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こんなところでも活躍する衛星電話!小笠原ヨットレースに行ってきた

人工衛星を使って通信を行う衛星電話。
地上のインフラに依存しないため、通信エリア外となる海や山だけではなく、大規模災害発生時など通常の携帯電話がつながりにくい状況で真価を発揮します。東日本大震災をきっかけに、その有効性が改めて認知され、徐々に注目度が上がっているようです。

そんな衛星電話が意外なところで活用される、といううわさを耳にして、5月2日から7日まで開催された「小笠原ヨットレース2017」(主催:公益財団法人日本セーリング連盟加盟団体 外洋三崎)に行ってきました♪

ソフトバンク衛星電話

「小笠原ヨットレース2017」は、小笠原諸島の父島・二見湾をスタートし、三浦半島・小網代沖のフィニッシュラインを目指す、総航行距離500マイル(約926km)にもおよぶロングレースです。
2018年に迎える「小笠原返還50周年」記念事業として、12年ぶりに開催された今回の大会には、12艇の精鋭が集結しました!

役目は…海上でのライフライン!

コースのほとんどは、陸から遠く離れ、島ひとつない海に囲まれた「外洋」なのだとか。その過酷な環境の中を、夜も交代で休むことなくヨットを走らせ続け、フィニッシュラインを目指します。ハードですね…。

レースが行われるエリアの大部分は、通常の携帯電話などは使うことができません。
今回ソフトバンクでは特別協賛企業として、参加艇や陸上の運営拠点に、本大会の通信手段となるようレースエリア全域をカバーする衛星電話を貸与することになりました。

昼夜問わず競い続ける過酷なレース

レース中、参加艇は陸上本部にロールコール(定時連絡)として毎日2回、自艇の現在位置情報、ヨットのスピード、気象・海象状況、艇や人員の状態などを報告することが義務付けられているそうです。

ソフトバンク衛星電話でロールコールを実施

洋上の参加艇だけでなく、三浦市三崎の陸上本部でも、外部アンテナ(屋内ソリョーション)を設置して衛星電話を活用。5月2日午後12時のスタートから、5月6日早朝に最終艇がフィニッシュするまで、外洋を走る参加艇と陸上本部とをつなぐ貴重なライフラインとして活躍していました!
また、ロールコール以外にも、海上を走る艇に何らかのトラブルが起きた場合、緊急通信用に衛星携帯電話を使うことも想定されていたそうですよ。

三浦市三崎の陸上本部に設置された外部アンテナ/受信側の衛星電話

衛星電話の製品情報をチェック!

レース結果やその魅力を、小笠原ヨットレース2017実行委員会の安藤さんにレポートしていただきました!

「小笠原ヨットレース2017」レポート

ヨットレースにはさまざまな形態があるが、ハイパフォーマンスボートの高速走行で競い合う、アメリカズカップのようなヨットレースをF1に例えるのであれば、陸地から遠く離れた外洋という厳しい自然を相手に、昼夜を問わず艇を走らせ続けるロングオフショアレースは、ラリーに例えてもいいかもしれない。艇を速く走らせる技術はもちろんだが、周囲には誰もいないところを何日も走る訳だから、さまざまな航海術を身に着けていなければならないことは言うまでもない。

小笠原ヨットレースの舞台も「外洋」が大半を占めるため、決して楽ではない厳しい環境。だからこそクルーザーレーサーの多くが憧れる。前回(2005年)の参加艇はわずか3艇だったが、今回は12艇もの参加艇が集まったことは、それだけでも日本のセーリング界にとって大きなニュースだと言えるだろう。相模湾、茨城・大洗、東海、そして西宮と、最大55ftから最小33ftまで、さまざまなメンバーがスタート地である父島に集まった。

突き抜けるような青空が広がり、灼熱の太陽が照りつける美しい小笠原の風景の中、5月2日午後12時に、参加12艇がスタートラインを切る。

風のコンディションもバッチリで、各艇が一路、三浦半島に向かって北上していく。世界遺産の猛々しい岩礁と青い海、それに参加艇の色とりどりのセール(帆)のコントラストが織り成す景色は、見ている者にヨットの醍醐味を伝えてくれるに十分であった。

レースでは、風の変化を予測し黒潮の流れを読み、さらに見えない相手との駆け引きに知恵を絞る──。五感をフルに活用し、休むことなく戦い続けなければいけない。これこそ、ロングオフショアレースの醍醐味なのだ。幸いにも今回のレース期間中は風にも恵まれ、各艇が順調に歩みを進めることができた。

トップフィニッシュは、「1122トレッキー」(新田 肇オーナー)。最後の最後で微風に翻弄されたものの、スタートしてから2日と20時間37分49秒後の5月5日8時37分49秒に、無事に小網代沖のフィニッシュラインをトップで切ることとなった。最終艇「サユト」がフィニッシュしたのは、翌6日早朝の5時24分7秒。全体を通じて、非常に早いレース展開となった。

ちなみに、大小さまざまな艇で競うオフショアヨットレースでは、あらかじめ決められた各艇のハンディキャップ係数を用いて最終順位を決める。その結果、IRC部門では「アンディアーモ」(野口 哲雄オーナー)、ORC部門では「マゼランメジャーVII」(廣瀬 純也オーナー)が、それぞれ総合優勝。5月7日に三崎港で開かれた表彰パーティーの場では、両艇のメンバーが歓喜に湧いた。

なお、今回のレースは、「小笠原返還50周年記念事業」の最初の事業となっている。そのため、レースのみならず、父島や母島では現地の中学生・高校生を対象としたヨット体験試乗会を参加艇の協力で実施するなど、地域との交流にも力を入れている。
残念ながら、悪天候のために母島での体験乗船会は中止となってしまったものの、父島での体験乗船会には、約230人の中高生が参加。父島の人口が約2,000人というから、この人数たるや、非常に意義深い。海やヨットを通じて、たくさんの人たちが交流する機会となったことを、最後に付け加えておきたい。

小笠原ヨットレース2017 公式サイト

小笠原ヨットレース2017 公式サイト

Facebookページ

(掲載日:2017年5月24日)
文・写真:小笠原ヨットレース2017実行委員会
文:ソフトバンクニュース編集部