生成AIのスキル無しで利用ができる問題作成・テスト・採点ツールで先生の負担軽減を実現　　　　　　　　　　　　－教育現場における生成AI利用の課題②

２．ソフトバンクが開発した「先生AIアシストLab」のこだわり

現場の先生たちのリアルな声をうけて開発が始まったソフトバンクの「先生AIアシストLab」は先生が特別なスキルを持っていなくても簡単に生成AIを活用し、業務負担を負担を軽減することをコンセプトとして掲げています。

先生AIアシストLabでは、プロンプトを入力する必要がないことをこだわりました。チャット形式のプロンプトの入力は柔軟である反面、入力したプロンプトでクオリティが大きく変化し、プロンプトエンジニアリングといったプロンプト最適化スキルが高ければ高いほどより良い成果が出る特性を持っています。しかし、忙しい先生たちはプロンプトスキルを向上している時間がないので、とにかく簡単に導入できるようにプロンプトを入力しないことにこだわりました。

さらに、直感的なユーザーインターフェース（UI）、データ連携機能、チューニングが施されており、先生たちが容易に生成AIを活用できる環境を提供しています。

３．「先生AIアシストLab」でできること

前回の記事で、時間外業務の大きな割合を占めるのが教材・テスト作成や採点等の「授業の準備・成績処理」であることが「全日本教職員組合「教職員勤務実態調査 2022」」から読み取れる旨を紹介しました。

そのような時間外業務負担を改善するために、ソフトバンクでは問題作成、テスト、採点といった業務を生成AIが肩代わりする先生AIアシストLabを開発しました。先生AIアシストLabは、先生たちの手間を大幅に削減します。もちろん、プロンプトを入力する必要がないように設計しています。

先生AIアシストLabは主に下記3つの機能を提供しています。

１）問題作成

２）テスト

３）採点

各々の機能詳細を紹介していきます。

１）問題作成

学習教材をPDFでアップロードするだけでその内容に応じた問題を自動生成する機能です。

プルダウンやボタン選択で問題数や問題形式（4択、記述式、穴埋め等）を指定するだけで、問題作成と、設問ごとの解説も自動生成されます。先生がプロンプトを入力する必要はありません。

また生成AIが作成した問題や解説に対する先生チェックのための編集機能も実装しており、ハルシネーションなどを先生の目で防げる仕組みが組み込まれています。

２）テスト

作成した問題を保存し、回答用の画面で表示する機能です。

回答用画面はURLで出力されるため、わざわざ紙に印刷することなく児童生徒にURLを配布して問題に取り組んでもらうといった利用方法も選択可能です。

３）採点

児童生徒の回答に対し、ボタンを押すだけで自動採点ができる機能です。

先生AIアシストLabでは

• ひらがなでも正解
• 意味が正しければ正解
• 特定のキーワードが入っていれば部分点付与　　

など、柔軟な条件付け／採点が可能となっています。

従来の機械学習型では、答えと回答が完全一致していなければ正解と認識されないため記述式問題の採点が困難でしたが、生成AIの技術が採点における柔軟さを備えているため軽減負荷に役立つものと考えています。

４．先生の働き方改革を加速

先生AIアシストLabの機能は、前回のブログで挙げた現場課題に以下のような効果があります。

• 課題１：先生の働き方改革が停滞している
  テスト問題の生成や採点を生成AIが行う：先生の業務を生成AIがサポートすることで、先生の時間外業務を削減し先生の働き方を改善する

• 課題２：先生の生成AIの利活用が定着していない
  かんたんに生成AIを活用できる：生成AI活用のためのスキル学習が不要。先生の生成AI活用定着化の後押しになる

• 課題３：生徒が生成AIを学ぶ環境を整える
  児童生徒がいつでもテストを実施できる環境ができる：新指導要領の一つである「主体的に学習に取り組む態度」の育成の基礎となる

まとめ

先生AIアシストLabは、明確な生成AI利用用途と先生に生成AIのスキルが無くても簡単に活用できる機能・ユーザーインターフェースを備えています。

生成AI活用による校務DX・先生の働き方改革を加速させ、その先の新指導要領に準拠した教育の実現に向けて、ぜひ先生AIアシストLabの利用を検討いただければと思います。

関連サービス