国内外のあらゆる分野でAIの活用が急速に進む中、安全で信頼できるサービスを提供するため、企業にも適切にAIを取り扱う責任が求められています。ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、AIの活用や研究開発に関する基本指針「AI倫理ポリシー」やAIガバナンスのアドバイザリーボードである「AI倫理委員会」の議論などを通じて、AIガバナンスの構築に積極的に取り組んでいます。
ユーザー視点を踏まえた、客観的で実効性が高いAIガバナンスを実現
「Beyond Carrier」戦略の下、従来の通信事業者の枠を超え、AIをはじめとする先端技術を活用し、革新的なサービスの提供に取り組んでいるソフトバンク。AIを活用したサービスの開発や提供に当たっては「責任あるAI」※の実行が不可欠と捉え、AIガバナンスの構築に積極的に取り組んでいます。2022年7月に「ソフトバンクAI倫理ポリシー」を策定し、このポリシーに沿ったルールやガイドラインを定め、事業運営やサービス開発を行っています。
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AIに係る倫理やプライバシー、セキュリティなどの課題や潜在的なリスクに企業や組織が責任を持って取り組み、信頼性や公平性があるAIサービスの開発や提供を行うこと。
また、2024年4月に、社外有識者などが参画してAI(人工知能)の倫理に係る各種課題の議論や提言を行う「AI倫理委員会」を設立し、ユーザー視点を踏まえた客観的で実効性が高いAIガバナンスの実現を目指しています。「AI倫理委員会」設立の背景として、AIはあらゆる産業での活用が広がり、今後も活用方法の多様化や技術の高度化が進むことが予想されている一方で、活用の仕方によっては差別的な評価や選別を導く可能性があるなど、倫理面での配慮や注意が必要な技術であることが挙げられます。
AI倫理委員会 社外有識者委員
氏名 | 役職 |
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板津 木綿子(いたつ・ゆうこ) | 東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授 |
木村 たま代(きむら・たまよ) | 主婦連合会前事務局長、国際規格化推進マネージャー |
原田 達也(はらだ・たつや) | 東京大学先端科学技術研究センター教授 |
夫馬 賢治(ふま・けんじ) | 株式会社ニューラルCEO、信州大学グリーン社会協創機構特任教授 |
吉永 京子(よしなが・きょうこ) | 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授 |
山本 龍彦(やまもと・たつひこ) | 慶應義塾大学大学院法務研究科教授 |
2024年7月に開催された第1回のAI倫理委員会には、AI倫理委員長のソフトバンク 常務執⾏役員 兼 CISO 飯⽥唯史をはじめ、社外有識者委員、ソフトバンクの社内委員が参加し、ソフトバンクのAI利活用の状況やソフトバンクのAIガバナンスに関する取り組みが共有された後、AIに関するリスクやその対処法、国内外のルール形成の状況、グループ会社の適用など幅広い分野などについて、率直な意見交換がされました。

AI倫理委員会でAI倫理委員長を務める飯田は、「AIが話題だけでなく社会全体に渡り急速に活用されていく一方で、責任あるガバナンスが求められているのは見逃せない事実です。これをソフトバンクの知恵と工夫だけで対応してみても不十分なため、さまざまな専門領域の有識者委員のご協力をいただき、AI倫理委員会を立ち上げました。今後、当委員会の取り組みの成果を、事業の拡大と健全な発展、お客さまの安心安全につなげていきたいと考えています」とコメントしました。
ソフトバンクのAI倫理ポリシー
AIの活用や研究開発に関する基本指針を定めた「ソフトバンクAI倫理ポリシー」。
AIの活用方法の多様化や技術の高度化が進む背景の下、ソフトバンクは、AIを適切に活用してお客さまに安全・安心なサービスを提供するため、6つの項目において指針を定め、事業運営やサービス開発などを行っています。
(掲載日:2024年7月23日)
文:ソフトバンクニュース編集部