Alibaba Cloud、AWS、Azure、Google Cloud のコンテナサービスを実際に使ってみました - コンテナクラスタ編 -(後編)

2022年9月14日掲載

キービジュアル

これまで、コンテナに関する記事を何個書いてきました。

まず、「コンテナってなに?Alibaba Cloud, AWS, Azure, Google Cloud のコンテナサービスを比べてみました」にてAlibaba Cloud、 Amazon Web Services、Micosoft Azure、Google Cloudの主要クラウドサービスのコンテナサービスの料金や特徴を比較してきました。

次に、「Alibaba Cloud、AWS、Azure、Google Cloud のコンテナサービスを実際に使ってみました(前編)」「Alibaba Cloud、AWS、Azure、Google Cloud のコンテナサービスを実際に使ってみました(後編)」では、コンテナサービスの中でも、サーバレスなコンテナサービスに着目し、実際にコンソールを触った上での比較や特徴をまとめています。

今回の記事は、コンテナクラスタにフォーカスを当てて書いています。内容が長いので前後編に分けて記事を書いていて、前編では、AWSとAlibaba Cloud を紹介しました。

後編では、Azure と Google Cloud のコンテナクラスタについて紹介したいと思います。

対象のコンテナサービスはこちらです。

  • Alibaba Cloud - Alibaba Cloud Container Service for Kubernetes (ACK) 
  • AWS - Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS) 
  • Azure - Azure Kubernetes Service (AKS)  ←本記事で紹介
  • Google Cloud - Google Kubernetes Engine (GKE)  ←本記事で紹介

※クラウドサービスの並び順はアルファベット順となります。

目次

  • 本記事では、Alibaba Cloud、AWS、Azure、Google Cloud のコンテナサービスを使う手順を通して、その特徴を紹介していきます。
  • 後編では Azure と Google Cloud を取り上げます。
  • 各クラウドのコンテナサービスに違いがあるか分からない方向けの入門記事です。

はじめに

前回のブログ「Alibaba Cloud、AWS、Azure、Google Cloud のコンテナサービスを実際に使ってみました - コンテナクラスタ編 -(前編)」にて、Alibaba Cloud、AWS のコンテナクラスタのサービスを使用してテストサイトを立ち上げる手順を紹介しました。

後編では、前編で紹介しきれなかった Azure、Google Cloud のコンテナサービスについて紹介します。

全体の流れ

  1. コンテナクラスターの作成
  2. サンプルアプリのデプロイ
  3. サンプルアプリの起動

イメージ図

Azure のコンテナサービスを使ってみる

Azure のコンテナサービス製品名は Azure Kubernetes Service (AKS)  です。

AKS の公式サイト

さて、AKS コンテナを作成しましょう。

 

1.Kubernetes サービスを選択します。

2.[Kubernetes クラスターの作成] を選択します。

3.クラスタ―名を入力し、リージョンは Japan East を選択しました。その他設定はデフォルトのままにします。

4.[作成] をクリックします。

クラスタの作成に数分かかります。

5.ワークロードの [作成] から [スターターアプリケーションの作成] を選択します。

6.今回の検証では、[基本 Web アプリケーションの作成] を選択します。

7.設定値はデフォルトのままにしてデプロイします。

デプロイが完了するまで数分かかります。

8.外部IP にアクセスします。

9.テストサイトが表示されました。

Azure の 手順は以上です。

Google Cloud のコンテナサービスを使ってみる

Google Cloud のコンテナサービス製品名は Google Kubernetes Engine (GKE)  です。

GKE の公式サイト

引き続き、Google Cloud にもコンテナを作成しましょう。

※cloud コマンドおよび kubectl コマンドは導入済みとします。

 

1. Kubernetes Service を選択します。

2.クラスタを作成します。今回の検証では、GKE Autopilot モードを選択します。設定値はデフォルトのままにします。

3.今回の検証では、asia-northeast1 を選択し、その他の設定値はデフォルトのままにして作成します。

右下の [コマンドライン] をクリックすると、選択したパラメータを含む gcloud コマンドラインを確認することができます。このコマンドラインを CLOUD SHELL で実行する方法でも同様のクラスタを作成することができます。

 

クラスタが作成されるまで数分かかります。

4.下記コマンドラインで Docker Hub から httpd2.4.10 のイメージをローカルにダウンロードし、Google Container Registry にアップロードします。

#docker pull httpd:2.4.10
#docker tag httpd:2.4.10 asia.gcr.io/[プロジェクトID]/httpd:2.4.10
#docker push asia.gcr.io/[プロジェクトID]/httpd:2.4.10

5.クラスタに接続します。作成したクラスタのメニューより [接続] をクリックします。

6.表示されたコマンドライン を CLOUD SHELL で実行します。

7.下記コマンドラインで Depoloyment を作成します。

#kubectl create deployment hello-server --image=asia.gcr.io/[プロジェクトID]/httpd:2.4.10

8.下記のコマンドラインで LoadBalancer Service を作成し Deployment を公開します。

#kubectl expose deployment hello-server --type LoadBalancer --port 80 --target-port 80

コンソール画面上にも作成したサービスが表示されました。

9.エンドポイントにブラウザからアクセスすると、テストサイトが表示されました。

Google Cloud の 手順は以上です。

まとめ

いかがでしょうか、Azure と Google Cloud でコンテナを立ち上げ、テストサイトを表示するまでを実践しました。

 

Azure ではサンプルアプリのデプロイもコンソール上で行えたため、スムーズに実施できました。今回は、あらかじめ用意されているサンプルを使ってデプロイしましたが、Azure Container Registry を利用することで、httpd などの Docker オフィシャルイメージを利用したデプロイも可能です。

Google Cloud では、クラスタを作成するにあたって2つのモードがあります。今回は GKE Autopilot モードで簡易的にクラスタを作成しました。クラスタ作成の手順は全てデフォルトのままでも作成できました。

 

今回実施した 4 つのクラウドでは、サンプルアプリケーションの起動までの手順は Azure がシンプルでスムーズに実施できました。コマンドを使用せずに、コンソールのみでサンプルアプリケーションの起動ができるのはわかりやすかったです。

 Alibaba CloudAWSAzureGoogle Cloud
コンテナ製品名ACKEKSAKSGKE
コンソールのわかりやすさ
直感的な操作
起動まで所要時間約10分約10分約10分約10分
作成ステップ数4423
最小設定項目数1 (インスタンスタイプ)2 (ロール、VPC)01 (モード選択)
特徴・イメージを GUI から選択可能

・ロールや VPC の設定が必要

・コンソールよりコマンド推奨

・コンソールでアプリケーションの起動まで可能・デフォルトの設定で作成可能

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