学校体育の課題解決をサポートするスポーツ支援サービス「AIスマートコーチ for スクール」。東京学芸大学附属小金井小学校では、2学期から「AIスマートコーチ for スクール」を活用した体育授業が始まりました。一体どのような活用がされているのか、体育の授業を見学してきました!
目次
学校体育の課題を「AIスマートコーチ for スクール」で解決。どんな授業になるの?
小金井小学校の6年生は、2学期から跳び箱の授業で「AIスマートコーチ for スクール」を活用しています。6回目の授業となる今回は、子どもたちが上達したい技をそれぞれ練習する個別学習の時間で、跳び箱の上を前転しながら跳び越す「首はねとび」などの少し難易度の高い技に挑戦。
授業前には跳んでいる姿を撮影するために、子どもたち自ら跳び箱の横にiPadと三脚を設置していました。

準備体操を終えて授業が始まると、モニターに「AI スマートコーチ for スクール」で前回撮影した動画を投影。まずは全員で動画を見ながら、前回の授業について振り返りました。

【学ぶ】お手本みたいに上手に飛ぶにはどうすればいいだろう?
振り返りが終わると、3〜4人のグループに分かれて練習を始めます。自分の動きを撮影して動画を見返す子、お手本動画を見てコツを学ぶ子、友達や先生からアドバイスを求める子など「AIスマートコーチ for スクール」を活用しながら自分の技を磨いていきます。


【比較する】お手本と比べてどのくらいできたかな?
ひと通り練習をしたら、子どもたちはお手本動画と比較しながら撮影。撮影した後はグループ全員が自然と画面の周りに集まり、比較動画を見ながら良くなった点・もう少し改善できそうな点などを話し合います。「さっきよりも足が伸びてて、いいね!」「お手本動画よりも手で台を押せていないかも」など、どのグループでも活発に意見を出しあっていました。


【記録する】動画を見ながらもっと上手に飛ぶ方法を考えてみたよ!
最後は全員が集まって授業の振り返り。動画を見て気づいた点や次の授業で気を付けたい点をシートに記入し、授業が終了しました。

使った感想を子どもたち・先生に聞いてみました!
授業お疲れさまでした! 今日の授業の感想を教えてください。
「『AIスマートコーチ for スクール』を使って振り返りをしながら、コツやポイントをつかむことを重点的に考えて授業を受けました。学校で普段からタブレットを使っているので感覚的に操作ができるし、自分の動画とお手本動画を比べることで、違いをたくさん見つけることができました」
「最初はただ撮影して自分の動画を見ていたんですけど、技が上手にできないと感じてから、お手本と比べてどこが違うのかなって比較するようになりました。細かい動きもスロー再生ができるから分かりやすいです」
子どもたちに変化はありましたか?
「子どもたち自ら撮影した動画とお手本動画を比較できることから、自分の感覚と実際のズレを認識してもらうために授業で活用しようと思いました。他の教育系アプリでは、『使った方がいいよ』と言っても使わない子がいたりするのですが、『AIスマートコーチ for スクール』は簡単に操作できるのに加えて動画の比較が子どもの関心を惹くので、授業で使う普通の文房具のように使ってくれていますね」
子どもたちが運動を好きになる経験を。サービス開発への想い
今回の授業で活用された「AIスマートコーチ for スクール」の開発の背景や特長について、ソフトバンク株式会社 サービス企画本部の阿部飛雄馬に話を聞きました。
コンシューマ事業推進統括 サービス企画本部
阿部 飛雄馬(あべ・ひゅうま)
「AIスマートコーチ」「AIスマートコーチ for スクール」の企画を担当。
大学時代は陸上部に所属し、箱根駅伝にも出場
「AIスマートコーチ for スクール」はどのようなサービスですか?
「AIスマートコーチ for スクール」は学校体育の課題を解決するスポーツ支援サービスです。動画を使って「学ぶ → 撮影する → 比較する → 振り返る」ことで、児童生徒の主体的・協同的な学びをサポートします。
学校での体育授業に特化していますよね。どんな背景があったのでしょうか?
体育現場は、先生の高齢化や専門性の不足などさまざまな課題を抱えています。一番大きな課題は、小学校で体育や運動が好きになる経験がないと、中学・高校、大人になっても苦手意識を持ってしまうということです。いろんな研究からも分かっていることなので、まずは小学校での体育授業に重点を置いています。また、体育でタブレットを使う学校も増えている一方、お手本になる動画がなく、先生たちがネットで探した動画を編集して授業で使うなど、先生の業務負荷になっている現状があります。そこで学校体育のためのサービスを作ろうと開発に取り組みました。
これまでの「AIスマートコーチ」と違い、「AIスマートコーチ for スクール」はどのような特長があるのでしょうか?
従来の「AIスマートコーチ」に搭載されている機能に加えて「AIスマートコーチ for スクール」は、学習指導要領に準拠したお手本動画と解説付き動画が充実しているので、動画を見て動きのコツを学ぶことができます。また、学校独自のお手本動画を作れるので、例えば運動会で踊るダンスの練習などにも便利です。さらには、比較した動画をダウンロードし、宿題として動画を共有することで、家に帰って動画を見返すこともできます。
今後どのようなサービスにしていきたいですか?
まずは小学校を中心に、いろんな学校の体育授業で活用していただきたいですね。その中で出てきた課題を改善することで、子どもたちや先生がより使いやすいサービスの向上につなげていきたいです。最終的には子どもたちの運動嫌いの解消や先生の負担軽減といった課題を解決できるサービスにしていきたいと思います。
学校体育の課題解決を支援「AIスマートコーチ for スクール」

「動画で学ぶ、撮影する、比較する、振り返る」を通じて運動のスキル向上と、児童生徒の主体的・協同的な学びをサポートします。
現在鉄棒・なわとび・マット・跳び箱のお手本動画と解説動画約160本が公開されており、2024年度中に体育単元のほぼ全ての動画が公開予定。
(掲載日:2024年11月27日)
文:ソフトバンクニュース編集部