2024年3月16日に金沢ー敦賀間が延伸開業した北陸新幹線。福井県の推計によると開業直後の新幹線駅周辺の来訪者数は前年比で約30%増加し、関東圏からの来訪者は70%近くも増加※したということです。旅で楽しい時間を過ごすには、ストレスなくスマホを使える快適な通信環境も重要です。延伸開業に伴うソフトバンクのネットワーク対策と周辺の観光スポットを紹介します。
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鉄道ならではの3つの対策コンセプト「駅」「トンネル」「明かり」
今回延伸したのは石川県の金沢駅から福井県の敦賀駅までの線路延長約125キロの区間。ネットワーク対策には、鉄道ならではの「駅」「トンネル区間」「明かり区間」の3つのカテゴリでの設計コンセプトが作成されました。
「駅」は乗降客など大勢の人が溜まりやすい場所。「トンネル区間」は電波が届きにくい閉空間。「明かり区間」は、鉄道が走行する区間のうちトンネル区間以外の周囲が開けた開区間のこと。この3つではそれぞれスマートフォンなどの通信の利用の仕方が大きく異なるため、空間特性や人の動きに合わせた対策をする必要がありました。
最高速度 260km/hのハイスピードで走る新幹線対策では「電波を途切れさせることなくつなぎ切ること」を最低限とし、5Gらしさも提供するという目標を設定したといいます。トンネル区間は、開業に合わせてトンネル内部をLTE/5Gでエリア化。明かり区間に対しては、基地局を地上や建物の屋上に拡充するといった対策を実施。乗客が新幹線内でオンライン会議をしても途切れない安定した通信品質を実現しました。
一方、駅に関しては周辺の再開発なども行われ、観光での利用者数の大幅な増加が見込まれたことから、小松、福井、敦賀駅を中心に5Gらしさを提供し、ユーザーに快適な通信を体感いただけるよう取り組みました。
旅行しやすくなった北陸エリア。交流人口1.5倍以上増加への対策
北陸新幹線の延伸に伴うエリア対策に加えて、駅周辺や観光地などを訪れる交流人口の増加を想定したエリア対策も行う必要がありました。

開業当日の敦賀駅の様子
新幹線開業によって、関東圏や信越から乗り換えなしでつながったことや、東京~福井間が最速2時間51分(36分短縮)、東京~敦賀間が最速3時間8分(50分短縮)と、大幅に時間短縮されたことで、旅行しやすくなった北陸エリア。ソフトバンクは、新たにオープンした施設を始め、観光地やイベントなどで快適にスマホを使えるよう通信品質の維持・向上に取り組んでいます。
北陸初のフットボール専用スタジアム「金沢ゴーゴーカレースタジアム」
石川県金沢市では2024年2月に北陸初のフットボール専用スタジアム「金沢ゴーゴーカレースタジアム」がオープン。地上4階建て収容人数10,444人の大規模施設で、試合やイベント開催時にはスタジアムやその周辺に多くの人が集まり、スマホの利用が急増します。楽しい時間を満足して過ごしていただくために、通話やメッセージのやりとりだけでなく、QRコードチケットやQRコード決済などストレスなくスマホを使える快適な通信環境を整えました。

矢印は電波が照射される方向

矢印は電波が照射される方向
また、福井県内の代表的な観光地である「東尋坊」「一乗谷朝倉氏遺跡」「恐竜博物館」などを始め、多くの観光地で来訪者が増加※。
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海岸線に巨大な柱状節理が広がる「東尋坊」
「東尋坊」は、福井県北部の海岸線に約1kmにわたって連なる巨大な柱状節理。規模の大きさから「柱状節理世界三大絶勝」の一つに数えられ、地質学的にも貴重なため国の天然記念物と名勝にも指定されています。福井県を代表する観光スポットで、ドラマの撮影地としても有名な景勝地です。
全国でもまれな大規模遺跡「一乗谷朝倉氏遺跡」
「一乗谷朝倉氏遺跡」は、福井市にある戦国時代の遺跡。越前を治めた朝倉氏の城下町跡で、国の特別史跡に指定されています。発掘調査によって往時の町並みや多くの遺物が発見され、現在、復原された町並が公開されています。2022年には福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館が開館し、出土品や歴史的資料が展示されています。四季折々の自然が美しいことでも有名で、歴史ファンだけでなく、自然や文化を愛する方にもおススメのスポットです。
恐竜たちと時空を超える冒険へ! 「恐竜博物館」
「福井県立恐竜博物館」は、勝山市の「かつやま恐竜の森」内にある恐竜を中心とする地質・古生物学博物館。広大な展示室は「恐竜の世界」「地球の科学」「生命の歴史」の3つのゾーンに分かれ、50体以上の恐竜骨格や数千点の標本が展示されています。福井で発見された恐竜なども並び、迫力満点で子どもから大人まで楽しめる場として多くの来館者を魅了しています。
今回の北陸新幹線延伸開業に伴うネットワーク対策では、自治体からの情報や既存の基地局のKPI(Key Performance Indicator)から推測できるネットワークのトレンド情報などをもとに、交流人口の増加を1.5倍以上と予測。延伸区間の各駅のほか、既存区間も視野に入れて対策を実施し、3月16日の開業当日は、駅、トンネル、明かりの全ての区間において圏外や輻輳(ふくそう)がないスループットを実現したことが確認できました。
敦賀の夏の風物詩「とうろう流しと大花火大会」
また、敦賀の花火大会でも、スマホの通信品質を保つためのネットワーク対策が行われました。名勝「気比の松原」海岸で行われる「とうろう流しと大花火大会」は、敦賀の夏の風物詩。2024年は6年ぶりに開催され、北陸新幹線敦賀開業を祝うプログラム「ようこそ敦賀へ」など、約1万発の花火が打ち上げられました。ソフトバンクは、アンテナを搭載した「移動基地局車」を設置し、通信アクセスの一極集中を防ぐための臨時の電波対策を実施しました。
ネットワーク対策にあたった北陸エリアの担当者は「新幹線対策期間中の1月に能登半島地震が発生し、災害復旧と新幹線対策を並行して行いました。大災害の復旧対応の中で開通日までに完工することには苦労もありましたが、北陸を訪れる皆さんに快適なネットワークで旅を楽しんでいただき、北陸全体が活気づけばいいなと思っています」と振り返りました。
ソフトバンクは、今後も北陸新幹線全区間でのさらなる通信ネットワーク品質の向上や、周辺観光地の電波対策の強化にも取り組んでいきます。まだまだたくさんある北陸の魅力を発見しに、旅行先としてぜひ検討してみてくださいね!
(掲載日:2024年12月26日)
文:ソフトバンクニュース編集部