
今や、日常生活の良き相談相手になってくれる生成AI。ビジネスからプライベートまで、さまざまなシーンで活用されていますが、中でもその“褒め上手”の特性を生かせば、続けるのが苦痛なことも楽しく継続できそうです。
そこで今回は、編集部メンバーがChatGPTを補助的に活用して、約1カ月(4週間)のダイエットにチャレンジしました。毎日の記録やモチベートまで、ChatGPTとの伴走の様子をレポートします。
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本企画は、健康状態に大きな問題のない成人を想定した内容です。有疾患者の方、高齢者の方、妊娠・授乳期の方等は適していません。実際の効果や感じ方には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。
ChatGPTを活用して、楽しくダイエットにチャレンジ!
なかなか継続が難しいダイエット……。これまでに何度も「ダイエットをしよう!」と心に決めるも、その度に挫折を味わっています。そこで、今回は「楽しく無理ない範囲で続けられること」を一番の目的に、生成AIの中でもよく使用されているChatGPTを活用することにしました。
ChatGPTはあくまでも補助的な“伴走者”
今回、ChatGPTはあくまでもダイエットを補助してくれる“伴走者”として使用しました。近年、生成AIは目覚ましいスピードで進化しているとはいえ、誤った情報を回答する可能性もあります。安全性を確保するため、ダイエットの大まかな方針は、ソフトバンクが提供するヘルスケアアプリ「HELPO」の管理栄養士に監修してもらいました。
筋肉量の減少・代謝低下・リバウンドなどのリスクを避けながら、健康的に体を整えるために定めたダイエットの方針は、次の通りです。
- 「食事の調整+有酸素運動」の組み合わせを基本とする
- 食事の調整は、普段の食事量を考慮した無理ないものとする※
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ダイエット開始前に予め3日間の食事をChatGPTに記録し、平均摂取カロリーを算出。そのうえで、今回はそこから食事と運動で1日あたり計240〜480kcal減らすことを目指しました
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1㎏減量するには7,200kcal削減する必要があるとされており、1カ月で1〜2kgの減量の場合、7,200〜14,400kcal、30日で割ると240〜480kcalとなります
その上で、ChatGPTには以下のような役割を与えました。
- 食事や運動の記録管理(カロリー計算)
- 挑戦者のモチベーションアップ
実際にChatGPTに出したプロンプトが、こちらです。
今日から1カ月間のダイエットをスタートします。
ダイエットを楽しく無理ない範囲で続けるための伴走をしてください。
具体的には、
- 食事内容の写真やメモ
- 運動メニュー
- 毎日の体重
を報告するので、カロリー計算とモチベートをしてください。
#条件
- 毎日の摂取カロリーは、食事と運動を併用して、1905kcalから1日平均で240〜480kcalを減らすことを目標にします。
- この削減カロリーは食事と運動で半分ずつが理想です。
- 摂取カロリーは日本食品標準成分表2025をもとに計算してください。
- 消費カロリーは厚生労働省のメッツ表をもとに計算してください。
- ある特定の栄養素を制限するような回答は控えてください
- 運動も非現実的な指示は出さないでください(ウォーキングを毎日2hなど)
すると、ChatGPTからは次のような回答が。

実に頼もしい限りの答えが返ってきました。満を持して、ダイエット期間スタートです。
より効果的にダイエットしたい人はもうひと工夫
今回は、ダイエットを楽しく続けることを主眼に置いたため、栄養バランスについては細かく指示を出していません。もっと効果的にダイエットしたい方は、「PFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物)が整った食事内容になっているかチェックしてください。PFCバランスは、P:13〜20%、F:20〜30%、C:50〜65%を目安にしてください」「野菜の摂取量が1日350g確保できているか確認してください」など具体的な数値を織り交ぜるといいでしょう。
実録!ChatGPTが寄り添う1カ月間のダイエットレポート
ここからは、週ごとのダイエットレポートをお届けします。
1週目:食事写真からおおよそのカロリー算出も。前向きなアドバイスで習慣づくりに成功
ダイエット初日。ChatGPTには、写真と簡単なメモで食事内容を報告していきます。

画像から量を自動で算出してくれるのは、うれしいポイント。1日の終わりには、運動メニューと体重も報告します。体重は55.2kg、BMI23.9からのスタートです。



初日は目標よりも削減カロリーが多めだったこともあり、かなりポジティブな言葉を返してくれました。
編集メンバーとして慌ただしく日々を過ごす中で、1日3回の食事の記録を残すことが最初は手間に感じましたが、忙しいときはとりあえず写真だけアップロード。後から正確な量や具材をテキストで補足すれば、計算し直してくれるので、とにかくまずは習慣化できるよう、自分にとって負担にならないレベルで報告し続けることを心掛けました。
この調子でChatGPTに励まされながら、1週目は−0.2kgの55.0kgという結果に。体重にほぼ変動はありませんが、何とか1カ月続けられそうな気がしてきました。

