SNSボタン
記事分割(js記載用)

自律的に進化をし続ける「Autonomous Building」の実現へ。4社で取り組む次世代ビル管理への挑戦

近年、オフィスビルに求められる機能は大きく変化しています。入居者の快適性や多様な働き方をサポートする機能のほか、少子高齢化による人手不足や運用コストの上昇、脱炭素社会といった社会課題への対応も求められるようになっています。こうしたニーズに対応する次世代ビル「Autonomous Building(オートノマスビルディング)」の実現に向け、東急不動産株式会社、株式会社東急コミュニティー、SynapSpark株式会社、ソフトバンクの4社は、2025年8月に基本協定を締結。背景や今後の展望を各社の担当者に聞きました。

ビルが自律的に進化する「Autonomous Building」。データやAIを活用し、あらゆるビルの管理業務を最適化

Autonomous Buildingとは、AIやIoT、ビルOSを活用して自律的に進化し続ける、ソフトバンクが提唱する次世代のスマートビルのことです。これまでのスマートビルでは、ビル内部の設備システムと外部で開発されたアプリケーションとの連携が難しく、ビル全体に関わるデータ分析や運営の効率化ができないことや、最新の技術による恩恵を受けられず時間と共に、ビルの価値が低下するなどの問題がありました。

Autonomous Buildingでは、これまで空調や照明、防犯カメラなど個別に最適化されていた各ビルの設備システムのデータを一元的に管理・連携する仕組みを、ビルの基本機能として組み込みます。これによって、ビル全体で設備の稼働状況やエネルギーの利用状況などをリアルタイムかつ総合的に最適化できるようになるほか、外部のアプリケーションと連携して自律的な運営を実現し、機能を拡張していくことで進化し続けることが可能となります。

2023年から東京ポートシティ竹芝での実証を開始

ソフトバンクの本社が入居する東京ポートシティ竹芝では、2023年からデータ連携による清掃・警備・エネルギーマネジメントなどのビル管理業務を最適化する実証を進めてきました。オフィスビル内には、IoTセンサーや防犯カメラを活用しているほか、清掃・警備ロボットなども2020年から導入しています。

エレベーターと連携した清掃ロボット

天井に取り付けられたセンサーカメラ

清掃ロボットや不審者監視ロボット、ビル内に約1,400あるセンサーなどで取得したデータは可視化され、ビルマネジメントを請け負う管理室で24時間いつでも確認できます。

ビルが開業した2020年当時は、混雑度や空き状況など「データを取得してビルの管理室や利用者に情報を届ける」ことに取り組んでいました。集めた情報をさらに活用するため、数年かけてデータを活用したビルメンテナンスのユースケースを模索してきました。

センサーで集めたデータの活用に向けた実証事例として、「トイレの利用状況」や「ゴミ箱にどれだけゴミがたまっているか」といった情報から、清掃員の巡回回数や、ゴミを回収するタイミングを最適化しています。東京ポートシティ竹芝では、実際に清掃員の業務時間の削減を実現したほか、年間で約2t分のCO2削減や、8万2,000L分の水の使用量削減も実現しています。

4社の知見を掛け合わせ、Autonomous Buildingの実装を目指す

左から、SynapSpark 上田信吾さん、ソフトバンク 田口翔太、東急不動産 佐々木凜乃さん、東急コミュニティー 久枝茂さん

それぞれの会社はどのような役割を担っているのでしょうか?

