新的なツールです。

本記事を参考に最適なGemini アプリを選んでいただいて最大限に活用いただきたいと思っております。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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