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テスト作成や採点の負担を軽減。「先生AIアシストLab」が創出する子ども一人一人と向き合う時間

教育現場で広がるAI活用。業務負担軽減への期待が高まる一方で、学びの本質への影響を懸念する声も少なくありません。こうした課題を背景に、愛知県瀬戸市の学校法人SOLAN学園 瀬戸SOLAN学園 初等中等部(以下、瀬戸SOLAN学園)では、ソフトバンクが開発した教育現場向け「先生AIアシストLab」を活用した実証が行われています。教育とAIの融合が現場にどのような変化をもたらしているのか、関係者に話を聞きました。

生成AIでテスト作成から採点までを自動化する「先生AIアシストLab」

「グローバルシチズンシップの育成」を教育理念に掲げる瀬戸SOLAN学園では、ソフトバンクが開発した「先生AIアシストLab」を活用した実証が2026年1月から行われています。教員4名と6年生、7年生(中学1年生)の児童・生徒が活用し、「先生AIアシストLab」によって、一連のテスト業務がどう効率化されるのかを検証しました。

「先生AIアシストLab」は、小中学校の先生などが抱えるテスト業務の負担を大幅に軽減するためのソリューション。学習教材や画像を読み込ませることでテスト問題が自動で作成され、デジタル配布から回答の回収まで行えます。さらに、記述式の回答もAIが柔軟に自動採点してくれるため、専門的なAIの知識がなくても、日々の校務を効率化できるのが大きな特長です。

当たり前を問い直すことから始まる学びの再設計

「その授業、本当に子どものためになっていますか?」瀬戸SOLAN学園が掲げるのは、そんな「当たり前」を問い直す教育です。一人一人が自ら問いを立て、学び続ける「自立し、自律した学習者」を育てるための探究的な学びを取り入れ、カリキュラムも授業も日々アップデートされています。45分授業や一斉指導といった従来の枠組みを学習内容に合わせて見直す中で、課題として浮かび上がってきたのが、子どもの思考をどう見取るかという点でした。

子ども一人一人の思考を「見取る」うえで、どのような課題を感じていましたか?

三宅さん 「探究を支えるうえで重要になる『見取り』は、単にテストの点数で評価することではありません。子どもたちがどのように考え、どのように理解を深めているのか、そのプロセスを捉えることです」

瀬戸SOLAN学園 初等中等部 副校長 三宅 貴久子(みやけ・きくこ)さん

加藤さん 「本当は一人一人を丁寧に見たいという思いはありましたが、全員を見ることは時間的に難しく、どうしても声をかけられない子が出てしまうことが課題でした」

「先生AIアシストLab」はどのような課題意識から開発したのでしょうか?

 「教育現場ではDXが進んできている一方で、先生方の業務負荷や長時間労働は、今も大きな課題となっています。そうした中で、ここ数年でかなり実用的になってきた生成AIを教育現場でも本当に役立つ形で活用することで、先生方の負担軽減と教育の質の向上の両方につなげられるのではないかと考えて、開発に取り組んできました。特に、テストの問題作成や採点は、工程も多く、負担が大きい業務の一つです。テスト業務全体を『先生AIアシストLab』によって一気通貫で支援することで、作業時間の削減だけでなく、先生が注力したい授業や児童・生徒とのコミュニケーションに、より時間を使える状態を目指しています。

ソフトバンク株式会社 共通プラットフォーム開発本部 クラウドプロダクト開発部 朴 相みん(ばく・さんみん)

子どもの理解について、気づきにくい場面はありましたか?

山下さん 「理解していると思っていた子どもが、実はそうではなかった、ということもあります。後から気づくことが多かったですね」

大崎さん 「例えば、理科の授業では、同じテーマでも子どもごとにアプローチが異なります。方法も進め方も自分で選ぶ。その自由度の高さこそが学びを深める一方、新たな課題も生まれています。例えば、記述式の文章で書かれた内容の評価は、やりたかったけど今までは実現できていなかった点です。知識だけでなく、思考や判断、表現といった部分は、これまで評価が難しかった点ですね。生成AIを使うという点もですが、先生たちの働き方改革だけではなく、子どもたちの見取りに着目している点に可能性があると思い、今回の『先生AIアシストLab』の実証に関心を持ちました」

瀬戸SOLAN学園 初等中等部 教諭 大崎 貢(おおさき・みつぐ)さん

生まれた時間を「子どもと向き合う時間」に

実証中は、授業の最中でも「先生AIアシストLab」から子どもにフィードバックが返せるようになり、理解度を確認しながら進められるようになりました。これまで見取りきれなかった部分にも目が向くようになったそうです。

業務面での変化はありましたか?

山下さん 「以前勤めていた公立中学校では、2学年分のテスト約100枚の採点に、1回で5時間ほどかかっていました。今は採点の負担が軽減され、その分、授業づくりに時間を充てられるようになりました」

瀬戸SOLAN学園 初等中等部 教諭 山下 海人(やました・かいと)さん

加藤さん 「以前は計算問題の数値を一つ一つ自分で考えて作成していたため、非常に時間がかかっていました。今はランダムで問題作成できるようになり、作業時間の短縮につながっていますね」

瀬戸SOLAN学園 初等中等部 教諭 加藤 弘靖(かとう・ひろやす)さん

AIと先生の役割分担について、どのように考えていますか?

三宅さん 「AIはあくまでアシスト機能と捉えています。最終的にどう解釈し、子どもにどう返すかは先生の役割です。AIにモチベーションはないので、どう使うかを考えるのは人間です。AIは先生を代替するものではなく、先生の専門性を引き出すパートナーとして機能するのではないでしょうか」

実証でどのような手応えを感じていますか?

 「実証の結果、既存業務における時間的な負担を大きく軽減できることが確認されました。先生方の体感では、問題作成で約53%、テスト配信で約68%、採点で約78%、成績管理で約63%など、従来に比べて時間が削減されたという結果が出ています。特に採点業務は削減効果が大きく、日々の業務負担の軽減に確実につながったと感じています。

一方、教育現場には表に出にくい細かな工夫や運用が多くあります。実証を実施したからこそ見えてきた実態をより深く理解しながら、既存業務の流れの中で無理なく使える形にさらに磨き込んでいきたいと考えています」

(掲載日:2026年5月12日)
文:ソフトバンクニュース編集部

教育現場向けの生成AI「先生AIアシストLab

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