AWS Application Migration Serviceを使ってWindows Server 2012をAWSに移行してみた※構築手順付き

2022年7月25日掲載

キービジュアル

Windows Server 2012及びWindows Server 2012 R2が2023年10月10日にサポート終了となります。

サポートが終了されると、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなり、セキュリティのリスクが高まります。そのため、サポート終了までにOSのアップグレードを検討することが多いかと思います。

しかし、最新バージョンのOSに移行する場合、動作検証や追加開発に時間を要し、サポート終了までに移行が間に合わない可能性もあると考えられます。

そういったケースに応じるよう、今回、Alibaba CloudのWindows Server 2012 R2を例として、AWS Application Migration Serviceを使ってAWSに移行する手順を紹介します。

また、AWSではWindows Server 2012 R2をWindows Server 2019にアップグレードするサービスとして、AWS Systems Managerも提供しています。

Windows Server2012 R2をAWSに移行した後、以下の手順を使ってアップグレードが可能です。

目次

  • AWS Application Migration Serviceを触ったことが無い方向けにステップバイステップで紹介しています
  • Windows Server 2012サーバの対処にお悩みの方を対象にしています

1.AWS Application Migration Serviceとは

AWS Application Migration Serviceは、名前通りサーバを移行してくれるプラットフォームです。例えば、オンプレミスなど物理サーバや仮想サーバ、クラウドサービスのサーバをAWSへ移行したい場合、AWS Application Migration Serviceを使うことで、ソースデータをAWSの新しいサーバ環境へ自動移植をしてくれるサービスです。

クラウドサービスの恩恵を生かした技術の一つで、サーバを準備や管理することなく、コードでアプリケーションを構築したり実行することができるクラウドアプリケーションです。

今回、AWS Application Migration Serviceを使って、Windows Server 2012をAWS EC2のWindows Serverへ移植してみます。AWS Application Migration Serviceの料金として、移行したいソースサーバ1台につき、90日間(=2160時間)以内に利用すること自体は無料です。ただし、その日数を超える場合、1ヶ月あたり30USDと料金が発生してしまいます

2.主要クラウドサービスのマイグレーションツール

先述、マイグレーションツールとしてAWS Application Migration Serviceを紹介いたしましたが、他社クラウドではどんなサービスがあるのでしょうか?こちらに対象となるプロダクトサービスをまとめてみました。
また、過去にこのマイグレーションツールによる検証記事も起筆していますので、参考にいただければ幸いです。
※クラウドサービスの並び順はアルファベット順となります。

 

Alibaba

AWS

Azure

GCP

サーバの移行

Server Migration Center

AWS Server Migration Service

Azure Migrate

Migrate for Compute Engine

3. 移行手順 - 1. Replication Setting template作成

閑話休題、AWS Application Migration Serviceを使ってWindows Server 2012 R2をAWS EC2に移行してみます。

まずはAWSコンソールからApplication Migration Service ページを開きます。

`Subnet` を選んで、その他はdefaultのままでテンプレートを作成します。

4. 移行手順 - 2. 移行対象サーバの追加

Application Migration Service画面が出たら、今度は移行対象のサーバを選定します。

ここでIAM access key IDとIAM secret access keyを入力します。

※access key IDとsecretがない場合、IAMコンソールで作成します。

上記4番で表示されたinstallerを移行対象サーバにダウンロードし、5番のコマンドをコマンドプロンプトにて実行します。

これで、AWSのコンソールでSource Serverが表示されました。

操作画面

Relicationが自動で行われます。

おおよそ1時間後、「Ready for testing」に変更されます。

5. 移行手順 - 3. test instance作成

「Launch test instances」をクリックし、test instanceを作成します。

test instanceが作成されました。

6. 移行手順 - 4. cutover instance作成

「Revert to “Ready for cutover”」をクリックし、cutover状態に遷移します。

「Launch cutover instances」をクリックし、本番サーバを作成します。

EC2コンソールでサーバが作成されました。

「Finalize cutover」をクリックし、移行を完了します。

操作画面

EC2にパブリックIPを付与して、以下の通り、RDP接続ができました。

7. さいごに

今回、AWS Application Migration Serviceを使って、サーバの移植方法をご紹介しました。Azure Migrateより遥かにシンプルにマイグレーションができるものの、ソースサーバ1台につき90日間は無料で使えるという制約があります。例えば、サーバを完全切り替えで移行ではなく、並行で利用するため増分移行といったシナリオを利用する場合は、料金の点を考慮する必要がありそうです。もちろん、Alibaba CloudやAWSにも同様のマイグレーションサービスがありますので、こちらも参考にしてみるといいでしょう。

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