1週目の結果: ー0.2kg
2週目:体調不良の日はやさしく寄り添う助言で無理のない継続をサポート
引き続き、ChatGPTに毎日コツコツ報告。
この週の2日目は体調が優れず、あまり食が進まなかったので、昼食はコンビニエンスストアで購入したおにぎり2個で済ませました。試しにパッケージの栄養成分表示の写真を送ると、正確な数値の読み取りに成功。「手軽でいいな」と思ったので外で買ってきたものを食べるときは以降もこの機能を活用しました。

ちなみに、このような摂取カロリーが少ない日は「明日はちょっと多めに食べても問題ありません◎」とアドバイスがあり、不健康なダイエットにはならない安心感がありました。
最終日も体調があまり優れず、体重測定をスキップしてしまいましたが、前日時点でスタート時からー0.6kgの54.6kg。若干ですが、体重が落ち始め、モチベーションが上がります。
また、体調の変化を報告すると、こんなアドバイスも。

決して無理な助言をされることはなく、やさしく背中を押してくれます。

2週目の結果: ー0.6kg
3週目:食べ過ぎた日はリカバリーの提案も。心が折れるタイミングをAIと乗り切る
ダイエット期間も後半戦に突入しましたが、3週目には忘年会が。チキンにラザニア、ケーキの盛り合わせ……とついつい食べ過ぎてしまい、体重も少し増えてしまいました。


さすがに指摘が入るかと思いきや、返ってきたのは『こういう日、ぜんっぜんアリだし、むしろダイエットを長く続ける上で大事な「楽しみデー」だよ😊✨』という言葉。
またその後、こちらから特に指示を出さなくても、次のようなリカバリーメニューを提案してくれました。

こちらの罪悪感を打ち消すような、前向きな言葉に励まされます。
次の日以降、このリカバリーメニューの指針に従い、「前日オーバーした分を取り戻さなきゃ!」と焦ることなく、淡々といつも通りの食生活+運動メニューに戻していきました。
しかし、3週目はカロリーオーバーしてしまった日もあり、前週から+0.1kgの54.7kg(スタートからはー0.5kg)で終えることになりました。

3週目の結果: ー0.5kg
4週目:最後の追い上げ!モチベーション維持し、完走を目指す
ラスト1週間となり、毎日の報告がやや面倒になってきた頃、モチベーションアップのために、これまでの体重変化をグラフにしてもらうとともに、完走に向けてアドバイスをもらいました。

体重が落ちていることが可視化され、モチベーションが上がっていきます。
また、アドバイスはいくつかありましたが、中でも無理のない「今週のミニ目標(超現実的ver)」が、「これだけはクリアできるようにしよう」と気持ちを奮い立たせてくれました。

※ミニ目標の「C型」は、この直前に回答があった食事パターンの提案内容を指しています
そんな「ミニ目標」も参考にしつつ、何とか4週間のダイエット期間が終了。果たして、1カ月でどれくらい減量できたのでしょうか。
結果はいかに。楽しく続けられるダイエットは成功?

最後に、1カ月のダイエット期間を振り返ります。
ダイエット期間が終了し、最終的な体重はスタート時からー1.3kgとなる53.9kg、BMI23.3でした。最後の1週間は、特にー0.8kgと減量幅が大きくなりました。

結果
体重 55.2kg → 53.9kg ( ー1.3kg)
BMI 23.9 → 23.3
1カ月のダイエット期間を終えて、体調は良くも悪くも大きな変化を感じませんでした。気持ち的には、少し身軽に動けるようになった感じもしますが、少なくともエネルギー不足を感じたり、体調が悪くなることはありませんでした。
一般的なダイエット企画と比べると、劇的な減量には至っていませんが、当初から目指していた「健康的かつ楽しく続けられるダイエット」は実現できたのではないでしょうか。
ちなみに、1日のエネルギー削減量は、1カ月平均で約360kcal。最初のプロンプトで指示した「1日平均で240〜480kcalを減らすこと」に収めることができました。
1カ月ChatGPTと伴走してみて感じたメリットも紹介します。
メリット①毎日の報告は意外と面倒くさくない
チャット形式で食事内容や運動メニューを"ざっくり”報告できる手軽さが魅力に感じました。
ダイエットや食事管理の専用アプリはたくさんありますが、メニューや量を一つひとつ入力するのが意外と手間に感じたり、フォーマットがあることによってかえって「正確に入力しなきゃ」と義務感から続けるのが苦痛になってしまったりする人もいるのはないでしょうか。
それらと比較した場合、写真解析は誤差が生じる前提で活用するものにはなりますが、「朝ごはんは昨日と同じ」「昨日の鍋の残りでうどん」など、こちらの”ざっくり”とした報告でもカロリー計算をしてくれるのは、気楽で良い点だと感じました。
また、「⚪︎⚪︎(店名)のハンバーガー」などと入力すると、公式サイトの情報から正確なカロリーを探してきてくれるのも便利です。
メリット②画像からさまざまな情報を読み取ってくれる
写真と簡単なメモから、量や食材の種類を細かく読み取ってくれるのも頼もしさを感じました。かすかに映り込んだ食材も判別してくれるので、「こんなのも読み取ってくれるんだ」という驚きが。パッケージに記載のある栄養成分表示の数字も正確に読み取ってくれました。

