ソフトバンクは、いくつかの注力テーマを軸に地域密着で地域の課題に応じた社会貢献活動にも取り組んでいます。その注力テーマの一つ「次世代育成」の活動の一環として、2025年2~3月にかけて神奈川県内の小学校で実施した授業を紹介します。
出張授業で地域特有の取り組みや課題を分かりやすく伝える
ソフトバンクは、未来を担う子どもたちの育成を目指し、さまざまな教育支援活動に取り組んでいます。人型ロボット「Pepper」を活用した支援もその一つ。プログラミング学習や探求的な学習への活用だけでなく、補助教員となったPepperとともにさまざまなテーマのコンテンツを提供しています。
全国各地に在籍し、自治体などとともに地域の課題の解決に取り組んでいるCSR部門のメンバーは、ニーズに応じて、小学校をはじめとした教育現場での出張授業も実施しています。過去の例として、生活ゴミから海洋環境を考える授業などを行っています。
今回の授業では、神奈川県企業庁が以前から県営電気事業に注力していることを踏まえて、再生可能エネルギーや地球温暖化などを取り上げました。出張授業が行われた神奈川県下小学校の4年生の授業では、Pepper先生が出すクイズや説明に熱心に耳を傾け、積極的に参加する児童の姿が見られました。

授業の最後に「地球温暖化を止めるために、みんなができることは何だろう?」と問いかけられると、子どもたちは「こまめに電気を消す」「ゴミを分別して燃やすものを減らす」「いらないモノを買わない」「不便な暮らしをしてみる」とさまざまな意見を発表してくれました。自分たちの未来について、より真剣に考えるきっかけになったようです。
CSR本部 関東・中部・関西地域CSR部 坂倉幹男(さかくら・みきお)
「授業の資料はテーマに沿って毎回作成します。学校の教育は1時間の授業内で完結するものではありません。今までに習ったことを生かし、また今後の学びのきっかけになるようなコンテンツを目指しました」
地球温暖化への対応を考えるにあたって取り上げられる再生可能エネルギーの一つである水力発電は、神奈川県の電気事業の主軸になっています。自分たちが住む地域ならではの情報が盛り込まれた授業はどんな内容なのでしょうか?
自治体や企業が取り組む再生可能エネルギー。その一つの水力発電に迫る

「地球温暖化って聞いたこと、ありますか?」という問いかけから始まる授業。原因や仕組みなどをクイズ形式で考えてもらいながら、かみ砕いて解説していきます。




自分たちの身の回りの生活を例に挙げながら地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)について説明し、「ではどんな取り組みが考えられるだろう?」と問いかけ、再生可能エネルギーについて考えていきます。普段の生活でも目にすることが多い太陽光発電なども取り上げつつ、ソフトバンクの取り組みも紹介しています。


続いて再生可能エネルギーの一つとして水力発電にフォーカス。水の力で電気が作られる仕組みを、分かりやすい動画や図で確認していきます。

水力発電は、水が高いところから低いところへ落ちるときに起こる力を利用する発電方法です。発電機が太い軸で水車とつながっていて、①ダムなどの高いところに貯めたたくさんの水をそこに送りこむと、②羽に水が勢いよく当たり水車が回転。③この回転で発電機を動かすことによって、電気が作られます。
水力発電では二酸化炭素を排出しないため地球温暖化への影響が少なく、また電力の使用状況に対応して発電量をコントロールしやすいそうです。
首都圏の中でもダムが多い神奈川県。授業をきっかけに県の水力発電の取り組みを知る
神奈川県はその地形の特性上、県の西エリアを中心にダムが多く存在し、県営の水力発電所は14カ所。年間の発電量はあわせて約3億kWhにのぼるそうです。

授業では、規模や総貯水量において首都圏で最大級の宮ケ瀬ダムや神奈川県営の発電所の中で最大出力を誇る相模発電所がある相模ダムをはじめ、地元の人にとってなじみのあるダム施設をいくつかピックアップ。その他、地方公営企業として唯一の「揚水式※」発電所がある城山ダムなど、各施設の特徴を学びました。
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夜間の余剰電力でダムの上部に水をくみ上げ、電力需要が高いときに落水発電する方式

神奈川県宮ケ瀬ダムの放水の様子
県内の水力発電の事例から、限りある資源を有効活用すると同時に、安定的な電力供給を目指す自治体の取り組みや工夫を知ることができる内容でした。
電力の地産地消に貢献「ソフトバンクでんき」
ソフトバンクのグループ会社であるSBパワーは、神奈川県における “電力の地産地消” に対する取り組みを行っています。中でも、同社のサービス「自然でんき」を利用する神奈川県の契約者に対しては、神奈川県営の水力発電所で発電された電力を100%供給しています。
(掲載日:2025年3月19日)
文:ソフトバンクニュース編集部