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金融事業を新設し「Beyond Carrier」戦略のさらなる加速へ -ソフトバンク株式会社 2023年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

2022年8月4日、ソフトバンク株式会社の2023年3月期 第1四半期 決算説明会が開催され、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一が連結業績について説明を行いました。

目次

増収減益も、利益目標1兆円に向け順調に進捗

第1四半期の売上高は、1兆3,620億円と前年同期比で0.4%増、営業利益は2,471億円と同13%減となりました。売上高は、通信料値下げの影響などによりコンシューマ事業が減収となった一方、法人事業、ヤフー・LINE事業、流通事業が増収となりました。

売上高 セグメント別

通期業績予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高23%、営業利益25%、純利益24%。「通期業績予想にはPayPayの連結化による影響などを含めており、計画どおり順調に推移している。営業利益1兆円以上という目標は達成できる見込み」と期待を示しました。

2022年度通期業績予想 進捗率

モバイル契約純増数が大幅に改善

コンシューマ事業では、スマホ累計契約数が前年同期末比で7%増加。スマホおよび主要回線の純増数が前年同期比でいずれも増加し大幅に改善しました。

通信料値下げや獲得関連費の増加などの影響により、売上高は前年同期比で4%減収、営業利益は16%減益となりましたが、コンシューマ事業の営業利益の通期業績予想に対する第1四半期の進捗率は32%と、順調に推移しており、また通信料値下げによる減益影響は、今年度を底に次年度以降は大幅に縮小する見込みです。

モバイル契約 純増数

法人事業の売上高は前年同期比で3%増加、営業利益は5%減少。2022年3月期 第1四半期に発生した一時的な費用の戻し入れの影響(27億円)を除けば2%の増益となります。売上高の増加の要因として、ソリューション等の売上高が12%増と引き続き好調で、クラウドやセキュリティをはじめとする継続収入の増加により安定的な業績拡大を見込んでいます。

法人事業 ソリューション等 売上高

ヤフー・LINE事業は、成長に向けた採用強化に伴う費用の増加などの影響により、増収減益となりましたが、国内物販eコマースの取扱高は6%増加と、順調に推移しています。

ヤフー・LINE事業 物販eコマース取扱高(国内)

PayPayはマネタイズ期へ。「決済・金融」を本業に加え「Beyond Carrier」をさらに加速

スマホ決済サービス「PayPay」の累計登録ユーザー数は4,800万人を超え、決済回数や決済取扱高(GMV)も好調です。

「マーケットシェアの3分の2を超えてきており、圧倒的な国内No.1になっている。これまでの種まきのフェーズから本格的なマネタイズへのフェーズに移行していきたい」と意気込みを述べた宮川は、先日発表したPayPay株式会社の連結子会社化について触れ、2022年10月1日に連結会社化し、第3四半期に再測定益を計上することを説明しました。

本格的なマネタイズ期に向けて

ソフトバンクおよびZホールディングスの顧客基盤やサービスと「PayPay」をより深く連携させ、PayPayおよびソフトバンクのグループ企業価値を最大化。 「PayPay」のさらなる成長に加え、両社が共同でPayPay経済圏を拡大させることにより、コンシューマ事業、法人事業、グループ企業全体の成長につなげるとの決意を表明しました。

PayPay株式会社 連結子会社化

PayPayの連結子会社化後は、新たなセグメントとして、「金融事業(仮称)」を新設することを発表。ソフトバンク株式会社の事業ポートフォリオに「決済・金融」を加え、「Beyond Carrier」戦略をさらに加速していく構えを示しました。

当社の事業ポートフォリオ

2023年3月期 第1四半期 決算説明会

(掲載日:2022年8月3日、更新日:2022年8月5日)
文:ソフトバンクニュース編集部