「東急不動産は施設運営者として、東京ポートシティ竹芝やこれから実証を開始する渋谷ソラスタといった実証フィールドなど、データの取得をするためのエリア提供が主な役割です」

「現場管理のノウハウ提供が東急コミュニティーの役割になります。例えば、ビルを管理していくのに何が必要なのか、どういった保守をしていけばいいのか、など当社がノウハウとして蓄積してきたものをAutonomous Buildingにつなげることができればと考えております」

「ソフトバンクは、ビル管理のノウハウなどをセンサーやAIで検知して、可視化していくためのビルのOSやサービスを提供します。AIやネットワークの統合技術など、ITのプロフェッショナルとともに、実装に取り組んでいきます」

「Autonomous Buildingを実現していくにあたって、ビルごとの要素をしっかりと分析していく必要があります。ビルごとに設備の種類や構成、センサーなどで取れる情報や形式なども異なるので、それぞれのビルに合った形のユースケースへの落とし込みにSynapSparkの建築・ITの知見を発揮していきたいと考えています」


センサーカメラから分析した出入り口付近の人数推移

 

今回の提携の背景について教えてください。

「まずはこの4社で力を合わせて、Autonomous Buildingの実装に向けて手を取り合って行くことを大きな目的としています。1社だけでは成し得えませんので、各社それぞれの知見を掛け合わせて、実装していく体制をこの連携協定で作り上げました。東京ポートシティ竹芝の開業からこの5年間、スマートビルの運営に取り組むなかで、ソフトバンクは推進力や新たな価値を生み出す力が、IT企業の中でも群を抜いていると感じています。そうした背景から、今後も一緒に取り組みを進めていくことになりました」

「2020年にスマートシティ事業を立ち上げて以来、AI技術やプラットフォーム技術を建物に応用することに取り組んできました。不動産は頻繁に建て直しなどがされるものではないので、ソフトバンクの技術を活用してビルの価値を継続してアップデートできる仕組みを提供し、ビルの利用者や管理会社の皆さんの満足度を高めていきたいと思っています」

「ビル管理においては人材不足や人件費の高騰といった課題があり、その答えの1つがAutonomous Buildingではないでしょうか。人手が足りない状況でも、代替できる仕組みをAutonomous Buildingで提供できればと考えています」

出社回帰の動きが進んでいる中で、オフィス需要はどのように変化していますか?

「コロナ禍でリモートワークが普及した後、現在の出社回帰のトレンドを受け、従業員の方々がオフィスに行く理由を意識されるテナントが増えています。オフィスという設備を作るだけでなく、オフィスに行く理由や価値をしっかりと提供していく必要性を感じています」

「出社を再開したいと考える企業が増えている中で、私たちが提供できる価値は、ユーザーニーズに寄り添うオフィス環境や快適なビル共用エリアを数字の裏付けをもとに実現していくことです。スマート化によってソフト面でビルの価値を高めていくことが重要だと考えています」

今後の展望について教えてください。

「長期的には、周辺のビルと連携して管理を高度化する『群管理』も見据えています。そのためにもまずは、ビル単体での管理効率を高めながら、利用者に快適に過ごしていただけるような付加価値の向上の両立を目指し、一つずつステップを踏んで、Autonomous Buildingをしっかり作り上げたいと思います」

「4社の知見を掛け合わせ、Autonomous Buildingを実装し、業界をけん引していくサービスにできるように頑張っていきたいです。このようなスマートビルが広がっていくことによって、少子高齢化に伴う人手不足や運用コストの上昇、脱炭素社会への対応といった社会課題の解決にも貢献していきたいと考えています」

ありがとうございました!

関連プレスリリース

「Autonomous Building」の実現に向けて 次世代ビル管理に関する基本協定を締結(2025年12月11日、東急不動産株式会社、株式会社東急コミュニティー、ソフトバンク株式会社、SynapSpark株式会社)

(掲載日:2025年12月22日)
文:ソフトバンクニュース編集部

Smart City Project

ソフトバンクは東京・竹芝本社を起点に、都市開発のイノベーションパートナーとして、テクノロジーやデータを最大限に活用したスマートシティを目指し、建物やまちの社会課題解決に取り組んでいます。

ソフトバンクのスマートシティの
取り組みを詳しくみる

ソフトバンクの
スマートシティの取り組みを
詳しくみる

(掲載日:2025年12月22日)
文:ソフトバンクニュース編集部