Microsoft 365 アプリとの連携して、Copilot Studio で業務効率化

2025年4月24日掲載

PowerPoint でMicrosoft Copilot for Microsoft 365 を試してみた

こんにちは、クラウドエンジニアの須藤です。

この記事では、Microsoft のサービスの Power Platform の1つである Copilot Studio と、他の Microsoft 365 アプリと連携して何ができるかを紹介したいと思います。

今回は、Copilot Studio で作成したエージェントに自動で SharePoint のサイトにフォルダを作成してもらいます。また、業務シナリオを想定したうえでエージェントを Microsoft 365 アプリと連携して使用するとどのようなことが可能かを紹介したいと思います。

Copilot Studio と他の Microsoft 365 アプリで何ができるかを知りたい!」、「実際に操作している画面を見てみたい!」という方に向けて書いた記事ですので、参考にしていただければ幸いです。

目次

この記事では
  • Copilot Studio と他の Microsoft 365 アプリと連携して何ができるかを一部紹介します
  • 「Copilot Studio と他の Microsoft 365 アプリで何ができるかを知りたい!」、「実際に操作している画面を見てみたい!」という方に向けて書いています

Copilot Studio とは?

そもそも Copilot Studio とは何ですか?という方もいらっしゃるかと思います。Copilot Studioは、Microsoftが提供するローコード・ノーコードツールで、企業が独自のAIエージェントを作成し、Microsoft 365 Copilotの機能を拡張するためのプラットフォームです。

また、AI エージェントとは、企業や個人が利用できる AI アシスタントのことです。このアシスタントは、質問に答えたり、タスクを手伝ったりします。例えば、カスタマーサービスのチャットボットや、社内での問い合わせ対応を自動化するツールなどがエージェントにあたります。以前 Copilot Studio に関する記事 (Copilot Studio 使ってみた① -チャットボット作成篇-, Copilot Studio 使ってみた② -SharePoint篇-) ではチャットボットの作成やデータソースに追加した情報に関する回答について紹介しました。さらに Copilot Studio は事前に構築されたプラグインを使用して他のデータソースに接続ができるうえ、Power Automateを利用した業務フローの自動化の構築が可能で、企業のデータを活用し業務ごとにあった AI エージェントの作成をユーザー自身で行うことができます。

Microsoft 365 アプリを連携させたエージェントを作成

Copilot Studio からエージェントを作成する

それではさっそく Copilot Studio から Microsoft 365 アプリと連携できるエージェントを作成していきたいと思います。まず初めにクイックスタート: エージェントの作成と展開を参考にしてエージェントを作成します。この段階ではただエージェントを作成しただけで、Microsoft 365 アプリとは何も連携ができていない状態です。エージェントの中身を設定することによって Microsoft 365 アプリと連携を行うことができます。

Power Automate を使用して M365 アプリと連携

Power Automate で作成したフローを Copilot Studio で使用できるように設定を行い、Microsoft 365 アプリと連携を行います。Power Automate を使用することで、ローコード・ノーコードで日々のタスクに関するワークフローを作成することができます。Power Automate には多くのコネクタ (Microsoft 365 アプリ用のコネクタだけでなく、サードパーティ製のコネクタも含む) があり、このコネクタを使用することによって複数のアプリやサービスと連携したフローを作成することができます。

今回は、Copilot Studio で作成したエージェントに指示を与えたら、指定の SharePoint のサイトにフォルダを自動で作成してくれるようなエージェントを作成したいと思います。イメージとしては以下の図の流れを想定しています。

以下のエージェントの概要のページから [アクションの追加] をクリックします。

続いて、[新しい Power Automate フロー] をクリックして、Power Automate のフロー作成画面に移動します。

以下の画面の右側の [⊕] のアイコンをクリックして、アクションを追加します。複数あるコネクタから [SharePoint] を選び、その中のいくつかある項目の中から [新しいフォルダーの作成] をクリックします。

[サイトのアドレス] の箇所に自分がフォルダを作成したい SharePoint のサイトのアドレスを入力します。[一覧またはライブラリ] の設定はドキュメント、[フォルダーのパス] には作成する予定のフォルダ名を入力します。

上記のままだと毎回作成したときに同じフォルダ名になってしまうので、以下の図の設定のように日本の現在の日時をフォルダ名に入れるように設定します。

最後に Copilot Studio で作成したエージェントが SharePoint のサイトに作成したフォルダの URL を返答してくれるように「Respond to Copilot」のアクションの箇所に SharePoint のフォルダへのリンクのパラメーターを設定します。ここまでの Power Automate で編集したフローを保存します。

Copilot Studio から Power Automate を呼び出す

Copilot Studio の画面に戻ると以下のようにアクションの一覧に Power Automate で作成したフローが表示されていることを確認します。

エージェントの [トピック] 欄から [トピックの追加] > [最初から] を選択します。

トピックトリガーを使用して、ユーザーがエージェントにある特定のフレーズを入力した際に先ほど Power Automate で作成したフローが動作するような設定を行いたいと思います。つまり行いたいこととしては、ユーザーがエージェントに対して SharePoint のサイトに新しくフォルダを作成してと指示をしたときにエージェントが Power Automate で作成したフローを実行できるような設定をしたいと思います。

