
福井県坂井市役所の建設課では、積雪期を迎えると市民からの除雪要請など問い合わせの電話が24時間鳴り響きます。その数は1シーズンで数百件にもおよび、時には職員の心に重くのしかかるような「厳しい言葉」が向けられることも珍しくありません。
少子高齢化に伴う労働力不足により、限られた人員で膨大な市民対応をこなさなければならない課題を抱えています。こうした状況を背景に、坂井市が導入したのは、ソフトバンクが提供するカスタマーハラスメント対策ソリューション「SoftVoice」。坂井市役所で道路除雪の業務を担当する佐野雄一さんに話を聞きました。

話を聞いた人
坂井市役所 建設部 建設課高速交通対策室
佐野 雄一(さの・ゆういち)さん
道路、橋りょう、河川といった市民の暮らしを支えるインフラ施設の設置・維持管理・補修を広く担う建設課に所属。その中でも、「道路除雪」の主担当を務める。
絶え間なく鳴り響く電話への応対。精神的負担を和らげるために

坂井市ではどのような体制で除雪にあたっているのでしょうか。
佐野さん 「坂井市は、例年50cm以上の積雪に見舞われる『豪雪地帯』です。2018年の記録的な大雪では147cmの積雪を観測し、市内の国道でも大規模な車両の立ち往生が発生するなど、甚大な影響を受けました。冬期間の除雪は、市民の命と生活を守るために欠かせない重要業務です。現在、約200名規模の除雪体制を整えており、数班に分かれて24時間途切れることなく市内の除雪対応を行っています。雪で道がふさがれ外に出られなくなることは、通勤・通学や買い物といった日々の暮らしが立ち行かなくなるほど切実な課題です。特に朝や夕方の時間帯は、除雪を依頼する電話が鳴りやみません。焦りや不安から感情的になられる方も多く、時には職員の受話器を持つ手が震えるほどの強い言葉を浴びることもありました」

どのような問い合わせが来るのでしょうか?
佐野さん 「除雪に関するお問い合わせは、作業の進ちょくに合わせて主に三つの段階で変化していきます。まずは除雪車が出動する前の『いつ除雪車が来るのか』という問い合わせです。市で定めているガイドラインに沿って現場をパトロールして除雪車の出動を判断しますが、目の前の積雪に不安を感じる住民の方からは切実な声が届きます。次に、作業中や作業後、除雪車が通った脇にこぼれ落ちた雪の塊が玄関先をふさいでしまい、『出入りしにくいから除雪してほしい』と要望が寄せられます。そして最後が、破損に関するご相談です。夜間の暗い中、雪に隠れた路面を見極めながらの作業なので、意図せず個人宅のフェンスなどを傷つけてしまうことがあります。雪が溶けてから気付くことも多く、補償に関する電話がシーズン終盤に寄せられる、というのが一連の流れです。
除雪業務に従事する職員には、24時間交代で対応するため、肉体的な負担だけでなく、鳴り止まない電話対応への精神的な負荷も大きくのしかかっていました。職員のアンケート結果でも、電話対応へのストレスは突出して高く、『何らかの形でメンタルケアをしなければならない』と痛感していました。そんなときに、当市と連携協定を締結しているソフトバンクから、SoftVoiceの試験導入のご提案をいただき、導入に踏み切ることにしました 」

ソフトバンクでSoftVoiceのプロジェクトリーダーを務める中谷敏之は、導入当時をこのように振り返ります。
中谷 「坂井市役所へ足を運び、担当者から現場のリアルな状況を伺いました。訪問したときは雪が降り始める前でしたが、除雪シーズンに入ると、臨時の会議室に多くの職員が集まり、24時間体制で交代しながら電話対応にあたると聞き、その切実な緊張感に圧倒されたのを覚えています。現場の皆さんの期待を肌で感じたことで、私たち開発側も『一刻も早く実用化し、現場を支える力になりたい』と、強い使命感をいだきました」
限られたリソースで市民の暮らしを守り続ける。SoftVoiceが作り出した心の余裕
SoftVoiceを導入してみて、職員の皆さんの反応はいかがでしたか?
佐野さん 「実際に導入してみると、職員からは『相手の声のトーンや怖さが抑えられ、威圧的に感じることがなくなった』という声が多く上がりました。AIによる音声加工によって、電話越しに伝わる強い感情がうまく平たん化されていると感じています。現場で運用を開始する前に試しに職員の声を加工して聞いてみたところ、元の声と加工後の声があまりに違うので、その変化の大きさに驚きました。
受話器を取りながらPCも操作するという手間に戸惑う声もありましたが、それ以上に『このツールがある』という安心感が、職員にとって心の支えになっているようです。このソリューションにより、職員は冷静に要望を聞き取り、正確な対応ができるようになりました 」

中谷 「SoftVoiceは、あえて怒りの感情を完全には消さず、『感情の機微は読み取れるが、威圧感や恐怖心を与えない声』への変換を目指しました。これは、『お客さまの怒りが全く読み取れないと、状況に応じた適切な応対が困難になる』という要望があったためで、あえて30%程度の抑制にとどめています。また、音声変換による聞き取りにくさが応対品質を損なうことがないよう、音質面も精査しました。その結果、音質の劣化は最小限に抑えられており、実業務での商用化が十分に可能な品質であると判断いたしました。このような品質になっているからこそ、坂井市の応対現場でも市民の声をよく聞きながら職員のメンタルも守るという効果が十分に発揮されています」

SoftVoiceを今後どのように活用していきたいですか? それぞれの立場から教えてください
佐野さん 「人口減少により職員数が限られていく一方で、行政に求められる業務はますます多様化・複雑化しています。こうした状況下で、職員の精神的な負担を軽減しながら問い合わせに対応できるSoftVoiceのようなテクノロジーは、非常に有用なツールであると可能性を感じています。これからも最新技術を活用しながら、地域の暮らしを支え続けていければと思っています」
中谷 「昨今、カスタマーハラスメントが深刻な社会問題となっていますが、受け止める側の精神的なストレスをテクノロジーでケアすることは十分に可能です。坂井市での実績を糧に、同じような悩みを抱える現場の皆さんの『心の盾』となれるようSoftVoiceを届けていきたいです」
(掲載日:2026年3月26日)
文:ソフトバンクニュース編集部
コールセンター向けのカスハラ対策ソリューション「SoftVoice」

「SoftVoice」は、AIによる音声変換技術を活用し、通話中のお客さまの強い口調を穏やかな声色にリアルタイムに変換することでオペレーターの心理的負担を軽減するソリューションです。
現在、全ての機能をお試しいただける無料トライアルを実施しています。公式サイトからお申し込みいただけますので、ぜひお気軽にお試しください。

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