富山県の飛騨山脈北部にある「剱岳(つるぎだけ)」。氷河によって削られた鋭く険しい岩峰が連なっているため、登山難易度が高く、日本屈指の危険な山とされています。そんな剱岳に臨む登山者に、つながる安心を提供するため、ソフトバンクは「別山尾根ルート」の登山道を中心に剱沢周辺のエリア対策を行いました。
鋭い岩尾根と氷河が美しい「剱岳」
日本アルプスの一つ飛騨山脈(北アルプス)北部の立山連峰にある「剱岳」。富山県中新川郡上市町と立山町の境界に位置しています。
日本で数少ない氷河が現存しており、2,999mの岩と氷雪に覆われた厳しくも美しい急勾配はまるでヨーロッパの高山を思い出させるいでたち。氷河や風雨の浸食で作られた鋭い岩尾根が特徴で、その圧倒感から “岩と雪の殿堂” とも呼ばれています。7月中旬から9月下旬ごろの夏山シーズンが登山に適しており、登頂を目指して全国から多くの挑戦者が訪れています。


主な登山ルートは、「別山尾根ルート」と「早月尾根ルート」の2つ。
「別山尾根ルート」は、周囲の山々の稜線(りょうせん)を見渡せる景観の良さが魅力であるものの、鎖場やハシゴなどの難所が数多くあり、滑落事故などに十分な準備と注意が必要です。また、「早月尾根ルート」は北アルプスでも屈指の長大な尾根で、標高差はなんと約2,300m。長い急勾配が続くため、技術的にも難易度が高く、十分な装備だけでなく経験と体力が求められる非常に厳しいルートとされています。
つながる安心と伝えたい感動を支える「剱岳」での対策
ソフトバンクは、一般登山道としてより多くの登山者が利用する「別山尾根ルート」を中心に、登山道をはじめ、剱沢キャンプ場や剣山荘、剱澤小屋、さらには富山県警山岳警備隊の前線基地などのエリア対策を実施。エリア対策にあたったソフトバンクの北陸ネットワーク技術部のメンバーに話を聞きました。
剱岳でエリア対策を行うことになったのは、何かきっかけがあったのですか?
山小屋オーナーの皆さまから、剱沢から剱岳一帯のエリア化の要望が寄せられたことがきっかけです。近年、登山客が増加し、緊急時における通信確保の重要性は増すばかり。お客さまが安心して携帯電話を使える環境を提供することがわれわれの使命でもあるので、なんとしても応えたいと思いました。
国内屈指の危険度を誇る山でのエリア対策となりましたね。
今回のエリア対策は、環境面でもスケジュール調整の面でも簡単なものではありませんでした。自治体から行政機関まで地道に説明を進め、山小屋オーナーの皆さまにも協力していただき粘り強く交渉を重ねた結果、晴れて基地局設備の設置許可をいただけました。一般登山者の多くが利用し、人気の高い別山尾根ルートを中心にエリア対策を実施しています。作業場所へ向かうためには長距離の登山が必要ですし、度重なる天候急変によりスケジュール変更を余儀なくされることもあり、エリア測定や基地局設営工事も大変でしたね。


エリア対策の様子
登山客のみなさんの反応はいかがでしたか?
「剱沢周辺の電波環境が良くなった」「家族や友人との連絡手段ができた」「思い出をSNSですぐ共有できるようになった」「リアルタイムに天候状況を確認できるようになった」といった喜びの声をいただいています。山小屋オーナーの皆さまや自治体に多大なるご協力をしていただき感謝しています。 これからも山岳対策に力を入れているソフトバンクとして、登山道におけるつながりやすさNo.1を目指して取り組んでいきたいと思います。
対策を実施した北陸ネットワーク技術部のみなさん
(掲載日:2024年9月18日)
文:ソフトバンクニュース編集部