かすかに見えるオリーブも画像認識
メリット③とにかく寄り添って励ましてくれる
一人でモチベーションを保ちながら続けるのが大変なダイエットにおいては、とにかく寄り添ってくれるChatGPTの存在が励みになりました。辛辣なフィードバックや低評価が返ってくることはなく、気持ち良くダイエットを続けられました。

少し重めの食事内容になった日もとにかく褒めてくれる
一方、ダイエット期間終盤にグラフ化など追加の指示を出した後、「1905kcalから1日平均で240〜480kcalを減らすこと」など、最初に出した指示の一部が忘れられることもありました。しかし、その場合は忘れられた指示をもう一度出すことで、期待する回答を再び得られました。
管理栄養士から見たChatGPTとのダイエット生活は?
管理栄養士視点では、ChatGPTと伴走したダイエット生活はどのように映ったのでしょうか? HELPOの川口智紀さんに、評価できる点と注意点をそれぞれ伺いました。
Good① 無理ない設計で「未来の行動」にフォーカスした助言がもらえる
川口さん 「極端な制限や非現実的な指示ではなく、『少し頑張ればできる』レベルの提案が継続性を高めていたのが良かったです。行動変容につながる具体的なアドバイスが得られているのではないでしょうか。
例えば、運動提案は、現実的かつ運動量としても妥当でした。今回、国から推奨されている身体活動量には達していませんでしたが※、運動習慣がない人にとっては、身体活動を取り入れる第一歩として評価できる水準と言えます。
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参考:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023では、18歳~64歳の目安として、歩行又はそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分以上行うことが推奨されています。
食事記録の心理的・実務的ハードルが低い点も魅力です。写真のみ、あるいは『昨日と同じ』といった簡易記録でも対応可能で、食事管理にありがちな“記録疲れ”を起こしにくくなっていると思います。
また、食べ過ぎた場合も、“過去の失敗”ではなく“未来の行動”に焦点を当てていることも評価できます。食べ過ぎ自体は推奨される行動ではありませんが、一般的なダイエットでは食べ過ぎによる自己否定や中断の方が問題になりやすい傾向があります。リカバリー提案と肯定的な声掛けにより、モチベーション低下を防いでいる点は、ダイエット支援として非常に重要です」
Good② 簡易的な記録でエネルギー収支を把握し、安定した減量経過に
川口さん 「減量経過が安定していたことも、良い点です。体重変動が週平均で右肩下がりとなっていて、急激な減少や反動的な増加が見られず、身体への負担やリバウンドリスクが比較的低い経過と言えます。
簡易的な記録であっても、エネルギー収支の傾向を把握できていました。写真や簡易メモを用いた記録から算出された平均エネルギー削減量(約360kcal/日)と、実際の体重減少(−1.3kg)は、計算上おおむね一致しています。簡便な方法でもエネルギー収支の傾向把握には有用である点は、AI活用の利点と言えるでしょう」
注意点① ハイペースは禁物。3カ月以上の継続で、1〜2%の減量を目指そう
川口さん 「結果的に、1カ月で2.4%の体重減少はややハイペースでした。『1~2㎏』と絶対値で目標設定するのではなく、『1~2%』と割合で設定した方が、個人差に配慮した安全な設計となります。今回、ダイエット期間を1カ月に定めましたが、新しい生活習慣が定着するためには、一般的に約3カ月を要するとされています。『お試しは1カ月、目標は3カ月以上』と定めてダイエットを行うことを推奨します。
また、1週目のレポートで、1日695kcal削減を高評価している場面がありましたが、目標としていた480kcalを超える削減は、筋力低下・体調不良・反動のリスクが高まるため不適切です。このような日は『頑張りすぎ』のアラートを出す設計にすると良いでしょう」
注意点② 運動は筋力トレーニングも取り入れよう
川口さん 「今回、運動内容が有酸素運動(ウォーキング)中心となっていて、筋力トレーニングはほとんど行っていませんでした。ウォーキングは取り組みやすく安全性も高い一方で、筋肉に十分な負荷をかける運動ではないため、筋力や筋量を保つという点では限界があります。健康的な体づくりや長期的な体重管理を考える場合、筋力トレーニングに関する助言ももらえるような設計にすると良いでしょう」
時に、利用者の意見や悩みに「寄り添い過ぎてしまう」という生成AIの特性が問題になることがありますが、使い方次第でその特性も良い方向に作用すると実感できた1カ月のダイエットチャレンジ。ダイエット以外にも、続けるのが大変な筋力トレーニングや語学学習にも応用できるかもしれません。

ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
川口 智紀(かわぐち・ともき)さん
管理栄養士。病院にて給食管理および栄養管理業務に従事。その後フリーランスとして特定保健指導を担当。現在はHELPOにて、特定保健指導を中心に、コラム執筆や管理栄養士相談窓口対応など幅広く携わっている。
(掲載日:2026年1月6日)
文・編集:エクスライト
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