2025年11月に開催される第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025(以下「東京2025デフリンピック」)。日本の各地で桜の開花宣言が出始める時期に合わせ、大会を盛り上げる「さくらキャンペーン」が3月30日まで行われました。3月17日にはキックオフイベントを開催。東京都渋谷区のソフトバンク渋谷で行われたイベントの様子を紹介します。
100周年を迎えるデフリンピック。ソフトバンクがトータルサポートメンバーとして大会を支援
デフリンピックは、耳がきこえないという意味の「デフ(Deaf)」と「オリンピック」を組み合わせたもので、国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が主催する、きこえない・きこえにくいを持つアスリートを対象とした国際スポーツ大会です。オリンピックと同様、4年に1度開催されます。障がい者スポーツ大会として知られているパラリンピックでは障がいに応じたクラス分けやルール変更がある一方、デフリンピックの競技ルールはオリンピックとほぼ同じ。きこえない・きこえにくい人にも視覚的に分かるよう、スタートランプや旗を使った合図などの工夫により競技進行し、国際手話を用いたコミュニケーションが取り入れられています。
日本で開催されるのは初めてのことで、1924年にフランスで始まってから100周年となる記念すべき大会でもあります。期間は11月15~26日の12日間、70~80カ国・地域からアスリートが集まり、21の競技が行われる予定です。

DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進し、多様な人材が活躍できる環境づくりなどに取り組んでいるソフトバンクは、東京2025デフリンピックの大会ビジョンに賛同し、同大会のトータルサポートメンバーとして協賛しています。大会期間中は約6,000人の選手や関係者に対し、スマートフォンやタブレットなどの無償提供、端末の利用をサポートするヘルプデスクの設置を行い、円滑な大会運営をサポート。また、「さくらキャンペーン」をはじめとする大会発信に関する取り組みに協力していきます。
応援の輪をソフトバンク渋谷から全国へ。デフスポーツの魅力や誰もが輝ける社会への取り組みを発信
さくらキャンペーンのキックオフが行われたソフトバンク渋谷。全国8カ所ある直営店の1つである同店には、「手話カウンター」を設置しており、耳がきこえない・きこえにくいお客さまへの接客を月に300件ほど行っています。こうした聴覚に障害を持つ方へのサービスを提供しており、また開会式が行われる東京体育館がある渋谷区の店舗である縁から、さくらキャンペーンの開会を宣言するスタート地点となりました。
イベントの冒頭あいさつに登壇した東京都スポーツ文化事業団 デフリンピック準備運営本部 総務部 シニアマネージャーの板倉広泰氏は、大会のメインカラーやエンブレムについて触れ、イメージとなる手の親指は桜の花びらをモチーフにしていると紹介。「デフリンピック応援の桜が満開になることを祈っております」と、キャンペーンを通じて全国へこの動きが広まることへの期待を寄せました。
デフリンピック準備運営本部 板倉広泰氏
続いて、デフアスリートとして今大会の卓球に出場予定の亀澤理穂選手(住友電設株式会社所属)と山田瑞恵選手(SMBC日興証券株式会社所属)がゲストとして登壇。2人とともにさくらキャンペーンの開花が宣言されました。
左)亀澤理穂(かめざわ・りほ)選手 右)山田瑞恵(やまだ・みずえ)選手
その後、ソフトバンク株式会社 営業統括推進統括部 統括部長の高瀬吉康が登壇。「ソフトバンク渋谷の手話カウンターがある場所で、開花宣言を迎えられたことをとても重要に感じています」と話し、通信環境のほか、「SureTalk」というAIを使った手話の翻訳サービスなどの提供を通じた大会サポートへの思いを語りました。

営業統括推進統括部 統括部長 高瀬吉康

直販営業部営業1課 課長の戸丸秀樹と、自らも手話で接客を行うソフトバンク渋谷 店長の関剛志が店舗の取り組みを紹介
左)営業統括推進統括部 統括部長 高瀬吉康 右)直販営業部営業1課 課長の戸丸秀樹と、自らも手話で接客を行うソフトバンク渋谷 店長の関剛志が店舗の取り組みを紹介
桜色のライトアップやSNS投稿企画による「さくらキャンペーン」を通じ、選手も応援する人もひとつに
「さくらキャンペーン」は、東京2025デフリンピックの大会メインカラーである桜色にちなみ、大会の認知を促す目的で行われました。期間中は、東京都庁第一本庁舎や大会の競技会場となる東京体育館をはじめとした3施設や、サッカーの試合が行われる福島県などで桜色にライトアップ。また鉄道各社では大会にゆかりのある駅などにさくらキャンペーンのポスターが掲出されたほか、新聞・雑誌各社でもポスターと同デザインが掲載され、まち全体が応援の桜色でいっぱいになり、大会を盛り上げました。



ソフトバンクの直営店にもポスターやのぼりが登場
また、アスリートや個人によるSNS投稿企画も実施。桜の木や桜色のライトアップ、デフリンピックのポスターなどの写真とハッシュタグとともに、選手への応援メッセージを募集しています。投稿されたメッセージは大会ホームページ上で桜の花びらになり、桜の木に満開の花を咲かせました。
“卓球は人生の一部” と、競技への強い思いを示した山田選手は、多くの協力者への感謝とともに、「自分の限界まで挑戦し、最高の舞台を皆さんに見ていただきたい」と、デフリンピック出場への意気込みを話しました。これまで大会に4連続出場している亀澤選手は「今年のデフリンピックでは必ず金メダルを取ります!」と宣言し、デフリンピックを通じた共生社会の実現にも意欲を見せました。

今日のために髪をピンクに染めて臨んだという亀澤選手と、さくらキャンペーン中の応援メッセージを楽しみにしていると語った山田選手
さくらキャンペーンは終了しましたが、今後11月の大会開催に向けさまざまなイベントが予定されています。みんなで東京2025デフリンピックを盛り上げていきましょう!!
(掲載日:2025年4月1日)
文:ソフトバンクニュース編集部