
いつ、どこで起こるか分からない地震や豪雨、津波といった自然災害。命を守るためには災害発生時のリアルタイムかつ正確な情報収集が求められます。
今回は、いざというときに役立つアプリ「Yahoo!防災速報」の多岐にわたる機能を紹介。あわせて、必要な情報を素早く手に入れる方法など、アプリを最大限に活用するコツを担当者にお聞きしました。
目次

話を聞いた人
LINEヤフー株式会社 「Yahoo!天気・災害」「Yahoo!防災速報」プロダクトリード
田中 真司(たなか・しんじ)さん
民間気象会社、一般財団法人気象業務支援センターを経て2008年にヤフー株式会社へ入社。「Yahoo!天気情報」「Yahoo!災害情報」の企画担当として10年以上天気・災害の業務に従事。雨雲レーダーの開発、「Yahoo!防災速報」の立ち上げに携わる。2014年に「Yahoo!天気・災害」のサービスマネージャーとして大阪拠点の開発チームを立ち上げ、現在に至る。

話を聞いた人
LINEヤフー株式会社 「Yahoo!天気・災害」「Yahoo!防災速報」デザイナー
米田 恵(よねだ・めぐみ)さん
2018年にヤフー株式会社へ入社。デザイン担当として天気・災害の業務に従事。災害マップ・防災手帳の開発に携わり、現在に至る。
災害の速報だけじゃない! 周辺のリアルタイム情報の取得から平時の備えまでアプリ一つで完結
「Yahoo!防災速報」とは、地震や津波、豪雨、土砂災害、熱中症など、あらゆる種類の防災に関する情報を正確かつスピーディに入手できるアプリ。自治体の発表や災害情報などそれぞれ自分で探しにいかなくても、自分に関係のある情報だけを必要なときに受け取ることができます。

「Yahoo!防災速報」アプリのダウンロードはこちら
①アラートや自治体の発表などの情報がすぐに受け取れる「災害情報」

「災害情報」ページでは、今いる場所に関する災害や注意情報をすばやく確認できます。
Yahoo!防災速報は全国約1,600の自治体と災害協定を締結しており、災害情報や自治体の発表をアプリで通知。わざわざ自治体のページなどで確認しにいかなくても、自分の設定した地域の情報をまとめてチェックできます。地震や津波、洪水といった大きな災害だけでなく、熊の出没などお住まいの地域に関する危険も知らせてくれます。

「災害情報」ページでは、今いる場所に関する災害や注意情報をすばやく確認できます。
Yahoo!防災速報は全国約1,600の自治体と災害協定を締結しており、災害情報や自治体の発表をアプリで通知。わざわざ自治体のページなどで確認しにいかなくても、自分の設定した地域の情報をまとめてチェックできます。地震や津波、洪水といったメジャーな災害だけでなく、熊の出没など身近な危険も知らせてくれます。
「防災速報という名の通り、スピード(速報性)が遅くならないように重視しています。2025年6月からは、災害時に自治体がメディアに情報伝達する共通基盤『Lアラート』と連携し、自治体の避難所開設情報をいち早くユーザーに届けられるようになりました。 この「自治体からの緊急情報」は「Yahoo!くらし」との連携で実現した取り組みですが、「Yahoo!くらし」では独自の入力フォームを各自治体に展開しており、自治体からのお知らせを詳細に発信することができます。これにより、スピードだけでなく、質の高い情報を届けることができるのも特長です」
②周辺地域の危険な場所が一目で分かる「災害マップ」
「災害マップ」では、地図上で災害がどこまで迫っているのか、どこが危険なエリアなのかを視覚的に把握することができます。このマップでは、河川の危険度や土砂災害の危険度だけでなく、周辺の避難所の場所などを確認することも。さらに、ユーザーが災害時の状況を投稿すると、その内容がマップに反映され、停電や浸水などの周辺の被害状況をリアルタイムで把握することができます。

「能登半島地震のときには、シャワーやトイレの施設場所、支援物資の拠点、給水所、通行止めになっている区域などの情報もマップに記載しました。災害ごとに、地域の住民が必要とする情報を適宜判断して、利用者がどこに何があるのかを地図上で確認できるようにしています」

災害マップ上で給水所や支援物資拠点、避難所の場所を確認
③平時こそ使いたい、備えるための「防災手帳」

災害時に身を守るためには平時からの備えが欠かせません。「防災手帳」ページでは、いざというときに備えて、日頃から準備をしておく内容が網羅されています。例えば、災害別に避難場所を決めておくことや、災害用伝言板などの安否確認サービスの使い方、ハザードマップ、災害別の行動などがまとめてあります。
また、「防災タイムライン」に自分の情報を登録すると、よりパーソナライズされた準備も可能に。世帯全員で防災用品は何がどれくらい必要なのか、自分が住んでいる場所はどの災害の危険性があるのかを確認することができます。

災害時に身を守るためには平時からの備えが欠かせません。「防災手帳」ページでは、いざというときに備えて、日頃から準備をしておく内容が網羅されています。例えば、災害別に避難場所を決めておくことや、災害用伝言板などの安否確認サービスの使い方、ハザードマップ、災害別の行動などがまとめてあります。
また、「防災タイムライン」に自分の情報を登録すると、よりパーソナライズされた準備も可能に。世帯全員で防災用品は何がどれくらい必要なのか、自分が住んでいる場所はどの災害で危険性があるのかを確認することができます。
「『防災タイムライン』を設定すると、事前の備えだけでなく、災害時に適切な行動を取る助けになります。例えば、高齢者がいるからこのタイミングで避難しよう、自分は4階に住んでいるから洪水などは避難せず自宅の方が安全だ、などその人の状況や災害の種類によって取るべき行動は変わります。『防災タイムライン』を設定することで、“いつ・何をすべきか” を明確にして、いざという時に落ち着いて行動できます」