まずはエージェントがフローを実行するためのトリガーを設定します。フレーズの箇所に「フォルダ」、「SharePoint」、「新しいフォルダ」を入力します。これでこのトピックを呼び出すときのトリガーが、ユーザーが「フォルダ」、「SharePoint」もしくは「新しいフォルダ」と入力した時に限定されます。

続いて、ユーザーが「フォルダ」等のテキストをエージェントに入力した際に Power Automate で作成したフロー (SharePoint の特定のサイトに新しいフォルダを作成する) を Copilot Studio 上で呼び出せるように設定します。[アクションを追加する] > 自分が作成したフロー (ここでは Tech ブログ検証フロー) を選択します。

最後にエージェントがユーザーに新しく作成した SharePoint のサイトのリンクを送ってくれるようにメッセージの追加をします。そしてこのトピックを保存します。

作成したエージェントを動かしてみる

「Microsoft 365 アプリを連携させたエージェントを作成」で作成したエージェントを動かしてみて、本当に自動で SharePoint の指定のサイトにフォルダを作成してくれるか見てみましょう。エージェントに「新しくフォルダを作成して!」と質問してみると、エージェントが「フォルダを作成しました!」というテキストと URL を返してくれました。

この URL をクリックしてみると SharePoint のサイトに新しく作成されたフォルダのページに遷移することができました。実際に作成されたフォルダは以下のようになっています。

このようにして、Copilot Studio で作成したエージェントから Power Automate のフローを呼び出して Microsoft 365 アプリと連携することができます。

実際の業務で使うためには??

突然ですが、この記事を見ている方に1つ質問します。

「今回、この記事で紹介したエージェント (SharePoint のサイトにフォルダを新しく作成してくれる) を実際の業務でも使おうと思いますか?

私だったら「使いません」。理由はシンプルでエージェントから指示をするよりも人の手で行った方が早いと思うからです。Copilot Studio のエージェントはあくまで人の作業を補助してくれる存在であり、作成したエージェントがかえって人の作業工程を増やしてしまう使い方や大して人の業務を軽減させることができない使い方をしてしまうのはもったいないかなと思います。

今回この記事で紹介した理由はあくまでも Copilot Studio と Microsoft 365 アプリを連携できることをまずは伝えたかったので、簡易的な Microsoft 365 アプリと連携させたエージェントを作成しました。理想はエージェントを使った結果、人の単純作業などの業務負担が軽減して、もっとクリエイティブな仕事に時間を費やせることです。Copilot Studio もエージェントとしてできることが増えつつありますので、使い方次第ではエージェントを使用した業務効率化も夢ではないと思います。

実際の業務シナリオを想定したエージェントの紹介

ここからは実際の業務シナリオを想定したエージェントを少しご紹介したいと思います。例えば以下のように、毎月ある会社からサービスの請求書が添付されたメールが送られてきて、それを共有のサイト等にアップロードする作業があったとします。

ユーザーが手作業で行うことは…

①Outlook でメールを見る

②SharePoint にその月の請求書を格納するための新しいフォルダを作成する

③Outlook から請求書をダウンロードする

④SharePoint の作成したフォルダに請求書をアップロードする

以上の4ステップがありますが、これを Copilot Studio と Power Automate を組み合わせて作成・設定したエージェントを用いて上記の作業を行うと…

①トピックトリガーが動作するようにエージェントに指示を送る

たったこれだけです。エージェントに一言指示を送るだけで毎月面倒だった請求書の格納の作業を終わらせることができます。ここでは紹介していませんが、実はメールを確認する作業もイベントトリガーを用いると Outlook で該当のメールを確認せずとも、エージェント上からメールの内容を確認することができます。他にもイベントトリガーを用いて、指定したインターネットのサイトから情報を AI エージェントが自動で抽出して、Excel への記載や Teams への周知を自動で行ってくれるようなエージェントも作成することができます。詳細なフローの設定やイベントトリガーについてはここでは紹介しませんが、その設定も紹介してほしいとの声があればブログを書くことも検討しようと思います。

まとめ

今回は Copilot Studio で作成したエージェントを Power Automate を用いて Microsoft 365 アプリと連携してどんなことができるかの一例を紹介しました。

Power Automate のフローを呼び出すことでエージェントは Microsoft 365 アプリに対してさまざまなアクションを行うことができます。Copilot Studio で作成したエージェントを業務に適用するためにはユーザーの業務のシナリオを考えることが大切だと思います。ユーザーの業務のシナリオを想定したうえで Copilot Studio, Power Automate を使ってどこの業務内容を自動化することができるか、その結果ちゃんとユーザーの業務効率化に貢献できているかを確かめながら導入することを考えるといいと思います。

「Copilot Studio と他の Microsoft 365 アプリ何ができるかを知りたい!」、「実際に操作している画面を見てみたい!」という方々に、この記事が参考になれば幸いです。

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