2020年6月25日、ソフトバンクグループ株式会社の第40回定時株主総会が開催されました。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンラインでの出席や議決権行使、質問などができる株主専用ウェブサイトを活用して開催。議長を務めた代表取締役会長 兼 社長の孫正義をはじめ、全ての出席役員がウェブ会議システムでリモート参加し、報告事項、決議事項議案、事業戦略の説明を行いました。
現任取締役がリモート参加しました
新しい日常のためにデジタルシフトが加速する
事業説明の冒頭、孫は「人類の歴史を振り返ると、危機が新しい日常を生んできました。新型コロナ危機を解決する中でデジタルシフトが一気に加速し、新しい日常が作られていくでしょう」と新型コロナウイルスによる社会影響について見解を述べました。
具体的な動きとして、コロナ禍においてもアリババ、オンラインデリバリーのUber Eats、オンライン診療のPing An Good Doctor、オンライン教育プラットフォームのZuoyebangなどのサービス利用が伸長していることを紹介。
そして今回の新型コロナウイルスに対する直接的問題解決の一つとして、自身が期待する2社の取り組みに言及しました。
「治療薬やワクチンの開発をAIを活用して行うVIRは、数千個の治療用抗体を特定し、今年の夏に臨床試験が始められるということになり、非常に期待をしています。また、同じくAIを活用するROIVANTは、新型コロナウイルスによる呼吸困難の症状向けの治療薬を開発中です。世界中の人々が直面している困難に対して解決を図ろうと、われわれのファミリ―カンパニーで奮闘し、創業以来取り組むデジタルシフトを一貫して牽引していきます」
デジタルエコノミーが株主価値を牽引
株主から寄せられている「ソフトバンクグループは大丈夫なのか？」という問いについては、「最大規模の赤字を出したわけですから、ごもっともな心配事だと思います」とした上で、戦略的持株会社となったソフトバンクグループにとって、注視すべきは営業利益ではなく株主価値であると解説。現時点の株主価値はコロナ禍の前の2019年12月末より増えていることを説明しました。
また長年の懸念事項とされていたSprintへの投資において、今年T-Mobileとの統合が完了したことや約7年間でIRRが25%であること、T-Mobile株式の売却取引を開始していること、また3月に発表した4.5兆円の資金化プログラムの約8割が進捗中であること、保有資産の多くを占めるアリババ株が着実に伸びていること、Armベースのチップ出荷数が順調に推移していることなどを紹介。
ソフトバンクグループが事業ドメインとしている「デジタルエコノミー」は二次曲線で伸びており、創業以来、株主価値を着実に増やし続けている変遷を解説するとともに、ちょうど10年前に発表した「新30年ビジョン」のプレゼン資料なども交えながら「情報革命で人々を幸せに」という思いを、一貫して持ち続けていることを強調しました。
2議案を決議
続いて本総会では、議案として提出された「剰余金の処分の件」「取締役13名選任の件」の採決が行われ、2議案ともに賛成多数で決議されました。
最後に孫から「本総会の終結をもって、13年間にわたり当社取締役を務めたジャック・マーが退任します。私自身も同じタイミングでアリババ・グループ・ホールディング取締役を退任しますが、心の底から納得できる卒業です。これまでのジャックの貢献に心から感謝していますし、退任後もアリババがわれわれの中核会社であることは先ほどから申し上げているとおりです。この場を借りて皆さまにお知らせします」と報告を行い、閉会となりました。
第40回定時株主総会の動画や資料はこちらからご覧いただけます。
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決議内容・資料 |
（掲載日：2020年6月25日）
文：ソフトバンクニュース 編集部