情報の可視化や通知の設定など、より分かりやすい・使いやすいアプリに
基本機能が分かったところで、「Yahoo!防災速報」アプリでこだわった点やもっと使いこなすポイントを紹介していただきました。
アプリの中で工夫しているポイントを教えてください。
「アプリ内には非常に多くの情報と機能が搭載されているので、分かりやすいデザインを意識しています。例えば『災害マップ』は、緊急時に見てもらうことが多いので、赤や黄といった色で簡単に伝わるように。また、それぞれのページでも情報量や情報の順番などを意識して、どういった順番でユーザーに見てもらいたいのかもこだわっています」
デザインや情報の順番にまで考えて作り込んでいるのですね。「Yahoo!防災速報」ならではの特長などはあるのでしょうか?
「地震発生時に緊急地震速報を受け取れるだけではなく、リアルタイムの震度マップを表示することができるのは、他のアプリにはない特長ですね。地震を可視化することで、これから大きな揺れが来るのか、すでに最大の揺れは来ていて収まっているのかが分かります。これは、全国に約1,000地点ある地震計の情報をもとに可視化しています」

地震が広がっていく様子がリアルタイムで確認できるんですね。
「地震速報はすぐに届けることが大事なので、素早くかつ正確にマップに描画することにこだわっています。Yahoo!防災速報は、地震発生後に一気にアクセスが集中するので負荷のかかるサービスなのですが、それでもリアルタイムで分かりやすい情報を届けることができるのはこのアプリならではのポイントです。また、気象庁が出す緊急地震速報は発生直後に速報を出せるよう1〜2点の観測情報のみで自動判定するため、落雷などの振動を地震と判断してしまうなど、まれに誤報があります。このマップでは、複数地点の地震計の情報を可視化しているため、誤報のときにはマップ上で地震の振動が広がっていないこともすぐ分かるんです」
リアルタイムでの状況把握の手段として、ユーザーからの投稿をマップに反映している機能がありますが、どのような役割があるのでしょうか?
「大規模災害時には、報道陣もすぐに現地に入ることができず、被災している人たちでさえ周辺の情報をリアルタイムで把握することは難しいです。そのような状況で、現地ユーザーからのリアルタイムの情報は非常に重要になります。 また、ユーザーの声が避難の後押しになるという効果もあります。警報など広い範囲の情報だけではなかなか自分ごと化できない人が多いのですが、実際に避難している人がいるという身近な声を聞くことで、『自分も行動しなくては』と感じてもらうことができます」

災害時にはSNSのフェイクニュースが問題になることがありますよね。ユーザー投稿型では誤った情報なども拡散されてしまうことはないのですか?
「いたずらの投稿は、災害発生場所から離れた安全な地域から発信されることがほとんどです。『Yahoo!防災速報』の投稿機能は災害エリアに限定しているため、いたずらは極めて少ないです。また、投稿された内容はAIによるチェックのほか、全て人の目でチェックしているため、誤った情報が拡散されることはほとんどありません」
たくさんの機能と情報が搭載されているアプリを使いこなすコツを教えてください。
「基本的なことですが、まずは位置情報や防災タイムライン、避難場所リストなどの設定をすることですね。設定により、その地域に関連した情報を受け取ることができますし、いざという時にどこに避難すればいいのかがすぐに分かります」

事前にしっかりと設定をしておくことが大事なんですね。
「他にも、任意の地域を3カ所設定できるので、それを活用するのもおススメです。例えば、家族が住んでいる地域を登録することで、その地域の災害情報を受け取ることができます。家族と離れて暮らしている方にぜひ利用してもらいたい設定です」
災害情報ごとに細かく設定し、自分に必要な情報だけを取得
災害情報の通知を受け取るのは大事だと思うのですが、頻繁に通知がされると、煩雑に感じることもあります。
「通知は災害ごとに細かい設定ができるんです。自分に必要のない災害情報はオフに、『地震は震度4以上から通知』というような設定もできます。他にもマナーモードでも鳴るようにすることや、夜の就寝中の時間帯は鳴らさない、など細かい指定ができます」

そんなに細かい設定までできるんですね!
「設定をしておくことで自分が本当に必要な情報を受け取れるのが、『Yahoo!防災速報』の特長です。また、『LINEスマート通知』のLINE公式アカウントを登録すると、避難に関する情報や、地震・津波に関する情報など、基本的な防災情報をLINEのトークで受け取ることができます」
LINEでも災害情報を受け取ることができるんですね。「Yahoo!防災速報」とはどのような使い分けができるのでしょうか?
「『LINEスマート通知』は、LINEで地域を選択するとその地域に関する情報が受け取れ、アプリを増やしたくない人や受け取る情報をLINEで一本化したいという人にはおススメです。その一方で、『Yahoo!防災速報』のように細かく設定はできません。より自分に必要な情報だけを受け取りたい方は、『Yahoo!防災速報』がおススメです」
ありがとうございました!
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(掲載日:2025年11月21日)
文:ソフトバンクニュース編集部









