2019年1月1日から放送が開始されたソフトバンクの新しいテレビCM。
「しばられるな」をテーマに、いきものがかりがCMのために書き下ろした新曲『WE DO』に乗せて、広瀬すずさん、宮本浩次さん、田中圭さん、吉沢亮さん、清原果耶さんの5人が自身を力強く解放していくエネルギッシュな映像に、「これまでのテレビCMと違う!」と感じた方も多いのではないでしょうか。
このテレビCMを手がけた、エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/CMプランナーの澤本嘉光さんに、テレビCMの新シリーズに込めた思いを聞いてきました。
澤本嘉光さんプロフィール
1966年、長崎市生まれ。1990年、東京大学文学部国文科卒業、電通に入社。エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/CMプランナーとして、長年にわたりソフトバンクの白戸家シリーズを手がける。クリエイター・オブ・ ザ・イヤー(2000年、2006年、2008年)を始め、数多くの広告賞を受賞。
ソフトバンクがやってきたことを、もう一度言葉にする
さっそくですが、新テレビCMのテーマ「しばられるな」への思いを教えてください。
「しばられるな」の発想はとてもシンプルで、ソフトバンクがこれまでやってきたことをもう一度言葉にしただけなんです。テレビCM制作に10年ほど携わってきて感じているのは、ソフトバンクは良い意味で“常識を裏切る”企業だということ。「予想外」などもありましたね。個人的には、通信業界で新しい地平を切り開いてきたイメージを持っています。
でも最近、それは自分が長年かかわっているから分かることなのかもしれない、と思うようになりました。特に若い人にとっては、ソフトバンクらしさが分かりにくくなっているのかもしれない。やんちゃな姿を知っている身としては、少しもどかしいような気持ちもあったんです。
新CMのテーマを考えるために、ソフトバンクのDNAを改めて顕微鏡で拡大してみたら、やはり「しばられるな」だろうな、と。この言葉は奇をてらったものではなく、ソフトバンクをそのまま表現しているつもりです。
今回のCMは、音楽のイメージがとても強いですね。
音楽をCMの軸にしたのは広告手法の観点からです。動画SNS放題の「ウルトラギガモンスター+」など、ソフトバンクの「しばられるな」をたくさんの人に伝えるためには音楽が最適だと考えました。今は動画を見ながら音楽を聴いている人も多いですし、良い音楽は人の心を動かすインパクトを持っているからです。
いきものがかりの楽曲も印象的でした。
とんがっている音楽も好きでYouTubeで見たりするのですが、多くの人に届けるためには王道、メジャーであることも大切です。11月に活動を再開したいきものがかりは音楽に力があって、アーティスト性も非常に高い。開拓者であるソフトバンクのイメージにぴったり合っていると思っています。
キャスティングのテーマは「かっこよく暴れられる人」
CM出演者も個性的なメンバーですが、どういった意図でキャスティングされたのですか?
メンバーの年齢層は意識しましたが、キャスティングのコンセプトを一言で言うと「かっこよく暴れられる人」です。
今回のテレビCMは演出家と一緒に考えて、出演するメンバーが自分自身を力強く解放していく姿を表現をしているのですが、一歩間違えると荒っぽい印象を与えてしまう可能性があります。
広瀬すずさん、宮本浩次さん、田中圭さん、吉沢亮さん、清原果耶さん。この5人は凛とした強さがあって、思いっきり暴れていてもどこか“品”がある。私はソフトバンクもかっこいい存在であるべきだと思っているので、このメンバーに出演していただきました。
新テレビCMを手がけられた立場として、改めて一番の見どころを教えてください。
やはり音楽と広告がコラボレーションしている点ですね。アーティストが生み出した素晴らしい音楽、そして映像を楽しんでいただけたらうれしいです。
もし新テレビCMを見て「これまでのイメージと違うけど、良いかも」と感じていただけたとしたら、それはアーティストの力によるものといっても過言ではありません。
実は、今回のようにアーティストとタッグを組んでゼロから作り上げたテレビCMって、世の中にほぼ存在しないんです。ソフトバンクでも初めてのケースですよね。今回は「しばられるな」がテーマなだけに、自分自身も前例にとらわれることなく提案をしましたし、ソフトバンクでCMにかかわっている皆さんも同じ気持ちだと思います。
新しいテレビCMが世の中でどのように受け止められるのか、今からとても楽しみです。
ありがとうございました。
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- ※澤本さんのインタビューは2018年12月下旬に行いました。
(掲載日:2019年1月8日)
文:ソフトバンクニュース編集部