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危機はむしろ新しい時代へのパラダイムシフトを加速させる ーソフトバンクグループ株式会社 2020年3月期 決算説明会レポート

2020年5月18日、ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)が、2020年3月期 決算説明会を開催しました。当日は代表取締役会長 兼 社長の孫正義が登壇。冒頭、新型コロナウイルスを発端とする世界情勢に触れ、2019年度業績の総括について説明を始めました。

2019年度の連結業績は売上高は上がるも、営業利益や当期純利益がマイナスに

新型コロナウイルスにより、ソフトバンクグループも影響を受けたとしつつ、「日本国内の通信事業はコンスタントに業績を伸ばしており、売上高にはあまり大きな影響がなかった。一方、営業利益や当期純利益は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)などが大きな影響を受け、会計上マイナスになった」と述べました。

次に触れたのは、株主価値。「株主価値が2019年末の23兆円から1.4兆円減ったことについて重く受け止めてはいるが、ネットバブルがはじけた際に、ソフトバンクの時価総額は100分の1に減った。そのどん底の状況と比べると、大きなショックを受けるほど減ったという程ではない」としながらも、厳しい世界の状況を踏まえ、自己株式取得と負債削減のための4.5兆円のプログラムで得た資金を使って行う2兆円の自社株買いのうち、5,000億円の自社株式取得を決定したことをこの日発表しました。また、今後予定している資金調達を元に、さらなる自社株式取得と財務改善に努めると話しました。また、純有利子負債の保有株式に対する比率で表す、重要な財務健全性のバランスを表す指標であるLoan to Value(LTV)は、平常時の目安である25%未満での運用設定に対し、14%とさらなる安全運転を試みていると話しました。また、2020年度の配当方針を未定としました。

新型コロナウイルスで時代が変わる。新時代を牽引する新たなテクノロジー

「新型コロナウイルスが世界的に拡大し、人類に対して大きな危機をもたらし、大変な影響を与えている。私たちは、社会貢献の一環として、多くの医療機関に一般・サージカルマスク、ゴーグル、防護服、フェイスシールドなどを無利益で提供したい。調達に多くの医療機関が困っている。抗体検査キットは医療機関に寄付、それ以外のものは調達コストと実費のみ、1円も利益を取らずに提供する。ただ、本業を通じて社会貢献することが、一番重要。また、ユニコーン企業について、上り坂を一所懸命駆け上がっていたユニコーンが、本来ならばそのまま登って行くところ、突然コロナの谷がやってきた。大変な危機ではあるが、中には大きく羽ばたくユニコーンも生まれると、私は信じています。新しい時代を作っていく、新しい事業を起こすユニコーンや起業家たちを支援することが役割だと考えている」と決意を示しました。

最後に「1929年に起きた世界恐慌は、自動車や電化製品などの当時の新産業が牽引し、回復した。現在の状況も同様に、オンライン医療を始めとする新たなテクノロジーが牽引するのではないか。ビジョンはぶらさずに未来へ向かっていきたい。この危機はむしろ、新しい時代へのパラダイムシフトを加速させると捉え、今後も挑戦していきたい」と述べ、説明会を締めくくりました。

資料

プレゼンテーション資料(PDF形式:1.87MB/94ぺージ)

(掲載日:2020年5月18日、更新日:2020年5月19日)
文:ソフトバンクニュース編集部