AI用語解説

セマンティック検索

セマンティック検索とは

セマンティック検索（Semantic Search）は、検索エンジンが単純なキーワードの一致検索だけではなく、ユーザの意図やクエリの意味を理解して、関連性の高い情報を提供するための技術です。従来のキーワードベースの検索では、検索クエリと文書内のキーワードの一致度合いが重視されましたが、セマンティック検索ではより高度な自然言語処理や人工知能技術が利用され、あいまいな表現でもクエリの文脈や意味に基づいて関連性を判断します。

セマンティック検索の特長

意味の理解
キーワードの単純な一致だけでなく、文脈や文の意味を理解します。これにより、ユーザーが意図した情報をより正確に把握することができます。
関連性の高い結果
関連性の高い情報を提供するため、より適切な検索結果を表示することができます。キーワードの一致だけではなく、関連するトピックや意味的に類似した情報も考慮されます。
構造化データの利用
セマンティック検索では、構造化データ（例: RDF、OWL）やオントロジー（知識体系）を活用することがあります。これにより、データの意味的な関連性や階層構造を考慮して検索が行われます。
自然言語処理と機械学習の応用
セマンティック検索では、自然言語処理（NLP）や機械学習の技術が活用さ、テキストの意味解析や文脈理解、関連性の推定が行われます。

検索例

例えば、キーワード「ロンドンの天気」でセマンティック検索を行うと、従来のキーワードベースの検索では「ロンドンの天気」というキーワードの一致や近さに基づいて結果が表示されましたが、セマンティック検索では「ロンドンの現在の気象情報」や「ロンドンの天気予報」など、関連性の高い情報やより正確な情報を提供することが可能になります。

AIとセマンティック検索

AIの中でも特に自然言語処理と機械学習は、セマンティック検索の実現に重要な役割を果たしています。セマンティック検索では、AIモデルが大量のデータを学習し、文脈や意味を理解することで、関連性の高い情報を抽出します。AIの進化により、より高度なセマンティック検索が可能になり、ユーザが求める情報により精度の高いアクセスが可能となります。

Microsoft 365 Copilotにも使用されているセマンティック検索（Semantic Index for Copilot）

Microsoft 365 Copilotは、OpeAIのGPT-4をベースにした大規模言語モデル（LLM：Large Language Model）をTeams、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどの各Officeアプリケーションに組み込んだツールです。これにより、組織内のチームやメンバーの生産性向上や業務効率化を改善します。Microsoft 365 Copilotの技術の一つとして、セマンティック検索が使用されています。

Microsoft 365 Copilotとは？特長や使い方を分かりやすく解説

Copilot内で使用されるSemantic Index for Copilotは、会社のデータと個人のデータの関係を特定し、複数の単語や画像をエンコードしてインデックス化し、データを分析します。電子メール、ドキュメント、カレンダー、チャットなどのコンテンツを含め、Semantic Index for Copilotは大規模言語モデル（LLM）を使用して、すべてのコンテンツとユーザ間の関連性をマッピングし、最も関連性の高い結果を表示します。

セマンティック検索により、Microsoft 365 Copilotはユーザに対して個別化された、関連性の高い実用的な応答を提供します。また、プライバシー保護やコンプライアンスへの準拠を守りつつ、安全な方法で提供することができます。

ソフトバンクでは、Microsoft 365 永続割引オファーというライセンス割引キャンペーンを実施しています。Microsoft 365 Copilotが使えるライセンス「Microsoft 365 Business Standard」「Microsoft 365 Business Premium」もキャンペーン対象となりますので、この機会にぜひご検討ください。